(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

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失業保険かんたんガイド

失業保険か。懐かしいなあ。

懐かしついでに記事を1本書いてみますかね。ワタクシも元受給者なので。いろいろやっとんなあ、オレ。

失業保険って何?

失業したときにお金を受け取れる保険制度ですな。国のありがたい制度でやんす。
給与明細を見ればわかりますが、月にウン千円くらい「雇用保険」名目で控除されとると思います。これが失業保険の保険金でござんす。これを担保に、万が一の失業に備えて保険をかけておくと。そのそうな仕組みになっております。
ちなみに世間的には「失業保険」の方が一般的ですが、お役所ではこの言葉は使ってません。ま、通称みたいなもんですな。世間的には雇用保険という制度の、失業給付を失業保険と呼んでいます。ま、失業したときに受け取れるお金ってことで、失業保険って言葉はわかりやすくて便利なんですがね。

どういう人が受け取れますか?

雇用保険に加入してる人です。保険に加入しなきゃ給付金はもらえません。当たり前ですね。

正社員じゃなければ加入できませんか?

いいえ、パート・アルバイトでもOKです。詳しくはハローワークで確認すると全般的に吉ですが、基本的には次の用件を満たしてればOK。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 1年以上雇用されることが見込まれる

但し正社員は入社日から加入手続きされることが多いようですが、パート・アルバイトの場合、雇用日から1年経過後に雇用保険の加入手続きがとられるケースが多いようですな。「見込まれる」だから、実際1年経ってみねえとわからねえという解釈が通常です。これは実務上の話だけどな。

加入は選択制ですか?

いいえ、強制加入です。個人単位で加入を選ぶような制度じゃありませんし、会社単位で違いがある制度でもありません。日本全国一律です。

加入したら保険証がもらえます

会社は従業員を雇用保険に加入させる際に、ハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」というのを出します。すると入れ替わりで雇用保険被保険者資格取得等確認通知書ってのが交付されます。この紙の上部はミシン目でピリピリできるようになっており、事業主用と被保険者用、そして雇用保険被保険者証に分かれてます。

こんなの。で、正式に雇用保険に加入した場合、普通はこの被保険者用の確認通知書と、被保険者証が加入者本人に渡されます。この確認通知書は会社が「ちゃんと手続きしたよ」「だから給料から保険料を引くよ」というためにあるので、これが渡されない、あるいは見せてくれない場合は「口だけ加入」の可能性があります。要注意。

雇用保険料はいくら?

働き方によって3種類の保険料率がありますが、一般的な会社員の場合、本人負担は0.8%です。

こちらで確認すると吉。ここんちのツールはいろいろ便利なんで、総務班は大助かり。
但し、金額を打ち込むときは控除前の数字で。手取り金額じゃなくて、額面の金額というのがポイント。注意してちょ。

失業したらどうする?

ダッシュで近くのハローワークに行こう。この流れが参考になるよ。

尚、その際は離職票が必要。退社日に間に合うように、離職票は激しく催促。仕事を辞めたら速攻で手続きするといいよ。ただでさえ自己都合退職の場合、3ヶ月は待機期間で何ももらえないから、早め早めでやらないと損するよ。

受給説明会

で、手続きが終わると説明会に呼ばれ、そっから具体的な手続きがはじまります。眠気のする話の嵐。……眠い。
この説明会では「雇用保険受給資格者証」ってのをもらいます。

こんなの。これに失業保険にかんするあらゆる情報が書いてあるし、追加情報は裏にどんどん書き込まれてく。失業給付者にとっては超重要。
大事なところは「受給期間満了年月日」。これが受給を受けられるリミット。ここまでに次の仕事を決めたいね。
あとは「基本手当日額」。日あたりこの額を受け取れるよという額。「離職時賃金日額」をもとに決められる。詳しくはハローワークで聞いてくれ。

給付金額ちょっといい話

ここで豆知識的な話だけど、「離職時賃金日額」は毎月の給与額によって決まります。賞与抜き。ということは、同じ年収でも賞与が多いと失業保険上は不利。同じ年収300万円でも、給料25万円と、給料20万円の賞与60万円じゃ違うってことね。5万円分の差が日額にキッチリ反映されます。これ、ちょっといい話。同じ年収なら賞与が少ないほうがお得。

求職活動

受給説明会では次回の失業認定日を指定されます。失業認定日ってのは失業保険を受け取れるかどうかの認定を受ける日。スゲエ重要。これを逃すとお金をもらえません。かなりの生命線。
で、この失業認定を受けるにあたり重要なのが「求職活動」。失業保険は再就職をしようという意思があるヤツにしかあげない制度なので、実際に「仕事見つけようと頑張ったよ!」ってのがないとダメなのです。ちゃんと仕事探しをしないと、お金をもらえんようになっとるのです。フリーライダー(タダ乗り)はできんようになっとるのよ。
しかも大昔はパソコンでちょこちょこ求人情報を見て「はーい、活動しました」でオッケーだったけど、今はこれもダメ。……ま、確かにこんなの求職活動と言えんわな。
とはいえそんな難しいことはありません。どっかの会社で面接を受ければ立派な求職活動だし、ハローワークで「こういう仕事ありませんか?」という相談をしてもOK。ハローワークで求職相談というのが最も敷居が低いので、気軽に利用してみましょう。

待機期間は何ももらえないの?

もらえません。自己都合退職の場合は3ヶ月間は兵糧攻めです。

早くもらえる裏技ない?

あります。例えば職業訓練を受けるという方法があります。実は職業訓練を受けると、その受講開始日から受給を受けられます。待機期間がいきなり短縮。いきなり受給です。

こちらで検索できます。わたしゃ経理関係のコースをとりましたが、大原とかLECなどの資格予備校に委託しているので、中身はなかなか本格的。タダで受講できるばかりか、失業保険まで出るというありがたい制度。使わない手はありません。

長めにもらえる裏技ない?

あります。これも職業訓練。受給期間が終わっても、職業訓練が続いている間は給付が受けられます。なので受給期間が終わりかけのところで職業訓練がはじまるようにすると非常にお得なわけです。延長サービスでございますですよ。
しかも職業訓練についてハローワークで相談すると、これまた求職活動扱いになります。ハンコくれます。ありがたいですねえ。

不正受給はダメ、ゼッタイ

しかしお金くれるからってウソはつかないようにね。立派な詐欺ですし、罰として3倍返しが待ってます。
正々堂々と受給しませう。不正受給、ダメ、ゼッタイ。