(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

タケルンバのドミニオン戦略 - その2 勝利点カード・宝物カード

はい、ドミニオン記事の第2回ですよ。

ドミニオン (Dominion) 日本語版 カードゲーム

ドミニオン (Dominion) 日本語版 カードゲーム

ドミニオン拡張セット 陰謀 (Dominion: Intrigue) (日本語版) カードゲーム

ドミニオン拡張セット 陰謀 (Dominion: Intrigue) (日本語版) カードゲーム

ドミニオン拡張セット 海辺 (Dominion: Seaside) (日本語版) カードゲーム

ドミニオン拡張セット 海辺 (Dominion: Seaside) (日本語版) カードゲーム

今回は前回の「勝ち筋編」に続いてカード編。個別のカードについて書いていきます。独断と偏見に基づく俺の意見です。最近ちょっとBSWでプレイしてるだけのド素人の意見なので参考までに。

カードの解説

「勝ち筋編」で書いたように、タケルンバドミニオンで勝つための大まかな戦法として、次の5つがあると考えています。

  • コイン戦法
  • アクション戦法
  • 圧縮戦法
  • 庭園戦法
  • 寵臣戦法

このどれかひとつを徹底すればいい場もあれば、組み合わせた方がいい場もある。それは千差万別とはいえ、勝つ方法論としては、この5つに集約されると考えています。
そこで今回は各カードの、この5つの戦法に対する相性などを踏まえて、俺の印象とか使い方とか、そういうことを書いていきたいと思います。

相性評価

各戦法との相性は、次のように評価してます。

必要なカード。戦法との相性が良く、組み合わせとして適している。

普通

どっちでもいいカード。戦法との相性は良くも悪くもなく。

不必要なカード。戦法との相性が悪く、組み合わせとして良くない。

勝利点カード

勝利点カードは3種類のプラスと、1種類のマイナス。計4種類。このカードの合計点でゲームの勝敗を争うわけで、改めて言うまでもなく重要なカードですが、これ単体では何の意味も効果もないわけで、序盤ではあまり持ちたくないカードです。序盤という言葉なくらいなんで、当面はこの点数が必要になる場面は来ません。持っていてもしょうがない。それよりは何らかの効果がある他のカードを持っていたい。
そこで考え方としては、次のどれかになるわけですよね。

多くのコインを集めることで勝利点カードを引く確率を下げ、手札1枚あたりの価値を上げる

最初のデッキでは、銅貨(COPPER)が7枚に勝利点カード3枚。カード10枚で7金あるため、1枚あたりの価値は0.7金。ということは、手札を基本5枚持っているので、手持ちのお金は平均3.5となります。2回に1回4金まで手が届くという感じ。
ここで、最初の2ターンで銀貨(SILVER)・銀貨と買うと、銅貨7枚・銀貨2枚・勝利点カード2枚となり、カード12枚で11金。1枚あたりの価値は0.92金。5枚平均4.6金。毎ターン買えるもののコストが1上がる。コスト3までのお買い物がコスト4に上がり、コスト5にも当然手が届きやすくなる。さらにもう1枚銀貨を買えば、13枚で13金であり、1枚あたり1金。つまり毎回5金に届く計算になる。銀貨ではなく、金貨(GOLD)を買えばさらに1枚あたりの価値を上げやすい。1枚あたりの価値が上がれば、次のデッキのまわり以降はさらに買い物がしやすく……というもの。量と質でカード1枚あたりの価値を高め、勝利点カードのロス分を補うという考え方ですね。
もちろんこれは机上の計算で、平均3.5だろうが4.5だろうが、手持ちに勝利点カードが3枚ある以上は、その3枚すべてを引くターンがあり、2金に終わるケースもある。アクションカードの組み合わせ如何では0金で、お買い物できずだってある。しかしそういうターンがあるということは、次のターンには確実にコインだらけのターンもあるわけでいってこい。長期的に考えればいずれは確率通りに推移するはずなので、たかが確率といえど、安定度は高い方法論だと思いますね。

