(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

食いも食ったりさらに6軒

雨……のはずだったのである。だから前日に早々と原付を返却したのである。
前日より「西日本で大雨の恐れ」やら「降水確率100%」やらの状況で脅しに脅され、さすがのタケルンバも原付でのうどん巡りを諦めていたのである。ところがどっこい、雲行きはギリギリもちそうな情勢。実際に朝の時点で雨は降ってない。
むむむむむ。早合点したのう。ま、返してしまったものは仕方なし。早めにホテルをチェックアウトし、荷物を再びコインロッカーに収納。電車と歩きを駆使してうどん巡りを再開することにした。

松家製麺所(高松市藤塚町)

「牛定白大盛り」をこよなく愛する松屋ファンは、ついつい「まつや」と呼んでしまいがちだが、ここは「まつか」。JR高松駅から栗林駅に行き、ちと歩いたところにございます。
ここの珍しいところは、細麺・太麺を選べるところ。今回は太麺にしましたが。細麺の方が人気あるらしい。また細・太1玉ずつ頼み、混ぜて食べている人もいるらしい。楽しみ方は人それぞれですなあ。
で、麺なんですが、見た目は宮武系のがっちりした麺なんですが、口に入れるとやさしく滑らかな歯ごたえ。見た目とは正反対の食べ口なので意表を突かれますな。今度来たときには細麺も食べてみよっと。
※2006年12月に惜しまれつつ閉店。悲しい。

大円(高松市今里町)

松家から徒歩で南下。途中で「三徳」をのぞくが、まだ準備中なので先にこちらへ。
この店はぶっかけうどんの専門店。非常にバリエーションがあります。私が頼んだのはスペシャルぶっかけ。とろろ・生玉子・エビ天が入っている豪華なうどんであります。で、文字通りダシをぶっかけ、豪快に混ぜて食べる。おおお、まろやかだ。とてつもなくまろやかだ。とろろが入っていることも大きいが、麺との相性もいいんでしょうな。麺の滑らかさととろろの食感がベストマッチ。いくらでも吸い込める甘美な食感。
ただ、これはご馳走ですな。毎日食べるようなうどんじゃござんせん。実際値段も500円以上するし。1玉100円とかに慣れると、これは高級品だなあ。でも味は最高。ぶっかけうどんの醍醐味を味わうなら必食。

三徳(高松市上福岡町)

大円から少し北に戻ると三徳。入口に親父さんのイラストがあるのだが、非常にそっくりって言うか、そのままやん。
大円でとろろとうどんのハーモニーにすっかり魅せられて(byジュディ・オング)しまったので、こちらでも山かけを食べることに。もう、すぐ影響受けるんだからあ。あと忘れちゃいけないのがマグロフライ。ここの名物らしい。で、早速食べてみる。ほほぅ、こらまたいい感じ。親父さんの頭よろしく、ピッカピッカのツルツルの麺はなかなかの代物。目にも美しき麺であり、食べてさらに納得。こらうまい。マグロフライもなかなか。大円・三徳の2店は近いので、はしごをオススメします!
※2007年6月に高松市林町の方に移転。

おか泉(宇多津町)

三徳を出て、ことでん栗林公園駅へ。高松築港駅に行き、再びJR高松駅。今度は西へ向かい、宇多津のおか泉。
この店、とにかく人気であり有名店。さぬきうどん界で最も人気のある一般店と呼んでも過言ではない。で、実際にうまい。ピカッと輝くビジュアルもさることながら、口に入れての噛みごたえ、喉を通るときの心地よさ。うどんを食べる楽しさが凝縮されているんですよ、本当に。しかもここはオプションもうまい。それにしてもおでんのうまさ。牛すじ、大根の素晴らしさよ。ああ、また食ってしまった。
難点は高いこと。ここもご馳走なのよね、うまいんだけど。あ、そうそう。ここはお土産の半生うどんがうまい。わたしゃここ数年ここのうどんで「年越しうどん」してますが、本当にうまい。直接行けないんなら、まずは通販でどうですか? マジでうまいぞ。

うどん棒本店(高松市亀井町)

さすがの私も満腹になり、おか泉近くのマンガ喫茶で休息。何故か『花の慶次』を全18巻一気読み。わざわざ香川で一気読みする俺。ナイス!
そうこうするうちに、豪快な生き様の前田慶次が体内に宿ったのかどうか、急にもうひとかぶきしたい衝動にかられる。いくさ人たるもの、生あらばうどんを食うべしと。
というわけで急ぎ高松に取って返し、うどん棒へ。ここで頼んだのは……山かけ。またかいな!
しかし粘りのあるものは体にいいのである。そう加藤鷹チョコボール向井も言っていた。ジャンルが偏っている気がするのは恐らく気のせいであろう。
しかしそんな与太話をふっとばすくらいの凄かったのである。スゲエ麺だったのである。何というか「ど真ん中(by長州力)」だったのだ。ピーンと伸ばしても伸ばしても上質のゴムのようにどこまでも弾力をたたえ、口に入れたら入れたで、我が歯の攻撃をひたすらに耐え、ちぎれることをかたくなに拒否する。飲み込もうとすれば喉をぶるるんと刺激し、それでいてちゅるるんと一直線に胃袋に向かうという何ともエキサイティングで魅力的な麺だったのである。
喉越し派は絶対に行くべき店と断言できます。急げ、高松へ

さぬき麺業本店(高松市兵庫町)

うどん棒があまりに衝撃的であり、うますぎた。「こら他のチェーン店もおさえねばなるまい」というわけで選んだのがここ。時間的にも胃袋的にもラストである。
ところがだ。普通なのだ、これが。うまいことはうまいのだが、いたって普通のうまさ。硬めというのも好みじゃないし、好みかどうかを割り引いても、あまりにも感動がない。うどん棒が凄すぎるのかねえ。


とまあこんな感じでうどん巡りを終えました。結局正味2日で食いも食ったり18軒。我ながらよくぞ食ったものよ、かぶいたものよ。
しかしそれにしてもさぬきうどんはうまい。そして面白い。わざわざ香川に行く価値は絶対にあります。とりあえず初心者は「山越」「がもううどん」「谷川米穀店」「彦江製麺所」「うどん本陣山田家」「おか泉」「うどん棒」あたりをオススメします。初回から「赤坂製麺所」とか行くと多分倒れるんで。あそこは濃すぎる!
ビバ、さぬきうどん!