小さな正義 大きな迷惑

西武の栄養費問題。何だかスポーツネタの範疇を越え、一般ニュースになっとりますな。どこのマスコミでも大賑わい。
……そんな重要なニュースかねえ。ちと騒ぎすぎな気がしますな。いや、関係者が悪くないとは思いませんよ。良い話であるとも思いません。ただ大騒ぎするほどの話じゃないんじゃねえかと。そもそも刑法犯でも何でもないですからね。犯罪じゃない。「球界」という狭い社会での「アマ選手にお金渡して囲い込むのなしね」というルールが破られたというだけの話。ムラ社会のルール破りを一般的な話にするというのがおかしいと思うわけで、ええ。
それに今回の一番の問題は「コンプライアンス病」という企業体制だと思いますよ。ルール破りに自ら手を染めておきながら、都合が悪くなると自分からばらしにかかるという。墓場までそういう話を持っていく仁義が消えうせた方が問題。「悪いことする以上は、悪いことするヤツなりの仁義を守れ」と言いたいのですよ。
いや、これは「悪いことしても良し」って話じゃないのよ。悪事推奨ではない。ただ悪いことするなりの覚悟なんですよ。「それだけの覚悟を持って一歩踏み出してますか」と。同時に「覚悟もねえヤツがするんじゃねえよ」って話なんです。
だってそうでしょ。話はこと西武に限らんわけですよ。金を渡した西武が問題なら、貰った２選手だって問題だし、所属する東京ガス・早稲田大学の問題にもなる。だからこそ、お金を渡した以上は、そのことを隠し切るのが仁義なわけですよ。一番迷惑のかからない方法。企業倫理上一番正しいのは、この手のお金を配らんことであることは間違いないのですが、１円でも渡した以上は、その話を表に出さんようにするのが正しいのですよ。その企業が迷惑を撒き散らさないベターな方法であり、実は企業倫理上正しい。
そもそもこの件を表に出して得する人いますかね。……いないでしょ。ということは黙っていた方が良かったんですよ。この件を隠し切った上で「もうこういうことはやめような」ってするのが最も被害の少ない大人の解決だったんですよ。妙な正義感とかで表に出すからみんな迷惑する。「小さな正義、大きな迷惑」です。それより「小さな悪事、大きな利益」です。隠すという行動で大きな利益を守れるならそれでいいじゃないですか。そのくらいの覚悟を持って栄養費渡さんとダメ。貰う方に覚悟を求められるのはおかしい。
結局この件は誰より何より西武のちっちゃな正義が問題だと思うのであります。悪いこと仕掛けたヤツの自爆テロに巻き込まれちゃかなわんぞ。