アクションをつなげてより多くのカードを引く&勝利点カードを回避する

コインという物量ではなく、アクションという行動によって勝利点カードのロスをなくそうという考え方。例えばカードを全部引ききれば、勝利点カードが何枚あろうと、それ以外のカードも含めて全部手札になっているので関係ない。あるいはスパイを使い次のカードを見て、勝利点カードであれば捨て札にまわし、引かないようにする。地下貯蔵庫(CELLAR)で勝利点カードをすべて交換にまわしてもいい。寵臣の4枚交換も有効でしょう。
手札を引ききることで具体的な例を出すと、村(VILLAGE)が2枚、鍛冶屋(SMITHY)が3枚というケースでは、村は1枚引けるので、計2枚。鍛冶屋は3枚引けるので、計9枚。合計11枚引けるので、最初に持つ手札5枚を含めると、デッキ16枚まではすべて引ききることが可能です。「アクションが続けば」という前提はあるけれど、コインをすべて引ききれる。
カードの効果の総和によって、勝利点カードを打ち消すという方法。

圧縮することで勝利点カードをデッキから消滅させる

ある意味、もっとも手っ取り早い方法。デッキから消滅させれば引くことがない。引く可能性をゼロにしてしまう。
ベタなのは礼拝堂(CHAPEL)でしょうかね。これで捨てる。改築(REMODEL)、改良(UPGRADE)で他のカードに換えるというのもいいですな。こっちの方がムダがない。ただ、ムダがないが、1枚ずつしか処理できないので、スピードが難。その点、礼拝堂は4枚まで一気に捨てられるので、圧縮スピードが段違い。3枚の勝利点カードを処理さえすれば、手札の中は礼拝堂とコインだけ。この段階に早い段階でなると、後の展開がメチャメチャラク。圧縮戦法が強い所以。

むしろどんどん増やす

庭園戦法を狙うなら、カードの総数を増やした方がいいので、まあ別に気になりませんよね。序盤は邪魔だけど、後半のことも考えるとまあいいのかなと。庭園戦法でもなるべく最初は余計なカードを持たず、カードを購入しやすい体制をつくりたいわけですが、狙いとは違う方に備えをすることでスピードが遅くなるより、庭園戦法を徹底するために、と割り切るのもひとつの手。
ただ、この場合は男爵(BARON)がいることが前提でしょうね。男爵がデッキにいる場合は、屋敷(ESTATE)がムダにならないし、むしろ効果的になる。男爵アリの場なら、庭園戦法を徹底するためにも、あえて勝利点カードを増やすという選択肢もアリでしょう。公領(DUCHY)・公爵(DUKE)を買い進める場合も相性が良さそう。
ただ、男爵も公爵もない場合は、庭園戦法を狙うとはいえど、当面は他の方法で勝利点カードをなんとかすべきだと思いますね。まわりが手を進めた分だけ、自分はしっかり出遅れることになりますし、序盤の出遅れは級数倍的に後半になればなるほど効いてくるものなので。特に上級者相手の場合には。
あとはこれを頭に入れつつ、どうそれぞれのカードを考えていくかという話になります。

屋敷(ESTATE) コスト2・勝利点1

勝利点1点。正直あんまり欲しくない。こればかりのデッキはイヤ。むしろ処分したい。これを積極的に買い集める展開はあんまり考えられない。本当の終盤、1点を争う展開になる感じならともかくねえ。あとは3山切れを狙って終わらせようとする場合とか。コスト2は買いやすいので、3山切れを狙うときは格好の標的。
あとは銅貨か呪い(CURSE)を改築で換えるときくらいですかね。まあしかしコスト2なら他のアクションカードに換えたいし、改築はアクションが続かないカードなので、効率も良くない。
例外は男爵でしょうな。アクションカードの中で、発動条件に唯一関わってくる。しかもプラス4金。これはでかい。
ただ、男爵のためにこれを買うというのもねえ。他のプレイヤーがみんな男爵を買うような展開なら、邪魔するために屋敷を買う展開はアリですけども。人数の多い対戦では特に。自分がやられたくない展開を防ぐベターな方法ではありますので。

コイン戦法 相性:悪

邪魔だけど空気。気にしない。当面買う必要がないし、2金あるならアクションカードを買った方がマシ。
これを買うとしたらかなりの終盤。デッキがもう1周しないだろうなあ、というときはアクションカードを買っても回りだす前にゲームが終わってしまうので、屋敷を買った方がいい。

アクション戦法 相性:悪

これまた邪魔だけど空気。気にしてる暇があったら、これをなんとかできるデッキをさっさと完成させるべき。まして終盤でこれを買わざるを得ないような状況であるとしたら、デッキ構築にも失敗したということ。そこで浮気して今更屋敷に手を出すより、初志貫徹した方がいいような。気の迷いは何も生まない。

