(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

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野兎病にご注意

「暗いニュースはダメ」と書いておいてなんだけども、こういう話が出ているということだけ頭に入れておくと吉。あんまり日本では大きく報道されていないので。それは野兎病の話。

この感染症自体は昔からあり、日本でも感染事例が報告されている。特徴は人と獣の共通感染症であること。獣から人にうつるし、人から獣にうつる。もうひとつの特徴は感染力が強いこと。触れただけで感染してしまう。野兎病に感染した動物の皮膚、血液、内臓に触れると感染することがある。他の感染症と比べても、その感染力は高い。
で、実は今月、千葉で野兎病の感染が報告されている。9年ぶりの感染報告。

千葉県疾病対策課によると、男性は1月30日、自宅で近所の知人からもらった野ウサギを調理し、2月7日ごろから発熱。

http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/080304/sty0803041808006-n1.htm

この野ウサギが野兎病にかかっていた。その肉・血液・内臓に触れたので感染した。そう思われる事例。元々野ウサギによる感染例が多かったので野兎病というくらいなのでね。由来通り。
日本では9年ぶり。久々の事例なのだけど、このタイミングでタイでも起きている。しかもタイ初の死亡事例。

タイで初めてこの疾病で死亡した南部プラチュアプキリカン県在住の女性(37)は飼育していたウサギから感染した可能性が高いとみられている。

バンコク週報 - タイ初、女性が野兎病で死亡

このタイミングの一致、凄く気になる。今までに起きてなかった、症例が少なかった野兎病だけにやや心配。なにせ感染力が高いのでねえ。
そういう意味で、実は鳥インフルエンザより恐い。鳥インフルエンザはあれはあれで恐いんだけども、あの病気は獣から人に感染する病気ではないので、当面は問題ない。「パンデミック」っていって不安を煽ってるけど、あれは鳥インフルエンザウイルスが変異して、鳥から人に感染するようになったらという「if」が前提の話。現状ですぐ起きるような話じゃない。ウイルスは変異性が高いので、いつ起きるかわからんし、起きるリスクはあるんだけど、それは将来的な話であって、未定の話。
だけども野兎病はちょっと性格が違う。現に存在する感染症であり、獣から人にうつり、それでいて感染力が高い。現在のリスクで言えば、実はこっちの方が高い。人から人への感染例がないだけマシってくらいで。
恐いのはペットの違法輸入ルートだな。プレーリードッグとか。輸入が禁止されているペットの持ち込み。そして検疫を通してない動物経由の感染。このリスクがある。まして日本はペット好きが多いからねえ。日本への持ち込みはダメだとわかっていても、持ち込みたくなる。タイからウサギとか犬とか持ち帰ろうとして税関で捕まっている例はあるからねえ。タイはペットが安いから。
ま、検疫を通過しているペットには心配ないです。あと野ウサギなどの接触がなければ大体安心。そういう意味で危険危険と思い込む必要はないんだけども、こういう感染症があることだけは知っておくと吉。いつ大ごとになるかもしれない。違法ペットを買わない・飼わないは自分の身を守るために必要。あるいはペットとの付き合い方もちょっと考え直すといい。口移しで食べ物を与えている人とかねえ。意外と危険です。エキノコックスなんかもあるしね。ご注意くだされ。