(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

アジアカップ 日本 VS ベトナム

いいチームじゃない、ベトナム。弱小国と決め付けて見ていたら、なかなかの内容。UAEに勝ち、カタールに引き分けたのはフロックじゃないよ。ホームの有利さは当然あるけれど、2位勝ち上がりは実に順当。
オシムがジェフを指揮し始めた当時を何だか思い出しましたよ。堅守速攻。攻守の切り替えがスピーディで、展開力があって。あれを従来の弱いチームが使うカウンター戦術と考えると本質を見誤るね。あれはモウリーニョなどが好むモダンなスタイルですよ。手数をかけずにスペースを広く使う戦術。守備的に見えて守備的じゃない。相手にあえてボールを預け、奪い取ったときに一斉に走り出す「攻めの守り」。非常に高等な戦術で、それをモノにしているあたり、ベトナム、只者でなし。結果は4−1と差はついたけども、危険なシーンを数多くあったし、早めに追いついてなかったら、焦った裏をとられて1−4で負けても不思議じゃなかったくらい。巧くて素早くてスタミナがあって。アジアにまたひとつ有力国が誕生した瞬間。中東勢より質の高いサッカーをしとるので、今後怖いなあ。あのメンバーの中にベトナムパク・チソンになるヤツは絶対いるよ。
一方、日本に眼を向けると、決めるべき人が決め、内容と結果が伴った感じ。先取点を獲られたあとも、特にバタバタすることもなかったし、1点目の中村俊輔の折り返しは貫禄。差を見せつけた感じね。加地・駒野のサイドバック2人も凄い高い位置で張ってたしなあ。ピッチを広く使い、堅く守る相手を何とか崩してやろうという意欲を感じた次第。
ただサイド攻撃の選択肢が足りない。欲しいのはアーリークロス。身長差があっただけに、もう少し巻をターゲットに放り込んでもいいような。そのための高原・巻の2トップなわけで。ベッカムのようなアーリークロスをとは言わんけれど、このあたりの工夫がもう少し欲しい。マイナスにクロスを出すことにこだわりすぎですよ。
で、トーナメント初戦の相手はオーストラリア。これまでの内容・移動の有無・気象条件など、あらゆる条件で日本有利。リベンジするには絶好の機会。迫るワールドカップ予選のためにも、ここで完膚なきまでに叩きのめしたい。強いイメージを印象付ける決定的な勝ち方が大事。こういう有利な条件で試合できるチャンスはめったにないので、こういうチャンスを有効に使いたいですな。