(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

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平日食べ歩き戦記 その1 - 元祖世界のガンジーラーメン

昨日は我が戦友2人と食べ歩きを敢行して参りました。いろいろと気になるお店がたまっておりましてな。平日とはいえ、たまたま3人の時間が合ったので、ちょっくら行こうぜと。そういうことになったわけであります。
まず最初に行ったのはこちら。ガンジーラーメン。


もうネーミングからしてただごとじゃない。元祖なのだ。世界なのだ。そしてガンジーなのだ。もうこの時点で前衛芸術の香りがする。あるいはダダイズムだ。世の中の常識を壊してからでないとたどりつけない美食がここにはある(大げさ)。

京成佐倉駅の南口を出ると、こんな感じ。もうこの時点でガンジーラーメンが視界に入る。

この存在感。非暴力だがやわじゃない。

看板。あらゆる要素が混在していて頭がクラクラする。「元祖」「世界」「ガンジー」という言葉にやっと慣れたかと思ったら、今度は「中華料理みちのく飯店」という言葉のお出ましだ。「中華」で「みちのく」。でも「世界」だし「ガンジー」だし。「世界のナベアツ」なぞ比較にならん大物感。ダテにガンジーの絵を使ってない。世のすべてを包みこもうとしたマハトマにかなうものなし。マハトマの前では、このような悩みなど無力なのだ。

店の前には看板メニューが表示。だが、これがまた読み方がわからない。
ちなみに正解は「ミトコンドリアXラーメン」。

単純に縦書きすればいいものを、初っ端にいきなり横書きを絡ませる。このあたり、ガンジーラーメンの奥は深い。

店内のメニュー。見慣れないメニューに、まぶしい表示。

世界観は秋葉原。何故だ。

こういうお店だ。当然取材も殺到。それを宣伝しているわけだが、よくよく見ると東スポは「おもしろラーメン特集」。味じゃなくて、おもしろ部門というところが格調高い。

机の上にあったメニュー。いちいち突っ込みどころがあってうれしい。

ミトコンドリアXラーメン」
中の中奥の奥見発の発追求美味香り高き食文化

この紹介文の方が香り高いのではないか。

「クラーク先生」
青年よ次世代みそラーメンぞょ、この味な恋夢中になるぞょ

クラーク先生なのに「大志」がどこにも見当たらないという意欲作。これには夢中になるぞょ。
これ以外にも気になるメニューがある。

さくらホアグラ丼。ホアグラなのに絵がニワトリ*1。非暴力が売りのガンジーがハシでニワトリをゲッツ。もうここまで来ると「ホアグラ」という表記はとても些細なことに思えてくるし、これに突っ込むのは無粋なことに思えてくる。はっ、これが非暴力の意義なんですね。

ローマの休日。今、このタイミングで新メニューの名前が「ローマの休日」というところにうならざるをえない。
「映画『ローマの休日』を中華で表現!」というチャレンジングな姿勢は称えられるべきであろうし、この絶妙なタッチで描かれた真実の口には如何なる賛辞を持っても足りないことであろう。
そして各自注文。

オレは「ミトコンドリアXラーメン」を。食べてみたら普通の醤油ラーメン。……普通にうまい。イメージとは打って変わって、味は普通。正統派のラーメン。逆にガンジーラーメンでこういう普通のものを食べてしまったことに気恥ずかしさを覚える。もっと狙えばよかった。

連れ1号は「菅原道真候ラーメン」。味は醤油ベース。これまた普通にうまい。ま、いわゆるもやしそばだわな。炒めた油揚げが入っているとことが謎ではあるが。

連れ2号は「ローマの休日」。店員に「ラーメンにしますか? 焼きそばにしますか? ライスにしますか?」と聞かれラーメンをセレクト。……随分と汎用性の高いローマの休日だな。
味はトマト風味で、一応イタリアンな感じ。「イタリアンなものといえばスピンだろ」とばかりに投げやりに載せてあるスピンが笑える。
オレもスープを飲ませてもらったが、カップヌードルの「チリトマトヌードル」に似てました。意外とうまい。ナイス、ローマの休日。……オードリー・ヘップバーンの設定とかはないの?

ついでに「さくらホアグラ丼」をシェアする。ま、ようするに中華あんかけご飯よね。うまい。
メニューの字面に不安感を煽られるが、食べてみると全部きちんとうまかった。店構えとかメニューの感じとか、食べてみるまで相当不安だけどね。意外といける。値段も良心的だし。悪くないっす。
ネタにもなるので、佐倉へお越しの際は是非どうぞ。佐倉には世界のガンジーラーメンあり。しかも元祖だぜ!

*1:ホアグラはガチョウか鴨の肝臓でつくるもんだ。