(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

来年サイヤング賞をとっても驚かんよ

報道によると、松坂側は2・3年の短期契約、レッドソックス側は4・5年の長期契約を求めているよう。そらそうだ。松坂は活躍してさらに給料を上げたいわけだし、レッドソックスは移籍金に60億という大枚をつぎ込む以上、できる限り長期間抱え込んで、60億を回収し、ゆくゆくは利益を出したい。お互いの思惑があるわけで、こら当然でしょうな。
で、こういう対立がある以上、落としどころが必要。次のシナリオが考えられます。
①契約できず・西武残留
松坂側、というより代理人のスコット・ボラスが強硬に出た場合、このシナリオが一番現実的。ほっといても松坂は来年FAになるわけで、そうなれば自由に球団を選べる。自由競争になる分、給料の条件合戦になるわけで、そうなればボラスの思う壺。有利な条件を引き出すのに、これ以上の話はない。
一方、獲る球団側も条件を上げても獲る価値が出てくる。それは移籍金がないから。仮に4年60億という契約を結ぶ場合、1年あたり15億という勘定になるが、今回のレッドソックスの場合、他に60億の移籍金があるので、事実上1年あたり30億となる。となると1年あたり20億という契約を結んだとしても、移籍金込みよりはリーズナブル。年20億という投手としての最高クラスの給料でも、移籍金がないだけでお徳になってしまう。
このことはレッドソックスも理解している話。今回もめるくらいなら、1回破談にした上で、来年獲り直した方が都合がいい。獲れなくても西武残留なのだから、ライバル球団が強くなるわけでもない。となると松坂・ボラス・球団の三者にとって最も都合がいいわけで、ビジネスライクに考えると、このシナリオがベターだ。
②松坂妥協・レッドソックス移籍
しかし①のシナリオだと西武にあまりにも都合が悪い。何故なら60億の移籍金が入らず、おまけに来年松坂がFAで出て行ってしまい、何の補償も受けられない。
それを松坂が良しとするとも思えない。えらく日本的な発想で、ボラスには全く理解できん話だろうが、松坂は西武に60億をもたらすべく、レッドソックス入りを優先し、何らかの妥協を指示する可能性が高い。
となると考えられるのは、やはり年数での妥協。具体的には3年プラス1年の延長オプションをレッドソックスに持たせ、事実上の4年契約という形にしてレッドソックスに花を持たせるのではないか。その一方で年俸は高めに設定。1400万〜1500万ドル、16億円から18億円あたりになるのではないかと。
いずれにせよ代理人という職業は、年俸とかのパーセンテージでお金をもらっているので、年俸は譲れん。年数という将来の食い扶持アップを譲る以上、目先の利益である年俸を譲るはずがないので、比較的高めのラインでの攻防になることでしょう。
あ、そうそう。レッドソックスのホームであるフェンウェイ・パークは狭い球場だから、松坂厳しいみたいな報道が一部でありますが、そんなことはねえです。何故なら狭い球場で厳しいのは、いわゆる「打たせて取る」タイプのピッチャー。狭いだけに、ホームランになる確率が高いよ、という話です。一方、松坂は、バットがボールに当たらないのが持ち味。空振りを取るタイプなので、まったく心配ありません。松坂より相手投手の方がホームランを打たれる可能性が高ければ、相対的に有利なのは間違いないですし、レッドソックスの打線は長打力のある素晴らしい打線なわけで、不利なことはまったくねえです。ご安心を。