圧縮戦法 相性:悪

空気どころか害悪。ます最初に処分すべき対象。銅貨は買い物の資源になるだけまだマシ。屋敷はさっさと捨てるか、他のものに換えてしまいましょう。
途中から買い出すのもあまりないねえ。よっぽどの終盤、接戦の時限定だわな。

庭園戦法 相性:普通(条件次第で良)

普通。まあ1枚は1枚。相性は悪いとは言えないが、もちろん良いとも言えない。庭園戦法をするなら、一般的には必要ない。
例外は男爵。これがあるとないとでは屋敷の効果が天と地ほど違う。男爵があるなら必要。男爵のために必要。他のプレイヤーの男爵を機能させないために、序盤から買い集める選択肢すらアリ。プラス4金の効果は大きいし、序盤は特に。普通なら2金あればアクションカードを買うが、男爵で行くならあえて屋敷でもいいかなあと。
ま、でもそれくらいだよね。それ以外の意義はなし。

寵臣戦法 相性:悪

可もなく不可もなく。どうせ手が悪けりゃ寵臣の効果を使って4枚交換するんだし。要は手札5枚中に寵臣が1枚混じっていれば交換できるし、交換して得た4枚のうち1枚が寵臣であれば再度交換できる。つまりデッキの4分の1枚分寵臣を持っていれば、4枚交換することで最低1枚寵臣をゲットできる確率になる。手札20枚なら、寵臣を5枚持ってりゃいいわけよ。偏ることもあるけど、ザックリ計算すればそういうことだべ。
まあでもわざわざ買うほどのものじゃないわね。そういう意味での相性悪。

公領(DUCHY) コスト5・勝利点3

勝利点3点。序盤は買いたくないが、中盤からは買わざるを得ない。大体の展開において、属州(PROVINCE)の買い合いになるわけだけど、属州の所有数が同数であれば、公領の枚数で勝敗が決まるし、公領2枚で属州1枚と同じ価値がある。
6点得るために屋敷6枚というのは如何にもデメリットが多いし、デッキが回らなくなる可能性が高いが、公領2枚程度ならまだ許容できるかなあと。他のプレイヤーが仕掛ける前に公領に手を出し、公領に先に手を出した分のリードで勝つとかなり気持ちいい。
あと公爵との組み合わせは強力。公領も公爵もコスト5で詐欺師にも強い。コスト5ということで祝宴(FEAST)とも交換できるし、中盤以降は手に入れる意義が大いにあると思う。

コイン戦法 相性:普通

コスト5というのはコイン戦法でもっとも微妙なところ。銀貨を買うにはもったいない気がする。
かと言って銀貨ではなく、公領を序盤から手に入れると、デッキの内容が薄まって後半キツイ気がするし、前半の金貨購入数が減る気がする。誠に悩ましい。
タイミングは展開次第としか言いようがないですよね。コスト5になったとき、いつ公領に手を出すか。なかなか難しい問題でありんす。個人的にはやや早めが好きだけど。コインで行くなら差して届かずより、逃げてまくられる展開の方がまだマシ。そもそもコイン戦法自体そういう考え方に基づくものだし。先行逃げ切りの戦法なのに、逃げないのって……ねえ。ま、競馬でも逃げない逃げ馬とかいますけども。

アクション戦法 相性:悪(条件次第で良)

あくまで副次的に手に入れるものという印象。銀貨から改築で得たり、祝宴で得たり、13金を手に入れ、属州を購入した余りで公領も、とか。そういう発想。基本的にアクション戦法は16金を手に入れ、属州2枚を1ターンに買うのが目標だと思っているので、それに届かない場合の現実的対応かなと。
ただ、属州を手に入れないうちに公領を買うのはどうなのかなと。あくまで属州を買い進める体制が整ってから、お金が足りずに仕方なく買うもの。アクション戦法をとる場合は、基本的に後半一気に追い込みを狙っているわけで、中途半端に仕掛けて差し脚が鈍るよりは、少し我慢してスパートにつなげた方がいい。このあたりコイン戦法と発想逆。差し馬が逃げてどうすんのと。もっとも、競馬でも追い込まない追い込み馬がいるんですけどね、ええ。
例外は公爵を絡ませる場合。10金得たときに公領2枚を買い、次の10金で公領1枚・公爵1枚を買う。この場合、公領3枚なので、公爵が1枚3点となり、計12点。これは属州を1枚ずつ買った点数と同じだし、屋敷・属州と2ターン連続で買った場合と2点しか違わず、得るカード数も同じ。
こうなると4枚目の公領を手に入れた時点から、公爵1枚が4点となり、公領よりも得点効率が良くなる点で先行きが有利になる。展開上デッキの完成が間に合わず、10金程度が限界と考えられる場合、属州2枚買いを諦めて、公領・公爵を買い集める方に舵を切るのも悪くない。属州切れでゲーム終了を避けたい場合にも、代替戦略として有効。
その場合の採算ラインは公領4枚。公領4枚に届かないのであれば、公爵を買う意義があまりないので、属州の方が効率的だし、屋敷で補った方がいい。

