(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

どうも管理者の責任問題がダメ中国人の話になっとる

これは単なる仕事への考え方の差異でもあるのですがね。中国人のアルバイトが年金記録の転記で大量ミス。

 中国人アルバイトらは、先月10日から約9日間作業を行ったが、日本人の姓と名を区別できなかったり、旧字体やひらがなを正確に読み取れず、大量のミスにつながったという。

こうした部分を受けて、まあ日本での一般的な受け止められ方としては、「なんちゅうクオリティの低い仕事をさせとんねん」「ミス放置かい」「それで給料貰うつもりかい」というところだと思われますが、欧米的な労働観で言えば、こういう見方もありうるのですよ。

  • どうゆう管理しとんねん
  • どうゆう指示しとんねん

日本では労働者の問題になっとりますが、管理者の問題という側面もあると思うわけですよ。「そういう仕事をしたヤツが」じゃなくて「そういう仕事をさせたヤツが」という考え方。で、日本は前者で、中国とか欧米は後者。
でもって中国での労働の考え方は「言われたことをやる」。そしてこれの応用が「言われたこと意外はやらない」。アメリカなんかもこういう考え方ね。労働契約は「○○をする。その対価が○○円」という形なので、その契約にないことはしない。契約外のことを求められたら別料金。
例えば「車を見とけ」と指示したとする。日本では単に「見とけ」って意味じゃないんだよね。「駐車違反の切符切られそうになったら呼べ」なんかも当然含まれているわけですよ。「見とけ」には「何かあったら呼べ」も含まれている。ところが彼らは本当に見ているのです。「watch」しちゃう。何でかと言うと、「見とけ」以上の指示をされてないから。単純にそういうことなんですよ。
ただ逆を言うと、契約上の業務であれば彼らは遂行しようとするわけ。それが彼らなりのプロフェッショナリズム。言われたことは全力でやる。但し言われてないことは手もつけない。この感覚は日本人にはないことで、受け入れ難い話だけども、文化的な差というか、話の前提が違うような話でどうしようもない。そういうお国柄なわけで。
である以上、こっちがイメージした仕事のクオリティを中国人に求めるのは意味がないんですよ。やるべきことを明確に伝えないと、それを遂行しない。「字が読めなきゃ聞いてくるだろ」って推測はダメなんですよ。向こうはそういう具体的な指示がなければ「処理すりゃいい」を優先する。「日本人はそうする」「日本ではそれが常識」も通用しない。中国人はそうしないし、中国では常識じゃないから。
結局このあたりの認識の差が、中国人労働者を使うときにモロに出る。「それぞれの立場でよきにはからえ」の文化は中国にないのでねえ。極端な話、一から十までやるべきことを明確にし、それをやらせるようにしないとダメ。で、そういう指示を出し、指示通りに動いているか監督するのがあちらが考える管理職なわけで。
あと日本式のデメリットもあるわけですよ。「余計なことをしやがって」のパターン。日本では相手の意を汲んで、指示されてないことも対応するわけですが、その対応が「ヲイヲイ」というケースもあるわけですな。「そんなことは頼んでねえよ」と。ここは実は一長一短。あちらではこういうこともない。指示したら、指示したことが結果として得られる。指示以上の結果はないものの、指示を裏切られることもない。
具体的な指示なしに物事は動くこともなく、具体的な指示以上に人が動くこともない。この前提を責任者が理解しているかどうかで、中国人労働者を使った仕事の成果はだいぶ違うのですがね。過剰な期待は100%裏切られる。期待するなら全てを指示すること。ミスを防ぎたいなら「わからないときは自分で判断せず、上司の指示を仰ぐこと」という安全弁の指示もしておくこと。日本のルールにのっとった仕事を求めるなら、事前にそれを明確に教えておくこと。こういうことが求められますよ。何せ相手は別文化から来た人たちですから。
餃子の話が出たことで、中国のイメージが悪い折、この問題も「何やってんだ、中国人」になっとりますが、こういうミスを起こさせた管理者とか責任者の問題がなおざりになっている気配がプンプン。こういうの情報操作って言いませんかね。現場の中国人がボンクラなら、責任者はもっとボンクラなような。少なくても、彼らより高い給料貰っているわけだしさ。ちゃんと仕事すれ。