(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

悪いのはバイトなんですか?

いくらなんでもこういう論調はおかしい。読売新聞による「バイト任せ ミス多発」という記事。

この記事、論理的におかしい。何でかというと、バイトに作業を任せていたことと、ミスが多いことはイコールじゃないから。

  • バイトに作業を任せていた
  • バイトはミスが多い
  • バイトを使うな

ややもするとこういう三段論法になってしまうわけで、こういう話はいかんのだ。しかもこんな部分があるんですよ。

 記録漏れの原因が、アルバイト任せのずさんな作業にあったことは間違いない。

これって「アルバイトはずさんな作業をする」という前提の話。「ずさんな連中に仕事を任せるからミスが起こった」という読売のご意見なわけですが……そうかねえ。悪いのはバイトじゃねえよ。チェックする体制の不備であり、アルバイト以外の問題でしょうよ。アルバイトに責任を押し付けてどうすんのよ。
大体こういう作業にミスはつきものなんである。ミス率の大小はあれど、何らかの入力ミスはつきもの。これがすべての話の前提にないとおかしい。で、その前提にたってどこも帳票類を保存する。「入力が間違っているのでは」という疑問があったときに、その原本と照らし合わせ、入力が合っているかどうか確かめる。これがごくごく普通の作業であり、普通の危機管理。で、今回の問題はこの照合ができんことなのよ。入力が合っているかどうか、おおもとのデータがないから照合できない。本質はここ。入力が合っているかどうかなんて実は瑣末。合っているかどうかのチェックができないことが大問題。
そういう体制の不備に目をつぶってバイトのせいにするとは読売も太い。

 高齢者の暮らしを支える公的年金の業務に、ミスは許されない。

いやいや、ミスはあり得るんだってば。そこまでバイトに要求しちゃかわいそうだって。弱者を守り、権力者に厳しくするのがマスコミのあるべき姿なのに、バイトを叩くとはね。やるなあ、読売(褒め殺し)。