圧縮戦法 相性:悪

アクション戦法と同じく副次的なものという考え方。何故圧縮をするかというと、基本的には属州を買いやすくするための体制づくりなわけで、それで公領止まりというのはちょっとね。あくまで属州をとりはじめた後、8金に届かなかった場合に買う程度にしたいですし、圧縮が効果を増すように、効果のあるカードをデッキに入れたいですね。

庭園戦法 相性:悪(条件次第で普通)

コスト5というところが引っかかるんですよね。Buyが増えていて、尚且つコスト2、3のカードが存在する場であれば、1ターンでそうしたカードを2枚購入できるわけだし、その繰り返しで3山切れを狙うのが現実的だと思うんですよね。
また庭園戦法をする場合、コスト4の庭園を先に入手するはずなので、優先度が下がることも見逃せません。コスト8以上であれば庭園2枚買いか、属州を買うはずだし。わざわざ公領を買う意義がイマイチ見出せない。デッキ枚数が30枚以上であれば、庭園1枚3点だから、コストの面でも公領を買うのは非効率ですし。
例外は公爵を絡ませる場合で、尚且つコスト2のカードがなく、3山切れがあまり期待できない場合。この場合は公領・公爵を集めざるを得ませんね。もっとも、そういう場面で庭園戦法で行こうとは思わないけれど。

寵臣戦法 相性:普通

屋敷と同様にあまり困らない。交換交換で何とかなるし、何とかできるようにすべきでしょ。そもそもさ。
特に後半になると手札が寵臣2枚に1コインという場面があり、カード交換で寵臣が手に入るか微妙な展開がある。山札の残り寵臣の数と相談。残りの山札数と、残りの寵臣数から寵臣を引く確率を割り出し、行けるかどうかの判断をしつつ、ダメそうなら公領でおk。大人しく2金・2金で、素直に公領を買うと。
特にリードしている場合は勝負して交換する必要はない。バクチは弱者が打つもの。強者は打つべきものじゃないのよ。

属州(PROVINCE) コスト8・勝利点6

最重要カード。つか、ドミニオンのゲーム目的って、これを買うことにあるわけで。これを買って勝利点を数多く手にするゲームなので、これを買わなくちゃしょうがないでしょ。

コイン戦法 相性:良

これを買うためにコインをかき集めるわけで、8金あったら迷わず購入。これは機械的に判断してもいいくらい。

アクション戦法 相性:良

序盤はやや考える。あえて属州を買わずに、コスト5のカードと、コスト3のカードを買うとか。そういう判断もアリ。アクション戦法が目指すデッキ像は、1ターンで2枚属州を買えること。1枚こっきりで我慢していいかどうかは多少考える余地はあるよな。
ま、でもアクションがつながらないと考えるなら、アッサリ買うのもアリ。人間諦めも肝心だ。

圧縮戦法 相性:良

これを買いやすくするために圧縮したんだから、買わないという選択肢がありえない。とりあえず買っとけ。

庭園戦法 相性:悪

庭園を買い集める戦術なわけで、基本的には属州より庭園優先。属州1枚買うなら、庭園2枚買った方がいい。Buyが増えていない場合のみ、属州を買うという考え方でいいのでは。
それ以外のケースでも、なるべく屋敷を買うなど、積極的に3山切れを狙う方向で行きたい。8金あっても、屋敷と公領を買うとか。これだと4点だけど、早めにゲームを終わらせ逃げ切りを狙うなら有効。展開としては庭園と屋敷を買占め、あともうひとつコスト2のカードを枯らすのが最もイメージしやすいし、無難な方法で、ゲーム上の最高点カードといえど、属州を買い集めるべきではないし、そもそも属州を買い集めることを目指した戦法じゃない。

