(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

お盆に罰当たりな食べ歩き

こんばんは。さすがにオフとか食べ歩きとか、時々仕事で疲れきり、眠りまくっていたタケルンバです。10年泥のように食べ続け、そしてお盆は泥のように寝ていた次第です。……泥の使い方間違っているような気がするのは気のせいでしょうか。ま、泥のところに突っ込むより、「時々仕事」の「時々」に突っ込んだ方がいいような気もしますが。時々じゃなくて、いつもせえよ。
しかしながら、今日やったことと言えば、またしも食べ歩き。殺生をせず、お肉やお魚などは食べないお盆に、よりもよってまたもや肉を食らっておりました。この罰当たりものが!
……だって、食べたかったんだもん。言い訳になってねえ。

BERG(新宿・ビア&カフェ)

またもや新宿のベルクに行ってきました。

11日に行ったばかりなのに、早くも再訪。というのも、忘れ物があるのよね。

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ベルクの食を支える三大職人、コーヒーの久野富雄氏、ソーセージの河野仲友氏、パンの高橋康弘氏。

新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには? (P-Vine BOOks) - はてなキーワード

まだコーヒー飲んでない。三大職人のうち、ソーセージは食べた。パンも食べた。きれいにつがれたギネスも飲んだ。これでコーヒーだけ抜けてるってのはどうも気持ち悪い。ベルクを堪能したうちに入らんのではないかと急に思いましてな。それで急遽再訪したのですよ。
で、コーヒーを飲むって決めてたのに、行くとなるといろいろ食べてしまうのが悲しいサガ。

クアトロチーズドッグ。367円。前回はホットドッグが売り切れだったので、食べられなかったのよ。リベンジ成功。チーズいい香り。パンはフカフカ。ソーセージはジューシー。それが全部重なれば……うまいわな。

フライッシュブルスト。409円。これも前回売り切れだったヤツ。ナイフとフォークがつくけど、これはあえて手づかみで食べたいね。皮のプツンプツンという感触と肉汁を楽しむには手づかみがいいかも。

レバーハーブパテ。357円。こんなピュアな味わいのレバーペーストは食べたことないなあ。レバーとは思えない。臭みもない。でもレバーの風味はある。普通、臭みと風味はイコールで、それが独特の個性を出すもんなんだけど、臭みを抜きつつ、レバーとしての個性があるという職人の仕事がされとります。

バゲットにたっぷりのせて食べる。んめぇ。
ちなみに奥にあるのが念願のコーヒー。大は262円だったかな。敬意を表してブラックで飲む。酸味が少ない。本なんかでは「甘い」という点が強調されているけど、「甘い」という字面でイメージするような甘さじゃないね。コーヒーだから当たり前なんだけど。あくまで後味の問題。コーヒーとしての苦味と、少々の酸味。そして最後にスッと甘さを遠くに感じてコーヒーが舌の上から消えていく。そんな感じ。
ただ、コーヒーをあまり飲まないオレでも、他のコーヒーとの違いは強く感じるね。後味に酸味が出てこない。一般的なコーヒーって酸味が残るものなんだけど、その割合が少ない気がする。酸っぱいコーヒーがそんな好きじゃない人は、ベルクのコーヒーは合うだろうね。
さて、コーヒーうまい。ドッグうまい。ソーセージうまい。レバーペーストうまい。うまいづくしに囲まれると、オレみたいな育ちの悪い人間はこういう悪いことをしたくなる。

クラッカーにソーセージとレバーペーストを一緒盛り。それを一口で食べちゃうんだもんね。ソーセージの皮のプツンプツン。肉汁。レバーペーストの風味、なめらかさ。それが同時に襲ってくる贅沢さよ。おお、オレの舌の上にドイツがいるぞ。ダンケシェーン!
そしてクラッカーでなんとなく口の中の水分を持っていかれたので、コーヒーを。スッと最後に残る甘さ。コーヒーが甘いわけないから、単なる錯覚なんだろうけども、でもちょっとだけ残るんだよね、甘味が。こりゃいい取り合わせだ。
ベルクの三大職人コンプリート。おいしゅうございました。

