(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

「殺され損」のある国

基本的に重罰化論者なので、こういう話は度々扱っておるわけですが、この判決は……。小学生を殺害した塾講師に懲役18年。

どうなんですかねえ。不当に軽くありませんかね。人一人の命は18年分の重みですかね。そんなことはないと思うぞ。
結局ですな、人が殺されとるわけですよ。理由はともかくね。なのに加害者は18年懲役すりゃまだ生きてよしと。こういうアンバランスがどうにも我慢できんわけですな。

 「余りに残忍で極めて悪質。何の落ち度もない、被害者が感じたであろう恐怖心は想像を絶するものがある」

この判断と、

 しかし、犯行時、精神病のような状態だったことなどを考慮し

がどうもリンクせんのです。
というのも、被害者にとって加害者の精神状態なんてどうでもいいんですよ。精神状態が良かろうが悪かろうが「殺された」という1点は変わらないわけで。「加害者の精神状態がおかしかったので、被害者の恐怖心もなかった」という話ならともかくね。だからこんなのは加害者だけの論理。後付けの話なわけですよ。話の本質は「殺された」という1点。背景なんてどうでもいい。
それに遺族にとっては「まともなヤツに殺されたら得」で、「おかしいヤツに殺されたら損」になりゃしませんかね。だっておかしいヤツは減刑される一方、まともなヤツはきっちり刑が執行されるわけで。つまりここに殺人相場における損得勘定が発生しとるんですよ。これ、どうなのよ。
結局この手の話って「殺され損」はつくっちゃならんのです。「殺し損」のある国の方が健全。被害者に甘く加害者に厳しい。それでいいんですよ。じゃなきゃ昔みたいに仇討ちOKにしないと遺族が浮かばれん。仇討ちNGのために国が刑罰権を独占しとるんだから、きちんと執行してもらわんとねえ。こういう判断はどうも解せんよ。