(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

想定はネガティブに、現実の対処はポジティブに

オフ会だけでなく、リアル仕事でもいろいろな方にお会いするわけですけど、「こいつとはどう考えても話が合わん」という人がいるわけですよ。「あ、無理だな」と。なんかね、話の前提というか、根本的なものが合わない。
今日あったのはその典型。俺はこういう話をしたわけです。

「人間は単純ミスをするので、ミスをするのを防ぐこと、ミスをしたらすぐ検知できること、ミスがあっても大ごとにならないことの三段階が必要です」

俺にとっては何てことのない一般論のつもりの話。

人はミスをする=完璧ではない

こういう前提なんです。ミスをする動物である。100%の達成率はありえない。何かひとつミスがあれば100%にならない。1%だか0.1%だか何パーセントだかはわからんけど、何かはミスをする。そういう前提で考えているんです。
なので対策も分かれる。

まずはミスをしないように

ミスをするっていっても、ゼロが理想。ゼロにできないという前提は踏まえつつ、それでもゼロを目指さなければいけない。
特に何かのリーダーであればそういうものだと思います。目標設定はあくまでノーミス。100%の成果。そこを目指すことで、合格点がとれると思うわけですよ。最初から80点を目指す上司があるかと。スポーツで言えば、3位を目指すなんて言う監督があるかと。そこは表向きノーミスや優勝と言っておいて、結果的に80点や3位になったら心の中でガッツポーズ。そういうものだと思ってます。
なので、とにもかくにもミスを減らす。ここは基本。ミスは減らせば減らす方がいい。当たり前。

  • 行動を単純化する
  • 1回1回の行動に対する負荷を減らす
  • 体調管理を徹底する
  • 人員を十分配置する

ま、こういうことですよね。

ミスを早く検知する

しかしどんなにミスを減らしても、ゼロにはならない。いつかは、どこかで起きてしまう。そういうもの。で、そういうつもりになっておいた方が何かと対処が早い。ミスを前提にしないシステムや体制は弱い。ミスに対する備えがないので。
なので、まずはミスに如何に気づくか、という点が重要かと。自分で気づけば最高、そうでもなければ誰かが気づく。ネットで言えばアラート機能とか。Excelで書類をつくっているときに、間違った入力をするとダイアログが出たりとか、条件付き書式で赤くなるように表示させるとか。方法はいくらでもありますね。
で、この段階は早ければ早いにこしたことはない。早ければミスを放置する時間が短くすむ。対処する時間が長く取れる。逆に遅ければ、そのミスが重大な結果として反映されてしまうリスクが高まる。病気なんかでも発病する前にワクチン接種でウイルスや細菌を殺してしまえばいいわけです。それが早いタイミングであれば、薬の効きなんかもいいわけですよ。そういう発想。

ミスがあっても大ごとにならないように

ミスは起きる。完全に防げない。そして検知するシステムをつくっても、これまた100%のシステムとはならない。何故なら、ミスを検知するシステムを運用するのも人間だから。人間はミスをする……というループ。なるべく自動化するにしても、結局は人間の余地が残りますからね。コンピューターが警告を出しても、それに人が気づかなければどうにもならんわけだし。機械の電源落としてましたとかさ。サーバーだって、コンセント抜けてたら動かないわけだから。
なので備えとしては、ミスがあったとしても、それが大ごとにならないようにする。ひとつのミスで致命傷を追わないようにする。保険の発想だよね。万が一の備え。
作ったファイルのバックアップをまめにとるなんて発想はこれに近い。間違って消しちゃう可能性に備える。壊れるリスクに備える。失われてしまうと困るものほど、そのバックアップの価値は高いわけで、その保険コストを使っておく。
病院なんかだと非常電源装置だよね。手術中に停電したらシャレにならんわけで。「生命維持装置が止まりました」なんて困るわけで。
である以上は、あるひとつのミス、出来事があっても大丈夫な体制にする。これは結構基本的な発想だと自分は思ってるわけです。
そういう意味で、現実的な対応策としてこういう発想を持ってる。

ひとつに依存しない体制作り

あらゆる意味で依存しない。電気に依存しない。送電が止まってもなんとかなる体制。さっきの病院の例で言えば、自家発電装置はそう。あるいはPCに依存しない。いざとなれば手書きで作れる。自宅ではなくても、マンガ喫茶のPCでも作業できるとか。経営だとある取引先に依存しない。その取引先の仕事がなくなったら会社が傾くような経営をしない。人事であれば社内の特定の人間に依存しない。その人間が退社したら誰もできないような作業をつくらない。
あらゆるものに依存しないようにすることで、現状を維持できる。また、維持できる保険がかかる。何かある。何かは起こる。ミスをする。ミスによる影響が起きる。そう考えていくと、ある出来事によって何かが破綻するのっていうのは、俺にとっては怖いことなのですね。常に代替手段を考えていたい。その手立ては講じておきたい。
そういう意味で、自分は結構ネガティブです。で、こうも思っています。

想定はネガティブに、現実の対処はポジティブに。

悪いことはあったら困るのです。で、困りそうなことは多めに考えて、手を打っておいた方がいざというときに楽なわけです。ネガティブ発想で「あれがあったら嫌だ」「これがあったら困る」でいい。
ただ、起きてしまったらしょうがない。現実に起きてしまったら、あれこれ考えてもしょうがない。風邪ひいた後に「あのとき、きちんと寝ていれば」と思ってもしょうがないのです。もう風邪をひいちゃったので。それでは治らない。
ここからはポジティブ思考。治すための思考。ミスを帳消しにする思考。最悪の事態を想定してネガティブに発想するわけですが、それを現実化させないためにどうするかという発想がここからは必要。

最悪のケースを現実化させないために叡智がある

こう思っておるのです。最悪のケースを考えて、ミスが起きたときのことを考えて、それが現実になりましたって意味がないでしょ。それを起こさせないために力を使うべきなので。最悪を回避するために頭はついているわけでさ。最悪の事態を起こしたくて想定してるわけじゃないのでねえ。
ミスがあったら困る。どう困るか。最悪、どこまでの被害が想定されるか。この発想は必要なのです。この発想があるから、それを抑えるための対策が生まれるわけだから。

最悪のケースを考え、それをほっとかない。

こう考えておるのですね。日頃は意外とネガティブシンキングなんですよ。仕事人としてはね。
さて、最初の話に戻すと、こういう前提のもとでお話させていただきましたが、本日お会いした方にこう一言。

ミスしなきゃいいんだよ!

そんなの気合でなんとかなるよ!

ミスするヤツはたるんでるんだ!

一生分かり合えそうにありませんね。