(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

最近の年寄りは

無事任務完了であります、上官殿。

細かい反応は後々アンケートが上がってくるので、それまで保留として、感触としては良かったのではないかと。笑いもとれたしね。結局そこか。わしゃ芸人区分か。
で、やってみて色々思ったですよ。

「ゆとり」はバカじゃない

この新人世代はいわゆる「ゆとり」ですが、意外とバカではないのよね。他の学生なんかを見ていてもそうなんだけど、話してみるとバカじゃない。世間の認識と現実にズレがある。じゃ、なんでそう思われてるか。

バカっぽく見える

これに尽きるのかなあと。割引せざるをえない要素がいくらでもありまして、ええ。実際に「なんだオマエは」みたいなヤツもおります。話せばバカじゃないことがわかり、一安心なんだけど、話さなければわからない。大体の人はこの世代と直接の付き合いがないわけで、バカというイメージだけが先行し、固定化していくんだよね。

言葉が足りない

そして話してみてもこの壁がある。言葉が足りないんだよね。語彙力がない。日本語がヘタというか、表現のバリエーションが少ない。
例えば「ヤバイ」の連呼。食べ物がうまい。「これヤバイ」。かわいい子がいる。「あいつヤバイ」。雨が降りそう。「空ヤバイ」。みんなヤバイ、何でもヤバイ、とにかくヤバイ。これは「ヤバイ」と表現するのが気に入っているとか、みんなそう言っているからって理由もあるんだけど、「ヤバイ」に相当する言葉を知らんっていうのもあるのよね。単純な単語知識不足。
結局オールマイティーな言葉ばっか使っておるのですよ。便利だし、通りのいい言葉。ところがこれと引き換えに、シチュエーションにあった言葉遣いができない。バリエーションがない。一本調子。これがバカに見える理由。言葉の引き出しが少なそうなのよ。

それはバカであることを意味しない

しかしそれは外見上の問題。本質の問題ではない。言葉を知れば使えるようになる。そういう単純な問題。知らないだけで、使える頭がないわけじゃないので、解決方法は実にシンプル。ほっときゃできるようになる。場数を踏ますことと、間違いを指摘すること。トライ&エラーをやりゃいいだけのこと。
幸いにして間違いを認める素直さがある。この美点は我々世代よりあるかなあと思うくらい。あと「ありがとう」という謙虚さね。「ゆとり」とか「バカ」呼ばわりされるのに慣れているせいか、学ぶことに照れがない。実に清々しく、教えたこっちまで嬉しくなる。こういう美点があるので、社会に出ると急速に伸びるんじゃないかねえ。色眼鏡で見ていると、決してわからん美点だけど。
正直言って、オレの経験上、団塊の世代の方がよっぽどアレですよ。「ごめんなさい」と「ありがとう」を言えない人が多い。「ごめんなさい」を言えないから、間違ったことをグズグズやっているし、「ありがとう」を言えないから、良いと思ってもやれずにいる。それでいて声はでかくて、自分の成功体験を語りたがる。こういうところが目につきますよ。ディベートのコーチをしても、若手を教える方がよっぽど楽。オサーンは自分の価値観でしかものを考えないヤツが多いので、付き合いづらくてたまりまへん。
そんなに「ゆとり」はバカじゃないよ。少なくても「オレらの方が」って言われる筋合いはないし、そういう差はない。目につきやすい言葉遣いとかのイメージが大きいだけな気がしますがね。あいつらは意外と本質をわかっている。オサーンが切る前に、ゆとりに切られる方が早いかも。「最近の若いものは」と言いたがるオヤヂにはこの一言を捧げます。
「最近の年寄りは」