(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

腹八分目ができません

自炊生活が長いもんで、まあ作ることに関しては何の問題もないのだが、未だに不得意な分野がある。それは量の調節。ズバリ言って「適量」がわからん。常に多すぎ。余らせ目。ま、残すのがもったいないので、結局は強引に食いきるんだけども、常にハイオク満タンである。ガソリン注入口まで目一杯。「腹八分目」がわからん。オレはデジタル胃袋なのである。「0」か「1」なのである。
これ外食でも一緒。程よい量の注文ができず、多めに頼んでしまい、リタイア者が続出し、身動きとれなくなったところで「……帰ろっか」というのが毎度のオチ。どうもコントロールが苦手だ。友人曰く「常に1品多い」とのこと。程よい量って何ですか?
それもこれも「あれも食いたい」病が原因。うまそうなものがあったら全部食いたいんである。そしてうまいものは量を食べたいんである。例えば鍋のとき、肉は100グラムでいいとわかっていても、「折角だから」と200グラム買ってしまうのである。「食えるでしょ」と。で、それを肉だけにとどめているならまだしも、それを他の具材でやってしまうのである。白菜とかキノコもわっさり買ってるのである。鍋のフタから頭出しハローである。で、尚且つ買い物前に「鍋とご飯合うからなあ」と、しっかりご飯を炊いてるのである。食えるわけねえんですよ(でも無理矢理食う。だから太る)。
そういうオレにとって、スーパーの導線は強敵。オレもスーパー勤務経験があるので、導線の意図は十二分にわかっているのだが、それでも孔明の罠にはまってしまう。「この日はモヤシと豚コマだけ」と決めていても、入口で大根が安いと加藤一二三名物長考だ。「いやいや、今日は炒め物なのだ。煮物じゃねえんだ」と決めて先に進むが、今度はサバの切り身が安い。「そういえば最近サバの味噌煮を食ってないなあ」というわけで、加藤九段、2回目の長考である。おまけに背後では豆腐の特売もスタート。1丁30円。ううむ、麻婆豆腐という手もあるわい。さあ、どうする加藤一二三
仮にこの段階であらゆる誘惑に勝ったとしよう。しかし外周通路沿いには漬物ゾーンがあったりするわけだ。梅干の酸味がオレの唾液を呼び覚まし、キムチのカプサイシンがオレの胃袋をハードに刺激するわけだ。「炒め物と漬物は合うからなあ」とここで妥協である。キャベツの浅漬けを、あんまり浅くない量を買ってしまうわけである。
そして左目の視界内には「シャウエッセン」のお出ましだ。「炒め物に漬物、そこにボイルしたシャウエッセンがあったら?」という欲望暴走モードの幕が開いてしまう。ただでさえ漬物コーナーで限界突破してしまったオレの欲望ダムだ。大好物のシャウエッセンを止める手立ては皆無に等しい(大げさ)。加藤一二三ですら「うな重」に関しては長考ゼロである。昼飯といえばうな重。となればタケルンバといやシャウエッセンであるまいか?
ここまで来ると、オレにとっては虐殺プレイである。後は惣菜コーナーでとどめを刺されるのみ。気がつくとカゴにはコロッケとメンチカツが入っている。家にソースがないのを思い出し、中濃ソースをあわてて購入のオマケつき。こうしてまたも豪華なディナーの開催である。野菜と魚の誘惑を絶っても、結局肉祭りであり、炒めて良し、茹でて良し、揚げて良しというオレなりの三冠王with浅漬け。誰かオレに腹八分目を教えて下さい。