(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

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需要があってこそのパクリ

一部で話題のこのニュース。北京オリンピックの書籍に涼宮ハルヒのパクリキャラ登場。

まあいつものパクリか、という話なわけですが、ただのパクリと思うと事情が違う。「何故涼宮ハルヒなのか」を考えないと。
結論から言えば、あちらではある意味で日本以上に人気がある。国内向けにうってつけのキャラだからパクられとるのですな。ま、昔の東京オリンピックで例えれば、勝手に手塚治虫キャラを使ったり、藤子不二雄キャラを使ったりするようなもの。あるいは食堂なんかで勝手に「美味しんぼ」の山岡さんに「うまい!」と言わせる感じというか。ま、そんなところ。
たまたま手元に香港で買ってきた「Hongkong Walker」があるのですが、これなんかにも「這本輕小説真徐s害!(このライトノベルが凄い!)」のベスト30がスペシャルリポートとして引用されとります。

でもって「涼宮ハルヒシリーズ」は「涼宮春日系列」として向こうでも人気。

「お富さん」とか「別れの一本杉」とかを歌うストーリーで有名な。それは春日八郎だし、合ってるの「春日」だけだし、「ハルヒ」と「カスガ」で違うし。
ちなみに「灼眼のシャナ」は「灼眼的夏娜」。

これまた人気。香港ではこれのラッピングバスも走ってたしね。バス全体がシャナ広告。これが市街中心部を普通に走ってますですよ。
てなわけで、まあパクリはパクリでよろしかざる話なわけで、オリジナルに無断パクるのは中国らしい話なわけですが、中国圏でもの凄く人気があり、需要があってのパクリなんです。現実に台湾・香港に基盤がある角川書店なんかはそれで商売しとるしな。「Taipei Walker」を出しとる台湾角川が中心に中文版出しとるし。日本ではあまりこういうことは知られてないが、実は結構儲けとる。
また日本と違って一般的な市民権があることも事実。東京オリンピックの招致活動に使われること想像できる? あるいはラッピングバスが都内を走ることを想像できる? 日本より定着しているからこそのパクリと考えると趣きも違うのでは。日本じゃありえないじゃない。まだまだオタク向けの世界でしょうよ、ハルヒにしてもシャナにしても。限られた流行に過ぎない。中国では、日本文化は日本以上に定着している。そうした中国の真実が透けて見える出来事でございます。以上、つい最近北京と香港に行ってた者より。