(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

論を憎んで、人を憎まず

相手は選ぶことにはなるだろうけど、オレは孤独感は感じないなあ。

というのは、ひとつには「いい人」じゃなくてもいい関係と、「いい人」でいるべき関係を切り分けているから。いくら社交辞令の効かない会だからといっても、さすがに相手は選んでいるのです。会員同士の関係に遠慮は無用で、社交辞令の効かない会としての掟を淡々と遵守すればよろしいわけですが、この掟を外部に押し付けるのは如何なものかと。そのくらいの真っ当な神経はあるわけですよ、一応。なわけで、常に真剣を抜いて行動しているわけじゃない。だから、その点でストレートな関係性が持てない人がいても、それはそれでしょうがないし、諦めているのでおk。
ふたつに、それはそれとして、社交辞令の効かない会の同士はいるし、同士が集う空間がある。自分に戻る場所、帰る場所があるから孤独感を感じなくていい。社交辞令の必要がない、遠慮仮借なしの関係性がある空間にいざとなれば帰ればいい。全然孤独じゃない。仲間はいる。
そしてみっつ。実はともに具合がいい場所であるということ。そして具合の良さは時に入れ替わるということ。真剣勝負の清々しい関係がいいときもあれば、戦いのない安息が欲しいときもある。真摯な発言が欲しいときに、相手を慮るだけの発言はかえってイラつくし、逆に癒しが欲しいときの鋭い一言は、あまりに痛い。鈍痛がする。身勝手だろうがそういうもんです。都合によって入れ替わる。
この感覚というのは自分の内部であり、「気分」と言えるものなので、なかなか説明しにくいし、「身勝手」「わがまま」という言葉でくくられても致し方のない面があるわけですが、ここを押し付けずに理解しあう関係が理想的かなと。人との関係性において、勝手に人の役割を決めて付き合うことがあるんで。
安らぎを求めて付き合っている異性に、厳しい一言を突きつけられたときのとまどいなんかはその最たるものですな。優しい一言が欲しかった。慰めて欲しかった。癒して欲しかった。そういう人だと思っていた。しかし思っていたのは自分で、相手はそういう風に行動すべきと思っていない。勝手に相手のキャラクターを決め込んで、そのキャラクターに合った行動を求めていた。そういうことは結構あるもんです。相手が予想外の行動をとったのではなくて、自分が相手に実際とは異なるキャラクターを当てはめただけなのにね。
もちろんこの逆も真。失望は求めるものとのギャップによって発生するので、どっちのパターンでも起こりうる。また、それは自分にとって大切な人の場合、より大きい。裏切られたという感覚に陥る。裏切られたのじゃないんだよ。裏切られたと思っているだけなんだよ。裏切られたのはイメージに対して。相手に自分が裏切られたわけじゃないんだ。
とはいえ、真摯な意見を発してくれる友人・恋人・恩師の存在は重要であることは確か。

健全なぶつかり合いを恐れてしまっては、自分の前の道を切り開くことはできません。

http://d.hatena.ne.jp/aroundthedistance/20080925/1222269457

同感。これは本当にそう。健全なぶつかり合いができる人の存在は重要。うちの記事なんて周りの人が発してくれたものをきっかけに書いたのばっかりですから。気付きを与えてくれる人の存在は大事です。大事。だからこそ、他の人にとって自分がそういう人物でありたいという気持ちはあります。率直な物言いをしたい。周りが遠慮するときにこそ、遠慮のない意見を発したい。
ただ、人格攻撃にならないように話すということに、最大限気をつけているつもり。悪いのは人じゃない。その人の話だとか主張だとか論理。それを発する人との切り分けが重要。

人格攻撃は御法度

主張はいくら攻めてもいい。間違った主張に対し、間違っていると主張するのは議論として正しい。但し人格は別。如何なる理由があっても、人格は攻めてはいけない。間違っているのは主張であって、その主張をした人間自体じゃない。ここは分けて考えるべき。議論の対象は主張であり論証。氏育ち、家庭環境、民族、人種といった一切は関係なし。

議論のマナー - タケルンバ卿日記

ここ。
で、ここに関してオレはひとつモットーがある。

論を憎んで、人を憎まず。

論とはぶつかってもいい。しかし人とぶつかってはいけない。論とぶつかるだけなら、その論に関する話が終われば、また手を取り合える。しかし人とぶつかれば、その関係性は後を引く。

  • そういうことはおかしい。

これは言っていい。しかし、

  • そういうことを言う君はおかしい。

これはアウト。このルールを守って、相手が引いたらそれ以上は突っ込まない。これでよろしいのではないかと思うのです。押しかけ女房みたいにするのは、それはそれではた迷惑な話ではあるし。……この点、意外とオレは臆病なのよ。イケイケドンドンだけど、相手にちょっとイヤそうな表情が出たらサッと全面撤退。空気は読まないけど、表情に出たらすぐ察知する人なので。
ま、現実には論を攻めただけで、自分のことを攻められたと思う人が多くて、何かと言いづらい環境があるのは確かなんだけど。ディベートやってるせいで、ガンガン言い合う環境に慣れているからこそ、結構気をつけております。意外と自重してるんだぞ、これでも。ま、自重しない関係性が一番ラクなので、社交辞令の効かない会マンセーなわけなんだけど。ラクでいいよ、ホントに。