(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

マクドナルドはじまったな

これも偽装っちゃ偽装なのよね。管理職偽装。マクドナルドの店長は管理職にあたらずとの判決。

まあ当然っちゃ当然の判決。管理職なわけねえもの。現実にシフトの自由なんてねえし、店長なんて正社員の中でかなりの割合の人間がやってるポジションだしさ。これを管理職としてしまうと、確実に管理職インフレが起こるわけで、ええ。
まして残業代払いたくねえから店長にしたのは見え見えなのよね。これ他の外食チェーンも一緒で。実は外食では長時間労働当たり前っていうのは、労働基準法でも盛り込まれてることでして。現在、労基法では週の法定労働時間は週40時間となっておるわけですが、これには特例があり、従業員10人以下の飲食店は週44時間なのです。そんくれえじゃねえと持たねえと、特別な計らいがある業種なわけ。
となればそれを現場で指揮する店長の残業はもっとやむをえない。月100時間なんて話も結構現実。この100時間分を残業代として払うとエライことになる。時給1500円でも15万円。店長1000人で1億5千万円。12ヶ月で18億円。ちなみに2006年12月末でのマクドナルドの店舗数は3828店。2006年12月期のマクドナルドの連結営業利益は約74億円(追記:店舗数・営業利益ともに日本マクドナルドホールディングス)。こう考えると人件費を抑制したいという思惑もわかる。利益が軽く吹っ飛ぶ話なわけで。
もちろんこの話はマクドナルドにとどまらない。多分他の外食チェーンにも波及するし、他業種のチェーン店にも行く。そこでどういう対策が打たれるか想像すると、基本的にはインセンティブで対応するんじゃねえですか? 業績連動給。

 斎藤裁判官は「マクドナルドの店長の権限は店舗内に限られ、企業経営上、重要な職務と権限は与えられていない」と判断。さらに長時間労働を余儀なくされるなど自身の労働時間には裁量権がなく、給与面の待遇も十分でないことから「管理監督者には当たらない」と結論づけた。

判決でもこう述べているように、給与面の待遇も問題なわけですよ。管理職への見返りとして十分でねえと。残業代がなくなるなどの代償として不十分であると。であるならここを手厚くすれば……という方向になるかと思われますな。その方法がインセンティブインセンティブにすれば、業績がイマイチならば「会社全体としてはダメだったから」で支払わなくてもいいし、逆にそういう姿勢にすることで、管理職は会社と一体であると。一体であるから会社側の人間であり、単なる従業員ではない。故に法律上の管理監督者にあたる。こういうロジックが成り立つ。払う払わないに関わらず、企業としての体面が通り、世間受けも良く、その実、害はないということでこういう方向かと。ま、大人の悪知恵であることは変わりないのですがね。
個人的な観測上、大体月50時間以上の残業で黄信号。体調が悪くなる。80時間以上は赤信号。重大な病気・事故発症の恐れ。100時間以上ともなると、いつ何が起こるかわからない状態になり申す。働きすぎによる過労死にご注意を。何のために働いとるかわからん。自分が幸せに、あるいは誰かを幸せにするために働いているはずだから。