寵臣戦法 相性:良

寵臣の2金効果を都合4枚重ね、計8金になったところでターンエンド、属州を買うという展開が個人的には好きです。もちろん属州2枚買いを目指す方法もありだけど、それをやるには仮想コインやBuyを増やすアクションカードが必要になるので、やや手間がかかる。シンプルな寵臣戦法としては、8金を得るように交換し続けるという考え方が無難な気がしますね。

呪い(CURSE) コスト0・勝利点-1

ただでさえ邪魔な勝利点カードの上に、しかもマイナスという最低のカード。これが欲しい人なんていない。あああああああ、処分したいいいいいい。
ただ逆に考えれば、それだけ他のプレイヤーに押し付ける意義のあるカードになります。自分にとってあって困るカードは、他のプレイヤーにとっても大抵はそうです。そういうものです。

コイン戦法 相性:悪

邪魔です。邪魔。呪いがくればくるほど、カード1枚あたりの価値が下がるわけで。百害あって一理なし。

アクション戦法 相性:悪

もちろん邪魔ですよ。アクションが続きにくくなりますよね。

圧縮戦法 相性:普通

カードの枚数が少なく、礼拝堂を常時引ける体制ならば、呪いがあってもすぐに捨てられるので対して困りません。呪いが空気になるだけ。

庭園戦法 相性:悪

まあ手持ちのカードが多いほうが庭園戦法としては有利なわけですが、だからって呪いカードばっかあっても困りますよね。せいぜい呪いの効果を緩和できるというレベルで、メリットに変わるわけではありませんし。

寵臣戦法 相性:悪

交換できるとはいえ、あんまりありすぎると交換後、寵臣を得る確率が下がり、ターンが終わる可能性が上がりますよね。よろしくないです。ええ、大変よろしくない。

宝物カード

宝物カードは3種類。金銀銅。わかりやすいですね。
銅貨は0コストで手に入るが、手に入れたところでどうってことない。また銀貨はあるとうれしいが、銀貨があればあるほど、今度はより効果的なカードを引く確率が下がる。このあたりのジレンマは誠に悩ましい。
基本的にはドミニオンで勝つには、属州に到達する8金を如何に得やすくするか、という話だと思ってるんですよ。その手段として、1枚あたりのカード価値向上でいくか、手札を引くことで補うか、という話だろうと。
8金に到達するには、最低でも銀貨3枚必要。銀貨3枚あってはじめて銀貨・銀貨・銀貨・銅貨・銅貨で8金。しかし銀貨3枚しかない状態で、手札がこういう構成になる可能性は非常に低く、期待薄。なので基本的にはやっぱり金貨が必要だし、金貨がないなら仮想コインを生み出すアクションカードを継続させるか、銅貨を処分することで銀貨・金貨を手札に揃えやすい体制にするかのどちらかになる。
ま、単純な話、デッキが金貨だらけになればいいわけで。金貨かわいいよ金貨。金が金を生む。金貨が金貨を生み、やがては属州を生むのです。こういう状態になかなかならんから苦労するわけなんだがな。

銅貨(COPPER) コスト0・1金

ゲームの基本となるカード。1金です。しょぼいお金ですが、塵も積もればマウンテン。
ただ、基本的には本当は3枚までさっさと減らしたい。銅貨3枚でシコシコ銀貨を買い、銀貨が増えて金貨を買えるようになったら残りの銅貨を処分する流れが好きですね。手っ取り早くカード1枚あたりの価値を高めることができるので。

コイン戦法 相性:悪

コイン戦法の目的は手札5枚の状態で常時8金にすることです。ということは、カード1枚あたりの価値を1.6以上にしなければならない。1.6だから5枚あることで8金状態になりうる。
そう考えると、1.6以下の価値しかないカードで、且つアクションが継続せず、新たな価値を手に入れる余地もないものは必要ないわけです。それだけカード1枚あたりの価値を押し下げるんで。
ですから積極的に処分したいカードであって、積極的に手に入れたいカードではありません。銅貨よりも多くの銀貨・金貨を手に入れることがこの戦法では大事です。

