(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

三方一両損システム

昨日は大阪府財政再建に関する取り組みについて触れたわけですが。

まあ、話はこと大阪だけの問題じゃないんですよね。借金まみれなのは日本全体の問題。

こちらで見ても軽く770兆円オーバーの話。額がでかすぎて、何がなにやら。しかも毎年借金をしないとやっていけない予算。

(単位:億円)

歳入 20年度
税収 535,540
その他収入 41,593
公債金 253,480
合計 830,613

とまあこんな感じ。公債依存度、つまり借金にどれくらい依存してますかって割合が30.5%。収入の3割が借金。早い話が年収580万円のヤツが、毎年830万円使っとると。250万円ずつ借金を増やしとると。そういう状態。
で、まあこんなんじゃ破綻するぞと。これが個人だったら、いつか自己破産する。国もいつかは破綻するってわけで、言われているのがプライマリーバランスの均衡。借金に頼らず、収入と支出を一致させて、バランスさせようという話。そうすりゃ借金の額は増えんと。まずはそこを目指そうというわけですが、こんなペースじゃいつまでたっても展望がない。
そこでタケルンバがシンプルな方法を思いつきました。シンプルすぎてクレイジーな方法ではあるがね。

借金しまくろう

財政危機だって話なのに逆行するようですが、ここは思い切って借金しましょう。何故なら、今は日本史上屈指の低金利だから。何せやっとゼロ金利を脱したくらいなので、日本の市中金利は安い。

こちらの時系列データを見ればわかるけど、90年代中ごろまで5%前後だった国債の利回りが、ここずっと1%台で張り付いている。ということは、今なら1%台でお金を借りれるわけですよ。安くお金を調達できる。なら今のうち借りとけと。極端な話、昔の借金を借り替えてもいいくらい。高い金利での借金を、安い借金で返す。これもアリ。とにかく借りる。ガンガン借りる。

道路を一気につくる

道路特定財源で話題になってましたけど、道路整備の中期計画って、全部で59兆円あるんですよね。

で、借りたお金で一気にこれをつくります。一気にドン! どうせこの先日本は少子化で、労働力が減るんです。働き手がいるうちにガツンとつくっちゃいます。ケチケチ言わないで、全部つくっちゃいます。どうせ必要な道路が59兆円分あるんです。必要ならさっさとつくったほうがいいでしょう。幸いお金は安く借りれるんです。それで一気に日本の道路網を完成させちゃいましょう。
なんなら新幹線も何でもいいですよ。公共工事マンセー! 一気につくっちゃいましょう。何せ必要なのです。必要だから、あれだけガタガタ騒いでいるんです。であるなら、後先考えずまずつくっちゃいましょう。ハコモノもアリ。つくれるだけつくりましょう。
あれをつくり、これをつくらないとかやるから利権ができる。つくる順番があるから、それを決める人が偉そうになる。だから、いっせーので全部つくればいいんですよ。シンプル。

でも、これが最後だよ

しかしこれが最後です。最後の大盤振る舞い。これ以降は国は公共事業を主導しません。地方でどうぞご勝手に。そういう形にします。何せ必要な道路とか新幹線とかハコモノを全部一気につくっちゃうのです。後は知ったこっちゃありません。必要なものを全部つくった以上、あとは地方でご勝手に。国の仕事は終了です。後は知らん。

管理は地方の仕事

つくった道路とかの管理も地方の仕事です。国はつくるまで。

管理できる分だけつくろうね

逆に言うと、管理できる、維持できる分だけ国にお願いすればいい。そうすれば本当に必要なものが吟味されることでしょう。維持費を負担してでもつくるべきものは何かを考えるはずなんでね。

税源委譲実施

国としてつくるものは全部つくったので、後は地方の問題。なわけで、国が国税として徴収してもしょうがないので、国税を地方にまわします。で、その税で管理せえやと。国は公共事業にタッチしなくなります。

暫定税率廃止

必要なものを全部つくったんだから、暫定税率なんか必要ありませんね。なので廃止です。余計に税金をとる根拠がないもんな。

公債特例法禁止

こんだけ借金したんだから、新たな借金は禁止。実は赤字国債って特例なんですよ。「公債特例法」というのを毎年制定している。そういう特例はなし。抜け穴禁止。

プライマリーバランス均衡の義務付け

借金できない以上、プライマリーバランスは均衡せざるをえません。事実上の義務付け。今後は収入の範囲内でやりますよと。もう借金はできませんよと。そういう背水の陣で予算運営をする国になる。

三方一両損システム導入

しかし新たな借金が必要になるケースもあるかもしれない。そのために罰則規定を設けておきます。名づけて「三方一両損システム」。

官僚

給与規定を見直して、賞与分を多めにとります。その賞与を国の財政と関連付けます。企業で言えば業績連動給にする。
例えば、予算より決算の数字が上回ったら、予定より多くお金を使ったので賞与カット。逆に決算が下回ったら、予定より安く抑えたので賞与増額。部署や省別にすると、いわゆる縦割りの弊害ができるので、この査定は国家単位。あくまで、日本全体でどうかというのが基準。日本全体がうまくいっていればボーナスが増えるし、ダメならボーナスが出ない。
お金を使い切るのが官僚の仕事っぽくなるけど、こうすればお金を余らせたヤツが偉くなる。お金を余らせることにインセンティブをはたらかせようというわけですな。

政治家

赤字を発生させたことの責任はキッチリとってもらいます。赤字が出た分、国会議員を減らす。国会議員カット。
どうやるかと言うと、惜敗率ってありますよね。勝った相手に対し、どれくらい票数をとったかって割合。あれの勝者バージョン「優勢率」を採用。次点のヤツにどれだけ差をつけたかって指標。これを使って、順位下のヤツをクビにする。
クビにする議員数は、歳入に対する公債依存率で決める。例えば、歳入の3割が借金なら、3割の議員がクビ。衆議院なら定数480なので、72名がサヨウナラ。予算案成立とともに失職。お疲れ様でした。
で、これを導入すると、与党・野党あっちこっちにクビが危うい議員が出るので、党議拘束がきかなくなる。自分がクビになる予算案には誰も賛成したくないもんな。与党の議員でも、おいそれと政府案に賛成しなくなる。
また、クビがかかるので、予算の議論に緊張感が出る。赤字が出れば誰かはクビになる。あらかじめクビになる順番は選挙のたびにわかっているので、順位が下のヤツほど必死になるだろうしね。
逆に予算が潤沢で、余剰金が出るなら、国会議員を補欠当選させてもいい。余剰金1兆円につき国会議員1名増員とかね。

国民

そして最終的な責任は国民にくる。方法は増税。借金は増税で返すしかない。
基本的には消費税とリンクさせる。基本5%。足りない分は消費税に上乗せ。大体消費税率1%につき税収2兆円なので、それが目安。10兆円の穴があけばプラス5%。つまり消費税は10%になるということ。国政の失敗が増税というツケにまわるのでわかりやすい。
またこうなりゃ選挙でいいヤツを選ぼうとするだろうし。政治無関心じゃいられん。目に見えるデメリットと関連付ければ、イヤでも関心は高まるっしょ。
ポイントは、失政に対するデメリットを官僚・政治家・国民の三者に関連付けること。国がうまくいかなければ、この三者がちょっとずつ損をする。まさに三方一両損。それぞれが他人事じゃないし、それぞれが運命共同体
ドラスティックすぎる改革案。国会議員の皆様、是非ご検討くだされ。