(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

自己嫌悪スパイラル

自信を失っていく人がいるんです。そういう過程があるんです。マジメな人ほど陥りやすい罠がある。

できないことに悩む

マジメな人って、自分にできないことがあると、そこで立ち止まって進めなくなる。本当は回り道もあるし、必ずしもその道を通る必要はないのだけれど、その道を通れない自分のことが気になってしまう。その道を通らないという選択が悪いのではないか、という気分にすらなってしまう。

できない自分が悪い

ややもすると、そういうことで悩む自分が許せなくなる。できないことがある自分が許せない。それを迂回しようと思う自分が許せない。「逃げじゃないか?」とか、「卑怯じゃないか?」とか、「ずるくないか?」とか。「できない」というひとつの出来事だけで、別に思い悩むことがないのに、「できないことは悪い」ということだけが固定化されて、それを前提とした自己嫌悪に陥ってしまう。

できることができなくなる

そうしていくうちに自信を失い、自分を見失うので、これまでにできていたことまでできなくなる。集中力が下がる。ミスをする。抜けがある。うっかりがある。具体的な行動、行為に支障が出て、結果に反映されてしまう。
そうなるとますます自信を失う。「できること」ってのはある意味、自分の自信の裏づけとなる部分で、自分の実力証明にあたる部分。そこに支障が出ると、自信の根本が揺らぐことになる。あるひとつの「できない」をきっかけに、自己嫌悪がはじまり、本来の実力が出なくなる。それが次の自己嫌悪を呼んでしまう。自己嫌悪スパイラル。

そもそもに立ち返ろう

しかしだ。この話って、冷静になればわかることなんだけど、つながっていないのだ。あるできないことがあるからって、直ちにできない自分が悪いとはならない。そもそもこの大前提からしておかしい。なので、そこから派生する話もおかしい。自己嫌悪の、自信喪失のスパイラルが起きているんだけども、出だしからして間違っているわけだから、本来は連鎖しない。

できることをやっていこう

まずは落ち着いて冷静になる。話を切り分けていく。できることとできないことを分ける。何が悪いかを考える。本当にそれは悪いことなのかを見つめ返す。冷静になれないのならば、まずはできることをやっていく。確実にできることをやっていく。それができなくなっているのならば、できるような自分と今の自分とは何が違うか考える。何かが違うから結果も違うのだ。何かは変わっている。
そしてそれは恐らく自分の精神状態が違うだけのこと。自己嫌悪が自分を変えているだけのこと。その自己嫌悪もまた理由もない思い込み。理由も裏づけもない思い込み。そういうように気付いていくと、負のスパイラルがほどけていく。正のスパイラルに包まれる。そうなればしめたもの。

落ちるきっかけも上がるきっかけも単純

こういうところがある。あっという間にスランプにはまる。泥沼にはまる。しかしそこから抜け出すのも単純なきっかけ。ひとつの出来事。たいしたことのない出来事から人は落ち込み、そしてまた気分を上げていく。
だからこそ、あまり思い込まないで欲しいなあと。一時の気の迷いみたいなこともある。偶然が重なって可視化されてしまったこともある。自分にまったく非がなくても、そう見えてしまうこともある。そうしたものをきっかけに、自信を失い、できることまでできなくなるのは、見ていて本当に忍びない。
マジメすぎるからこその罠。マジメな人ほど適当に。