フクロウ博士がホンダ入り
これ本当？ ロス・ブラウンがホンダに加入。
ホンダファンにとっては久々の朗報。「たった１人で何が変わる」という反論もあるかもしれんけど、これは十分に変化のきっかけになる人事。少なくても「昨年良かったのに、今年残念」みたいな理解不能なことはなくなるでしょ。ひどかったからなあ、今年。
ただ「これで一気に優勝争い」みたいな幻想を持つのもどうか。Ｆ１という超理系なスポーツ分野では、そういう奇跡的な話は起こらない。その車が持つ性能以上には速く走れない。ましてや今年が残念だったということは、他のチームとのマシン差があるということなので、それは一気に埋まらない。基本的には常識的な結果しか起きないですよ。周りがよっぽどリタイアしてくれん限りは。
じゃ、ロス・ブラウンを迎えたメリットは何なのかというと、こういう人を迎えると秩序ができ、ノウハウが正常な形で蓄積され、わずかながらでもパフォーマンスは上がっていくということ。正常なサイクルができるということなんですよ。それがまさにフェラーリで、かつては凋落していた名門が少しずつ戦力を上げ、やはてはタイトルを獲得したと。もちろんそこにシューマッハー（ジャイアン）という傑出したドライバーがいたことも事実なんだけど、こと車作りという分野で、この人がいた意味合いは小さくない。シーズンが変わっていきなり弱くなるなんてことはなかったし、シーズン中にパフォーマンスを落とすこともなかったからね。そういう「当たり前」ができる人なんですよ。当たり前ができていないホンダにとって、これほど向いた人はいない。
効果が出るのは２年後からだとは思いますが、期待のもてるニュース。エンツォ・フェラーリがつくったフェラーリと、本田宗一郎がつくったホンダ。そこに秩序をもたらすロス･ブラウン。こういう観点で考えても面白い。来期以降の人間ドラマがまたひとつ増えましたな。
