(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

懲りないけど、実はまとも発言

柳沢さん家の伯夫くんが、更にナイス発言ですよ!

はい、ではここでちょっと考えてみましょうね。伯夫くんはこんなこと言ったんです。

 (若い人たちは)子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいる

この発言は論理的に見るとこういうつくりです。

(前提)子どもを2人以上持ちたい→(結論)極めて健全な状況

「若者が子どもが2人以上欲しいと思う」=「健全な状況だ」という伯夫くんの価値観を率直に話したわけですな。
さて、さらに論理的に考えて見ましょう。論理学には対偶ってものがあります。「Aが高いと、Bの質が良い」という主張がある場合、「Bの質が悪いと、Aが安い」が対偶になります。元の主張の前提と結論の位置と価値を逆にしたものが対偶です。「税金が高いときは、貯金ができない」であれば「貯金ができるときは、税金が安い」だし、「天気が良いと、傘が売れない」なら「傘が売れると、天気が悪い」となります。
で、この対偶は論理的には元の主張と同値です。「暑いときってアイスが売れるよね」という価値観は「アイスが売れないときって寒いよね」と同じ意味ですよと。それが対偶なんですよってことです。
わかりやすくシンプルに記号で表すとこういう関係ですよ。

  • A↑:B○=B×:A↓
  • 税金高:貯金×=貯金○:税金安
  • 天気○:傘×=傘○:天気×
  • 暑:アイス○=アイス×:寒

では対偶という言葉を覚えてもらったところで「ネオ柳沢発言」に戻りましょうね。先ほどの主張の対偶はこういうことになります。

極めて不健全な状況→子どもを2人以上持ちたくない

これ、彼は世間に向けて直接は発信してないんですけど、論理的に考えてるとこういうことを言ったわけね。「不健全な状況だよな。若い人が2人以上の子どもを欲しくないっていうのは」と。
で、最後のプロセス。じゃ、これが問題かどうか。個人的に言わせてもらうと、今回の「ネオ柳沢発言」にゃ問題はねえですよ。非常にまともな問題意識。今回は女性蔑視でも何でもないし、子どもがいない夫婦を揶揄したわけでもない。「若い人が2人以上の子どもを欲しいと思う」状況を健全と定義しとるわけで、少子化対策なんかを考えれば実に常識的な意見。特に間違っちゃいませんよ。「若い人が2人以上の子どもを欲しいと思わない」状況を不健全と考え、様々な対策を打ってもらわねばならないわけでね。
今回はちと野党に分が悪い。何でも噛み付きゃいいってわけでねえぞ。>特に福島瑞穂
(追記)2007/02/06 23:45
野党はどうしても「伯夫くんは子どもをもってない人をクサしてる」って方向に持っていきたいみたいだけど、この「ネオ柳沢発言」は、どう論理をこねくりまわしてもそうなりまへん。そもそも焦点が「若い人は子どもを何人欲しいと思っているか」という願望の話。「子どもが2人以上いる夫婦が健全」と言ったわけでも「子どもがいない夫婦は不健全」と言ったわけでもない。現実の話に踏み込んでないというのが真実。発言の文面を見ても、さすがに曲解じゃねえかという感じ。いい加減そろそろ予算の話しようよ。