(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

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B級グルメを見直そう

この2つの記事に激しく同感。ラーメンうまい。B級グルメ万歳! 本当にうまいものってのは飽きないし、飽きないものこそ美食だよね。

外食の世界ではこういう有名な式がある。

QSC+V

この記号はこういう意味。

  • Q=Quality(品質)
  • S=Service(サービス)
  • C=Cleanliness(清潔さ)
  • V=Value(価値)

要するに、品質・サービス・清潔さの合計が価値、つまり値段に見合っているかってこと。これが見合っているなら適正だし、価値が上回るなら繁盛するだろうし、下回れば寂れていく。
で、いわゆるラーメンとかのB級グルメは値段が値段なので、あんまりサービスと清潔さを求めない。となると必然的に味勝負になるんですよ。品質勝負。なので比較もしやすいし、競争が激しくなる。淘汰されやすいのよね。基準が明確だから。
一方高級店だと味以外の余計なものが価値に入ってきちゃうんで、実は競争が起きにくい。雰囲気とか高級感とか、わけわからん要素が入って来るし、単純比較できないものが色々入って来るんで、比較ができない。いわゆる三大珍味なんてまさにそう。フォアグラなんて単なるレバーなんで、そこまでうまいと思わんのだけど、高級感を出すにはいいわけで。自尊心をくすぐるにはいいんだよね。山岡さんならずともアンキモの方がうまいし、うまい焼き鳥屋のレバーの方がうまいと思うんだけどな。白レバの刺身とかうまいぞお。

香港人の義弟と彼の母が、その事実をはっきり告げてくれた。彼らは、舌がとても肥えている。日本にきて、河豚やら、すっぽんやら、高級料理も食べた。だが、日本料理で、彼らが一番気に入ったのは、ラーメンだった。

世界で一番美味いメシ - pal-9999の日記

うんうん、よくわかる。同感だよ。ラーメンうまいよ。カレーもうまいよ。毎日食えるものが、やっぱりうまいんだよ。
ちなみに、オレが香港行っても、やっぱりあっちのB級グルメばっか食ってるもん。個人的にオレが香港で一番うまいと思うのはロースト飯。


軒先に吊るしてあるロースト。五香粉の香り、八角の香り。それを豪快に中華包丁でダンダンダンと切り分け、豪快にご飯の上に乗っける。その上にタレをブハーッ。レンゲでかっこむ。……これ一番。
はい想像してみましょうね。皮がカリッカリの豚の三枚肉。皮のクリスプな歯ごたえの下に、ジューシーな脂の甘さ。チャーシュー。日本のチャーシューと違って、きちんと焼いた本当のチャーシュー。表面は香ばしく、中はじんわり。噛み締めると肉の旨みが口に溢れ、肉汁ほどばしる。そして鶏肉。皮はヌメヌメツルッツル。肉は堅くなく、ほんのり柔らか。ひとかみふたかみし、そこにご飯をかっこむ。肉のあまさ、タレの塩加減、そこにご飯。……うはっ、たまらんぞな。
あと、タイに行ったらカオマンガイね。

鳥スープの炊き込みご飯の上に、しっとり鶏肉。ご飯には程よい鶏スープのダシが染み込み、鶏肉はしっとり柔らか。ご飯をぱくり。じわうま。鶏肉をぱくり。じわうま。両者をセットにしてスプーンに乗せてぱくり。……んんぅぅぉおおお、うまいっす。なんの変哲もないB級グルメなんだけど、飽きないんだな。毎日でも食べられるし、毎日でも食べたい。
で、香港のロースト飯にしても、タイのカオマンガイにしても、日本のラーメン・カレー同様、現地の人はその価値に気付いてないんだよな。

「おい、もっとうまいもの食べに行こうよ」

現地の知り合いに言われる。香港だったらフカヒレとかロブスターとかアワビを食わせたがるし、タイでもそういう中華とか、あるいはちょっときばったタイ料理屋でシーフード食わせたがる。
でも、そういうのは飽きるんだよね。非日常食だから。日常食の方が飽きんのよ。それに生き残ってるB級グルメの店って、とんでもなくうまい。香港とかだとベタだとわかっていても廣東燒味餐廳とか銅鑼湾の蛇王二に行っちゃうし、タイのバンコクだと伊勢丹裏のラーン・ガイトーン・プラトゥーナム

ここばっか。
で、「廣東燒味餐廳行こうよ」「ラーン・ガイトーン・プラトゥーナムカオマンガイ食いてえ」とか言うと露骨に「え?」って顔される。

「そんなんでいいの?」

いいーんです!(川平調で)
B級グルメにこそ美食はあるんです!(やっぱり川平調で)
何の変哲もないB級グルメこそ大事にしなきゃいかんのです。長続きするものこそ本質的な価値があるもんなんです。流行なんて一瞬。定番にこそ時間に流されない価値がある。ラーメンとかカレーの価値に気付いた方がいいよね、日本人。
……いかん、深夜にこんなこと書いてたら腹減ってきた。
……。……。……ダメだ! ラーメン食ってくる。