アクション戦法 相性:悪

基本的にアクションをつなげてナンボの戦法なので、アクションを生み出さないわ、カード購入のときのお金としてショボイわじゃ話になりません。同じ1金なら市場(MARKET)とかの方がアクション継続できる上にカードが引きなおせるのでマシ。

圧縮戦法 相性:悪

圧縮戦法はカード1枚あたりの価値を極限まで高め、不必要なカードを処分する戦法なので、銅貨は必要ありません。銀貨や金貨を買うために序盤に必要な道具であって、中盤以降では必要ない。銅貨がなくなってからが中盤だし、銀貨を金貨に換え終わったときが本格的なGOサインと言えないこともないくらい。
銅貨がたくさんある時点で、それは圧縮デッキとは言えませんよね。

庭園戦法 相性:良

とにかくカードをかき集める戦法なわけで、コスト0で手に入る銅貨は最高のカードですよね。Buyの数だけ手に入る。10枚銅貨を手に入れるたびに、庭園の枚数分だけ勝利点が増えていくんで。手に入れて損はない。

寵臣戦法 相性:悪

銅貨であればなんだろうが、手札が悪ければ交換するしかない。交換すれば手にあった銅貨も捨て札になってしまうので、寵臣を使う前に使用できないカードは、基本的には何の効果もないと同然。
であるならば、へたにカード枚数を増やして寵臣を引く確率を下げるより、銅貨をデッキに入れない方がベター。

銀貨(SILVER) コスト3・2金

1枚あたりで2金の効果を生むし、コスト3という割安価格が魅力。初手からいきなり買えますしね。銀貨・銀貨と買うと、3ターン目にはいきなり引く可能性があるし、その場合、カード12枚で11金、1枚あたり0.92で、5枚で4.6。銅貨3枚・銀貨2枚で7金まであるので、金貨にデッキ2周目で到達する可能性が出てくる。
そうなると、金貨が金貨を生む展開になっていくし、高コストのカードを集めやすくなるので、非常においしい。誰よりも早く高コストのカードを集めるということは、誰よりも強いデッキを早く手に入れやすいわけで、それだけ先んじることができる。
ポイントも逆もこのコスト3というところ。コスト3や4のアクションカードとどちらを選ぶかという問題。
基本的に1枚はアクションカードを選んでもいいと思う。特に仮想コインを2枚生み出すカードなら選んでおいて損はない。宰相(CHANCELLOR)とか詐欺師(SWINDLER)なら同コストだし、アクションの効果がある上に、2コインを生むので、銀貨ではなく、1枚はアクションカードにしておいて損はない。民兵(MILITIA)なんかも同様。4コストで1コスト高いが、他のプレイヤーを妨害できる。他のプレイヤーが銀貨・銀貨、あるいは銀貨と仮想コスト2枚を得るアクションカードの組み合わせで始動した場合、1枚あたりの価値は0.92で、5枚で4.6だが、3枚なら2.76。下手すればコスト3のカードすら買えず、銀貨すら買えないとなると、自ずとカード1枚あたりの価値を上げることができない。序盤の1ターンを失わせる効果を生じさせやすいので、メリットは大きい。
問題はこれらのカードが使いきりのカードであり、アクションが継続しない点。使ったらおしまい。なので、これらのカードを1枚最初に手に入れるとしても、2枚は必要ない。5枚のうち、これらのカードが2枚来たとしても、両方使えないから。2枚目に手を出す場合は、アクションを増やすカードが増加し、アクション回数を使い切ることができる場合と、デッキの枚数が増加し、アクションカードが被るリスクが低くなった場合に限られる。
また仮想コイン1のカードよりは、初手の場合、銀貨を上に見てる。2-5スタートの場合、市場を買うという選択肢があるけども、市場が生むのは1コイン。1枚引けてアクションは継続するが、それでコインを引けるとは限らないし、価値は1なので、カード1枚あたりの価値もあまり上がらない。
2-5で市場・購入なしの組み合わせでスタートした場合、市場は無条件に1金の効果を生み、新たに1枚引けるので、カードを増やさずに1金増えるのと同じ計算になる。つまり10枚で7金が、10枚で8金となり、1枚あたり0.8となるが、これなら銀貨・銀貨で12枚で11金とした方が、1枚あたり0.92となって価値が上だし、銀貨・購入なしでも11枚で9金、0.82。下手に高いコストのカードを買うより、銀貨を買った方がカード1枚あたりの価値が上回るのは明らか。初手の損得勘定としては、仮想コイン2が損益分岐で、2ならアクション、1なら銀貨の方が得だ。
コスト5のカードにどうせ手を出すなら、祝祭のように2コインの価値があるカードを得て、カード1枚あたりの価値を高めるか、魔女を得て呪いを他のプレイヤーにとらせることで、相手のカード1枚あたりの価値を落とす方がいいと思う。コスト5のカードより、銀貨を買うべき場面は結構多い。序盤に高額なお買い物をするよりは、堅実にお金をシコシコ集めたほうがいい場面だってあるのだ。