石火矢(高円寺・焼き鳥)

本日のもう1軒はこちら。焼き鳥でやんすよ。


以前は高円寺の北側にあったのだが、今年4月、南側に移転。移転してからは初めて。従来はオヤジさんひとりで焼いてたが、いつのまにか若い人が入っており、焼きを任されてた。おお、それがいい。実はこの店は食材はいいのだが、肝心の焼きがアレなのである。オヤジさんの趣味でやってるような店なので、オヤジさんが途中で飲みだすと、焼きがいい加減になるのである。焦げ焦げレアレアなのである。それでも食材がいいからうまいのだが、食材を損なっていたのは事実。その点に手を打たれたわけで、客としては大変喜ばしい。事実、途中からオヤジが酒を飲み始めてたし。

つきだしの「鳥わさ」。オレはワサビがダメなので、ワサビ抜き。よって単なる「鳥」である。新鮮なところを表面だけ焼き、醤油で。うむ。これだけで十分うまい。

上がムネ肉。下がせせり。ムネ肉って焼くと硬くなるもんなんだけど、変に硬くならずにジューシーってところが素材の良さだよね。せせりもうまいなあ。噛みしめると肉の香りがかけあがってくる。

砂肝の刺身。なんという美しさ。

このなまめかしい赤。思うに内臓肉というのはエロいし、なまめかしい。普段は内側に隠れて見えないものがあらわになる。それも生で。内臓肉の刺身はエロだ。そしてそれを食べちゃうオレはやっぱりエロい。
焼酎のロックとともに味わう。……うまさは画像通り。まずいわけなかろうて。

砂肝のヒモ。刺身の余りを焼いてくれた。サービス。常連限定よん。これが出てくればあなたも常連!

ササミの梅のせ。オレはこれが好きでねえ。鶏と梅の相性って最高だと思う。酸味と合うんだよなあ。何本でも食える。またレアな焼き加減が憎い。酔っ払ったオヤジさんが焼きの日だと、ベリーウエルダンで台無しってときがあるんだけど、これは兄ちゃんが焼いたので完璧。オヤジより兄ちゃんが焼いた方がいい店って珍しいな。

ハツ。クニュクニュとしているが、スッと歯が入る。ゴムみたいな内臓は内臓と言えんのだ。感触を楽しみつつも、いざ歯を立てるとスッと歯が入る内臓がうまい。

レバー。ここからタレゾーン。表面はキッチリ火が入っているが、芯はレア。トローリとしたレバーの食感にタレがマッチ。串で食うならレバーはタレだ。

動脈。コリコリクニュクニュ。珍しい部位。オレもこの店以外で食べたことない。歯ごたえがおもしろいが、歯ごたえだけの部位でもなく、キッチリうまい。不思議な食感であり、不思議なうまさ。是非モノです。

鶏モツ。レバーなんだか腸なんだかよくわからないが、とにかくそのあたりのとこらしい。細かい場所は未だに教えてくれん。レバーの如き肝のうまさと、腸の如き感触。うまい。

串の最後は砂肝の塩。焼いた砂肝も格別。

シメはそぼろ飯。

全体を混ぜて一味唐辛子で引き締める。甘辛のタレ味がたまりまへんな。
生ビールに焼酎1杯で5,000円チョイ。串1本200〜400円くらいするので、焼き鳥屋としては高いが、味を考えるとこれでも安い方かも。焼き鳥屋のいいところってバカ高いし、敷居も高い。その点、この店はたらふく食べても5,000円だし、店の雰囲気も入りやすい。「うまい焼き鳥」というジャンルの中では悪くないチョイスですよ。カウンターだけなので、ひとりでも入りやすいしね。それにオヤジさんはさっさと酔っ払ってるし。
高円寺の小粋なひとり飲みにオススメです。