(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

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今日の国王は良き君主でも、もし悪しき君主が現れたらどうするのだ?

ブータンの王制からの民主制移行がいよいよ大詰め。

ヒマラヤ(Himalaya)山脈の王国ブータンで24日、絶対君主制から立憲君主制への移行の総仕上げとなる初の国民議会(下院)選挙が行われる。1世紀近くに及んだワンチュク(Wangchuck)王室の統治が終わりを告げ、民主化が実現する。

ブータン総選挙、国王主導の民主化の総仕上げ 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News

世界でも珍しい権力を持った側からの民主制移行。革命によらず、軍事力によらず、国民からの民主化運動にもよらない非常に稀有な例。
ブータンは昨年「首長の多選禁止」をテーマにしたディベートのジャッジをしたときに縁がありまして。

多選禁止って「行政のトップが長いことやると腐敗すっから」というのがきっかけで、「権力は腐敗する」というのが根底にあるのだけれど、ブータンは国王自ら「オレ、国王辞めるわ」と昨年譲位した上に、絶対君主制から立憲君主制にモデルチェンジ中という国である。市長とか知事どころじゃなくて、国王自らである。世間一般では権力にしがみつく人が多いわけで、非常に面白い。ブータン恐るべし。

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多選の弊害、権力の弊害はジョン・アクトン卿の「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対に腐敗する」の言葉に尽きますよ。その権力をわざわざ自ら手放すという決断。ブータンは実に聡明な国王に恵まれましたね。

「今日の国王は良き君主でも、もし悪しき君主が現れたらどうするのだ?」と人々を諭したという。

ブータン総選挙、国王主導の民主化の総仕上げ 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News

本質ズバリ過ぎて吹いた。ブータン、やっぱり恐るべし。