コイン戦法 相性:普通

とりあえず買っとけというカードではありますよね。これを買い集めることで金貨購入への足がかりになるし、カードの平均価値1.6に近づいてもいくし。
ただ、銀貨をいくら買っても、1.6にはならんのですよね。やっぱり金貨を買わないことには、カードの価値はなかなか増えていかない。銀貨だけだと、カードの価値を高めていくのにも限度がある。
4ターン連続で銀貨を買った場合、銅貨7枚と銀貨4枚で15金。カード数は14枚なので、1.07。しかしこの4ターンのうち、銀貨が1枚でも金貨になれば、14枚で16金。1.14。次の2ターンで銀貨1枚と金貨1枚が買えれば、16枚で21金。1.31。手札5枚で6金を超え、毎ターン金貨購入が可能なレベルになる。
そのためには純粋なカードオンリーというのは難しくて、序盤のダッシュのために、やっぱり鍛冶屋とか祝祭(FESTIVAL)、議事堂(COUNCIL ROOM)、あるいは男爵がいるといいんじゃないかと思いますね。あるいは金貸し(MONEYLENDER)で銅貨を捨てて、銀貨か金貨を買う。この展開が効果的なんじゃないかなあと。いくらなんでもアクションカードゼロで、銀貨さえ買ってりゃいいってわけじゃない。最初のデッキ2回り目であわよくば金貨を購入するためにも、最初の1回り目では何らかのアクションカードを買った方がいいような気がしますね。コイン戦法をやるとしても。

アクション戦法 相性:普通

ま、可もなく不可もなくといったところ。コストが手頃なので、属州2枚買いに必要な16金にするための材料として集めやすい。
また改築をたくさん持っているようであれば、銀貨を材料に公領を得られるのも大きいです。10金ある場合に、銀貨を公領にし、残りの8金で属州を買うということにすると、1ターンで9点入り、成果としてはまずまず。
ただ、序盤はアクションカードを集めることに熱が入ると思うので、なかなか順序的に手に入れづらいような。中盤の入り口あたりで揃え始める流れになるのかな。その場合に、早めに工房(WORKSHOP)を買っておくと、アクションカードを手に入れることができるし、銀貨でも大丈夫なので汎用性は高い。便利でいいですよね、工房。

圧縮戦法 相性:普通

銅貨よりはいいですが、金貨よりは下なわけで、できれば金貨に換えたいですよね。そういう意味で、あくまで通過点というイメージ。銀貨を元手に金貨を手に入れ、金貨を手に入れたら銀貨でさえも処分する。そういう感じでいいと思う。
まあ、銀貨1枚ならあってもいいか。属州を買える8金にするには、金貨2枚と銀貨1枚という組み合わせでいいわけだし。銀貨3枚の状態から金貨を買うごとに1枚銀貨を処分し、銀貨と金貨を交換。デッキの枚数はあくまで増やさない方向で行きたい。

庭園戦法 相性:普通

銀貨は枚数が多く、銀貨山切れはほとんど期待できないので、それであれば他のカードを手に入れ、3山切れを目指したいですよね。2金あればコスト2のカードを買えるわけで、そっちを優先してもいい。
まあ序盤であれば庭園を買い集める体制づくりに銀貨を集めてもいいですけど。ただその場合は工房とかのアクションカードの方が庭園が手に入ることに直結するし、木こり(WOODCUTTER)とかだと2コインある上に、Buyが増えるので、カード枚数を増やす展開にも向いてる。
さほど銀貨の優先度は高くない気はしますよ。アクションカードと相談だ。

