(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

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無宗教の強み

香港も遂にイスラム金融参入。香港の行政長官が表明。

マレーシア・シンガポールに次いで香港ですか。イスラムマネーの争奪戦であり、イスラム金融の拠点を巡る争いが本格化しそう。
ポイントとしてはガチガチの中国系である香港が参入したってことね。マレーシアはイスラム教国だし、シンガポール華人国家とはいえ、マレーシアの隣。マレー人も多い。そんなわけで両国ともイスラムの影響があるわけだけども、香港にゃあんまり結びつきねえですからね。90%以上の国民が中国系だし。せいぜい九龍公園の中にモスクがあるくらいですかねえ。でもモスクくらいは日本にもあるわけで、大したつながりがないことには変わんない。
ということは、純粋に経済的メリットのみで手を出そうとしているわけで、イスラム世界とキリスト教世界の融合の第一歩になるかもしれませんな。宗教的縛りがない中国系だから為せる業かも。古のシルクロードを伝い、イスラム商人と中国商人が手を結んだ瞬間。自由主義だなんだを言ってるアメリカじゃなくて、そのアメリカが嫌う中国が香港を媒介としてイスラムを取り込もうとしているという。非常に皮肉な展開。
この展開だと次に考えられるのはあれだな、ハラルフード関係。

ハラルの処理をした食料市場の創設とかありえそう。イスラムの人口はどんどん増えているし、実際、タイとかマレーシアはハラルフードの生産に力を入れているところ。となれば、次は取引する場所があれば……という展開になるはず。食料市場といや本当はアメリカ・シカゴだけど、異教徒だし、アメリカはイスラムの敵なのでそれは嫌だと。その点、宗教的縛りがない中国系には抵抗感はない。意外とありえる話。
将来的にはイスラム金融を手始めに、ハラルフードなどを含めた総合イスラム市場への展開。あるいは、実はユダヤ教にも「カシュルート」という食の戒律がある。

そうした戒律をクリアした、宗教食料市場みたいな展開もアリ。宗教の縛りが無いからこそ、どの宗教とも組めるわけで、それが中国の強みとして具現化されてきた気配。本当は日本もそうなんだけどなあ。