フグは食いたしホルマリンは避けたし
さあ、今度はホルムアルデヒドですよ、奥さん!
メラミンとかメタミドホスとか、まあ最近は化学物質に詳しくなっちゃってあれだね。インゲンからはジクロルボスが出たっていうし。
大賑わい。
ちなみにホルムアルデヒドってこういうもの。
これの水溶液がホルマリン。で、これを何故シラウオに含ませるというと、腐らなくなるから。よく標本をホルマリン漬けにするよね。要するにこの原理。腐らなくなる。漬けたままの状態で保存できる。シラウオに与えれば……長持ちするシラウオができるってわけ。
ここまで読んで「中国けしからん!」って思う人は多いと思うんだけど、でも日本はそれを言えないんだよね。何でかと言うと、日本でもフグの養殖現場でホルムアルデヒドを与えていたことが話題になったことがある。フグで前歴あるんですよ、日本で。
Wikipediaにも書いてあるけど、結構話題になったんだよなあ。国産フグもダメじゃんってことで。
で、こういう流れになると、当然に中国でも「フグもやっとるだろ」という話になるわけですが、中国からのフグがないとどうにもならん。
これ、門司税関の資料。2006年1月〜11月における下関港の輸入フグの水揚げ量のシェアは89.6%。そのうちの99.7%が中国からのもの。量にして8,938トン。
- http://www.maff.go.jp/www/info/bunrui/bun06.html
- http://www.maff.go.jp/toukei/sokuhou/data/gyogyou-yousyoku2006/gyogyou-yousyoku2006.pdf(PDF)
こちらの農林水産省の統計「平成18年漁業・養殖業生産統計」によると、2006年の年間海面漁業漁獲量は約6,000トン。海面養殖収穫量は約4,000トン。足して10,000トン。つまり国内の生産量と、中国からの輸入量は大差ない。半分日本、半分中国ということなわけですよ。
するってえと、これから寒くなるにあたり、鍋のシーズン、フグのシーズンとなるわけですが、非常によろしからざる話になるわけですねえ。最近は1人前ウン千円でフグフルコースみたいな店が増えてますけど、これって中国産フグの恩恵ですからねえ。「中国産のフグあぼーん」となりゃ、こういう店はまずやられる。多分「中国産フグが危ない!」みたいな記事のオンパレードになる気がしますよ。ああ、もう脳裏に浮かぶね。
遅かれ早かれそういう流れになると思われます。これから鍋シーズンだってのにねえ。頭の痛い話でしょうなあ、あちこちは。ま、わしゃ鍋もフグも好きなので、容赦なく食いますけどね。毎年何かが危ういわけで。カキがやべえって言われてたの、いつだっけ?
皆さんは自己責任でどうぞ。微量なら結構いろんなものに入ってる物質ですしねえ。調べるとおもしろいよ。
こんな感じでググると吉。それでは良い食卓を。
追記(2008/10/16 4:00)
トラックバックでご指摘いただきました。
殺菌作用もそのお陰。細菌とかの細胞の蛋白質を変性させるから。見た目的にはあまり変わらない、のかもしれないけど、もう多分味も変わる。ホルマリン漬け食ったことないけど。
http://d.hatena.ne.jp/steam_heart/20081015/p2
そうですね。「変性しない」というのは間違いですね。安定させる過程で変性させるので。ご指摘ごもっとも。
この点、訂正させていただきました。どうもご指摘ありがとうございます。