金がかかることはやめる。この一点で一貫してるし。わかりやすい。それに目的と手段を間違ってない。
- (目的)財政難から脱出する
- (手段)お金がかかることをやめる
こういう論理なわけだけど、この論理を試すには、こういう質問の回答が重要。
お金がかからなければいいの?
お金がない。だからお金がかかることをやめる。であるならば、お金がかからなければいいのか。これにYesと答えられないと、論理的じゃない。
ワッハ上方もナンバの名所の一つ。吉本興業のグループ会社が所有するビルに入居し、府は2億8300万円の賃借料などを負担する。10年度までに他施設への移転と、規模縮小が示された。
http://mainichi.jp/photo/news/20080411k0000e040037000c.html
戦争の悲惨さを訴える出資法人「大阪国際平和センター」も存続の方向性は出たが、出費を要する特別展や企画事業は廃止が打ち出された。
http://mainichi.jp/photo/news/20080411k0000e040037000c.html
ワッハ上方の貸借料が高い。だから安いところに移すならいいよと。大阪国際平和センターは必要だねと。でも金が余計にかかる特別展とかはやらないよと。とても非常にシンプル。一応スジは通ってますよ。少なくても「問題は金」というのが明確だし、「金があればそのままでもOK」であるわけだから。
全国で唯一の弥生時代を専門とする弥生文化博物館(和泉市)は廃止し、近つ飛鳥博物館(河南町)への集約が示された。考古学者の直木孝次郎さん(89)は、「(中国古代に書物を大量に燃やした)秦の焚書(ふんしょ)にも比すべき暴挙だ」と憤慨する。
http://mainichi.jp/photo/news/20080411k0000e040037000c.html
雑誌「上方芸能」の木津川計代表は「ワッハは演芸の育った千日前にあるから意味がある。収益性を基準に文化を判断してはならない」と話す。
http://mainichi.jp/photo/news/20080411k0000e040037000c.html
こういう反対はわかるけど、そこまでの問題じゃないと思うよ。弥生文化博物館の資料を捨てますだったら焚書だし、暴挙だけど、その資料は移すわけでねえ。またワッハ上方にしても、収益性を基準にして判断しないから、縮小してでも残す方向になっているわけで。そう悪い話じゃないと思うぞ。
それにさ、ワッハ上方の大家は吉本興業なんだからさ。そんなに必要なら、吉本に頼めばいいじゃん。
そもそも論として、橋下知事は「賃料が安くなるのなら、この場所に残す」とも言っているけど、その話を突っぱねているもう一方がいることを忘れてはいけない。
なぜ移転反対の人たちは大阪府に対してだけ文句を言うのか? - 昨日の風はどんなのだっけ?
これをまとめるとこういうことっしょ。
そしてブーイングをしている人の中に吉本関係者が結構いるという。……なんか奇妙だよねえ。少なくても大阪府は存続前向きなのに。
それにさ、何でもかんでも大阪府にお金出させてきたから、今の財政難になったわけで。本来の大阪府の収入より大きなサービスを大阪府民が受けてきた。その結果、借金がたまり、どうにもならなくなったわけでねえ。ということは、どこかの時点で、収入に見合った規模に戻さなくてはならんのですよ。
これをしないとどうなるかと言うと夕張市。選択の余地ナシ。全部売却。お金のかかることは一切できまへん。財政破綻してないという前提だから、府の施設の機能集約とか、移転とか、一部廃止で済んでいるけど、財政再建団体になったら四の五の言わず、オール売却だろうし、オール廃止。……きついぞ。
ま、今までのサービスを受けてたいし、今のサービスを基準にものは考えたい。今あるものを誰だって手放したくないけれども、その今が過剰なサービスであった。それこそが現在の財政危機の原因ってことに気付いたほうがいいと思うよ。これまでが贅沢だったってことなんだから。身の丈以上のサービスを受けていたってことなんだからさ。その恩恵を受けたことで、大阪は借金まみれになったんだから。
とは言え、何事も総論賛成・各論反対になりやすいもんなんだけどね。改革には賛成でも、自分が痛い思いするのは誰だってイヤだから。でもちょっとずつでも痛い思いをしないと、鈍痛になる。大阪からの企業流出が止まらないのは、こういうリスク対策もあるわけで。企業的には、財政的に安定したところに本社を移すのが正しいのでねえ。
今のうち手を打っておいたほうがいいと思うよ。夕張市は他人事じゃないんだからさ。