(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

オレが作った会社がオレ以外のものなわけなし

何だか昨年のライブドア騒動で語りつくした気がするんですけどね。スティール・パートナーズのサッポロHDに対する仕掛けで、またもや「会社は誰のものか」だとか「金儲けだけでいいのか」だとか「ハゲタカ外資が許せん」とか、訳の分からん議論再燃。何というか不毛ですよ。この話って結論はとてもシンプルだと思うんですけどねえ。

会社は株主のもの

結論から書きますよ。会社は株主のものですよ。金出したヤツのもの。これ、大前提。だってそうでなきゃ誰も会社作らんでしょ。1000万円出して会社作りました、しかし会社はあなたのものではありません。こんなだったら誰も金出さないし、会社作ろうとしないでしょ。小さい会社で考えればわかりやすいけど、金出した人間イコール会社を所有する人間というのが最もシンプル。それ以外ありえん。
で、問題は大企業。ここに話が及ぶと「公益性」とか「社会に対する責任」とかの微妙な議論が出てくるんだけど、小さい会社と同じですよ。分けて考えることない。大企業だって金出したヤツのもの。つまり株主のものですよ。小さい会社の違いは、株が売買されているため、最初に金出したヤツが今も株主とは限らないという点だけ。ただ、株というのは正にその点を解決するシステムで、株を持っているヤツを金出したヤツとみなしましょうよというもの。そういうシステムなので、小さい会社と同じように考えて問題なし。これでいいじゃない、ねえ。

会社の目的は金儲け

ついでに言うと会社の目的は「儲けるため」です。金稼ぐのが目的。正義感ぶってもダメ。会社は営利目的。だってわざわざ「非営利法人(NPO)」って言葉があるくらいですからね。ということは、普通の企業法人はすべからず営利目的なのよ。言わずもがなってことで。
もちろん公益性がないとはいいませんよ。社会に対する責任がないとも言いません。ただ、それは儲かっているからできるんですよ。利益の範囲内でしかできない。損失を出していては、そもそもそういう活動をする以前に会社が潰れてしまう可能性があるわけで。つまり必然的に優先順位は「金儲け→社会奉仕」になるわけですな。きれいごと言ってごまかしてもダメ。会社は金儲けのためにあるんです。

で、それだとどうなのよ

で、問題はこの2点が会社をダメにするかというところなんだけど、決してそんなことはないんだよね。むしろこの2点があるから競争があり、発展があるくらいですよ。
例えば「従業員軽視ではないか」って批判があるんだけど、従業員軽視の会社にはいい人間が集まらないから、必然的に淘汰されるんだよね。人間ってバカじゃないから、待遇がいいところに行こうとするし、大切にされているという充実感を大事にするでしょ。となると、従業員を大事にしない会社には人が集まらなくなる。ということは、従業員軽視は株主にとっても損だし、金儲けのためにも損なのでやらない。理念とかはどうでもいいのよ。損得勘定としてそういうことをしなくなるってことね。
また「企業の社会活動」とかにしても、そういう活動に熱心な会社は必然的に評判が良くなるから、株主にとっても金儲けのためにも得になると。なので、これまた取り組むようになる。つまり「会社は株主のもの」「会社の目的は金儲け」って話でも、会社は従業員を大事にするし、社会活動に熱心になるってわけ。全然矛盾しない話なのよ。
だからこの話は本来終わっている話なんだよね。もう結論が出てる話。これ以外の話は枝葉末節だし、感情論に過ぎませんよ。「外資サッポロビールがのっとられるのは嫌だ」って話で。それなら株式公開しなきゃいい。株式を公開しているってことは、誰が会社の所有者になってもいいですってことだからね。サントリーはそれが嫌で非公開にしているわけだし。あるいはGoogleみたいに一般に売り出す株は議決権を少なくするって方法もある。結局はやり方であり工夫ですよ。
で、もっとそもそも論で言えば、こういう買収・合併OKの世の中にしようと舵を切ったのは自民党政府なんだよね。ということは、これが嫌なら「自民党クソッタレ!」と叫ばなきゃいかんのよ。これ、そもそも論。そう思ったんならちゃんと選挙行きましょうね。それが全ての根源ですよ。