3泊6日食い倒れツアーズ 第七章 - 香川うどん編 その4
駆けろ流星号
旅行2泊4日目、6月14日土曜日の朝。今日は自転車でうどん屋をまわるのだ。レンタルサイクルを利用する。
これを利用。幸い宿から近いところに南部駐車場レンタサイクルポートがある。受付開始の7:30に行き、自転車を借りる。
どう見ても普通のママチャリです。本当にありがとうございました。
しかしオレは行かねばならんのだ。山越に。さぬきうどん界の最高峰と呼んでも過言でもない山越に。
高松市を抜け、ひたすら走ってくとこんな感じ。
なんというのどかな環境。いいところすぐる。
自転車に乗り続けること約1時間半。やっと着くが……ヘトヘト。朝っぱらからこの旅2回目のヘトヘト部。……帰れるか?
山越
9:05、さぬきうどんの聖地である山越到着。通算3度目。
……今日土曜だが、まだ9時だぞ。
駐車場に車続々。
店の前には既に行列。なんでやねん! 山越、人気ありすぎだ。
大体おかしいと思った。駐車場に警備員のおっちゃんがいたのだが、オレに対して普通のリアクションだったのだ。
「自転車はあちらに止めて下さい」
おい、少しは驚けよ。高松から自転車で来とんのやぞ。もうちょっとリアクションとれよ。でも待てよ、リアクションがねえということは……他にもいるんだな、オレと同じことしたヤツが。こんなヘトヘト部になってでも、山越でうどん食いたいと思ったヤツがいたんだな。なんという同士。スゲエな、山越。
そして食べたのはここが元祖と言われる釜たま200円。釜あげうどんに卵をからめる。こういう画像の状態で来るわけだが、これをおもむろにかき混ぜ、ついでに熱いダシをかけるとこうなる。
これぞ東洋のカルボナーラ! 卵が熱で少しかたまり、そこにダシがからまってクリーミーな味わいに。
うどん自体もさすがの、そして相変わらずのうまさ。歯ごたえ・なめらかさ・コシ。どれをとっても申し分のない味。
ここの釜たまを食わずしてさぬきうどんは語れない。それくらいの逸品。さぬきうどん巡礼者にとっては必ず行くべき札所。まずは山越に行け。話はそれからだ。
ゲータレードを飲んで、3つのチャージを敢行。……エネルギーは残っているのか?
帰るだけでも精一杯
「行きはよいよい、帰りはこわい」とはよく言ったもんだ。行ったら帰らねばならんのだ。そんなことはわかっている。でも……つらいのだ。遠いのだ、高松。勢いで来ちゃったが、帰りはつらいのだ。
とりあえず服を買うことにする。汗でビチャビチャを通り過ぎて、汗が乾き塩を噴いちゃっている。肌が粉ふきいも状態になっている。どっちかというとオレは塩を噴かす側であって、噴かされる側ではない。「塩を噴いちゃって……着替えたいんです」。
そこで着替えをするべきいい店を発見。
喪女・喪男のファッションと言えば「しまむら」に決まっておろう。ポロシャツとハーフパンツを購入。身軽な服装に装備変更。素早さがちょっと上がった感じ。
しかし焼け石に水。
この14kmが重い。しかも困ったことにお尻が痛くなりだした。自転車を乗る人はわかってもらえると思うけど、自転車を長時間乗るときに注意すべきなのは、サドルに座りっぱなしのお尻と、手をハンドルにかけっぱなしの手の痛みなのだ。脚の痛み、腿とかふくらはぎよりも、お尻とか手の方がつらい。
特にお尻はキツイ。お尻というのは意外と肉が薄いので、痛みが骨に響く。そのため、一度痛くなると、乗ったままの回復はまず望めない。そのため自分にあった材質の柔らかいサドルは大事なのだが、何しろこっちは純然たるママチャリのサドルだ。
ああ……すごく硬いです……。
脚の痛みにお尻と手の痛み。そして気温は上がり、紫外線は体を容赦なく照りつける。
……すっかりヘトヘト。なんとか高松市内に帰ってきたが……限界っす。うむむむむむ。
はりや
やっとの思いではりやに到着。11:35。2年ぶり通算2度目。
- (過去記事)(旧姓)タケルンバ卿日記
- Google マップ - はりや
そしてこちらでも行列。
人気店は凄いのう。しかしこちらのうどんはうまい。また揚げ物がうまいのだ、ここは。
かしわざる700円。グミのような歯ごたえの麺に、ジューシーなかしわ天がゴロゴロゴロ。なかなかのボリューム。これとイカ天ざるが大人気。
麺はうまいし、揚げ物はうまい。おまけに大将が物凄く気が利く人。見た目はイカツイあんちゃんだが、スゲエ気が利く。料理人じゃなくて、ウエイターとかホテルマンをやっても成功しただろうなあと思わせる人物。特に子ども連れとかには優しい。小さいお子さん連れでも安心して行けるうどん店。若くてここまでの麺を出せて気を配れる大将はそういない。売り切れ必至。早めの時間帯にどうぞ。
食べ終わり、近くのマンガ喫茶に移動。休憩。ちょっと寝る。寝て起きると……なんじゃこりゃあ!
日焼け。
ずっと自転車のハンドルを握ってたから、握りのところで日焼けゾーンと焼けてないゾーンができて変。
しかしなんたる紫外線吸収力。1日やぞ、1日。しかも外を自転車で走ってたの、トータルで3時間ちょいやぞ、3時間ちょい。それでもう真っ赤。日サロいらずの我が肉体。そりゃ行く先々でタイの方に間違えられるわな。オレの場合、赤くなって終了じゃなくて、キッチリ黒くなるから、どこに行っても滞在3日目あたりには現地の人と同じ感じの肌になるんだよな。まさにカメレオン肌。
しかしもうちょっとうまいこと焼けなかったものなのか。
カッチョ悪い。
うどん棒・本店
夕方までじっくり休憩。この時点で朝1軒、昼1軒。体調的に時間的に夜1軒が限度と悟り、とっておきの店を最後に、さぬきうどん食べ歩きを締めくくることにする。その店はうどん棒。2年ぶり2度目。その2年前の印象が凄かった。高松駅で自転車を返し、徒歩で移動。18:00到着。
果たして前回の印象はホンモノなのか。偶然の産物なのか。幻の麺なのか。
山かけ冷600円。結論から言えば、間違いじゃなかった。うどん棒はやっぱりうまかった。というか……一番好きかもしれん。山田家もおか泉も、そして山越もはりやも好きだ。でも、総合力ではここだなあ。ここの麺が一番合う。ピタリと来る。これ以上のものには、今のところ出会えていないなあ。
ついでにおでんも。上から豆腐・なんかの練り物(適当だなあ)・牛スジ。うめえ!
香川でのうどん巡礼を締めくくるにふさわしい麺であった。本日は珍しく朝・昼・晩の3食3軒だったものの充実度は高し。満足。
いざ帰京
その後の時間はゲーセンで暇を潰したり、珍しくミスタードーナツでカフェオレなどを飲んで本を読んだりと、らしくもない行動をとる。
一応バス内用の飲み物も購入。
八十八茶。88種類の成分が……入ってるわけじゃない。八十八札所にかけてあるだけ。緑茶だ。
21:20、高松を高速バスが出る。明日の朝には新宿に着く。さらば香川。また会おう。また帰ってくるぜ。
(香川うどん編 完)
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