寵臣戦法 相性:悪

寵臣は2仮想コインを生む効果もある。なので、寵臣を3枚使い、手札に銀貨があれば8金。属州に手が届くので、あっても大きな問題はないようにも思える。
ただ、あくまでこの戦法は寵臣を引き続けることに主眼があるわけで、寵臣を引く可能性を下げるのは好ましくない。コインがあればあるほど寵臣を引きにくくなるし、手札5枚で寵臣が1枚、残りが銅貨3枚・銀貨1枚とかだと、寵臣で2コイン得ても7金。属州に届かない。4枚交換すればカードは引きなおせるが、コインもすべて捨て札に行く。あまり意味がない。
そういう意味で、銀貨は2金を生むが、銀貨よりは1仮想コインの手先(PAWN)や市場の方がまだおいしい。銀貨はカード交換で消えていく運命にあるが、手先や市場なら、これらのカードを使った上で、寵臣で4枚交換することができる。手先の場合、選ぶアクションは当然1アクション・1コイン。
個人的には寵臣戦法のときはコインは一切買いたくないし、仮想コインを生むカードがない場合は、寵臣の効果だけで勝ちきるのは難しいと踏んでる。幸い祝祭と寵臣は相性がいいので、祝祭の2アクションを図書館(LIBRARY)などにつなげ、カードの引ききりを見据えてデッキを考えた方がよろしいんじゃなかろうか。

金貨(GOLD) コスト6・3金

一番高価なお金ですよ。デッキが金貨だらけになれば、まあ負けないですよね。3枚で9金。民兵を打たれても属州まで買える。
またコスト6なので、改築で属州に交換できる。序盤はカードの再生産に金貨が必要ですけど、終盤はそこまでの必要はないので、お役御免でどんどん金貨を属州してしまっても構わない。村・改築・改築・金貨・金貨なら、1ターンで2枚属州をゲットできるし。改築がある場合、属州を手に入れる素としても優秀。あればあるだけいいカードですね。基本的には。
悩む場面としては、貴族(NOBLES)があるときくらいかなあ。貴族は汎用性がある上に、勝利点2点なので、こっちを取るべき場面も結構ある。
ただ、アクションを増やすのもカードを引くのも、他のカードで代用が効くし、そのカードは貴族よりも低コスト。また、貴族じゃ直接的にお金は生まない。なので、代用カードがある場合は、貴族より金貨優先。代用カードがない場合は貴族優先ですね。貴族を集めたもん勝ちになることも多いので。

コイン戦法 相性:良

そりゃこれを集めることに主眼を置く戦法ですからね。8金あるなら属州ですけど、6金、7金なら迷わず金貨。金貨以外に何を買う。
終盤、1点を争う展開であれば金貨ではなく、公領でもいいですけど。まあそのくらいのケースよね。とにかく金貨ですよ。金貨買ってなんぼですよ。

アクション戦法 相性:良

アクションカードを買い集める資源になるし、属州2枚買いを可能にする16金の材料としても優秀ですよね。間違いがない。間違う余地もない。

圧縮戦法 相性:良

基本的には銅貨などを圧縮して、金貨などの高価値のカードに換えていく戦法なので、当然に欲しいカード。
例外は盗賊がいる場合。盗賊がいる場合は、圧縮デッキに金貨はいらないし、あっても盗まれるだけ。コインに頼らず、仮想コインで8金得る方が現実的。

庭園戦法 相性:悪

6金あるなら、庭園買った方がいい。せいぜい序盤だけだよね。庭園買い進める前までは金貨でもいいけど、一度庭園に手を出すなら、庭園買いを徹底しないと。4金あるときはとにかく庭園で行かないと。
また庭園が切れたとしても、3山切れを目指す場合には他に必要なカードがあるはず。金貨は将来の投資のために手に入れるべきカードであって、将来を考えず、早期の決着を目指すなら必要がない。

寵臣戦法 相性:悪

オススメしない。6金あるなら寵臣を増やして寵臣を引く可能性を上げるべきで、コインを増やして寵臣を得る確率を下げるべきではない。
5金以上あるならまず寵臣だし、寵臣が切れた場合は、寵臣を生かす他のアクションカードを手に入れるべき。その場合は祝祭とか市場が候補で、コインが浮かび上がってくる展開はあまり考えられないし、コインに手を出す時点で、寵臣戦法は破綻している。戦法を他のものにするべき。
ふいいいい。勝利点と宝物カードだけでこんな長文になってもうた。むうううう。とりあえずこの項は終了して、アクションカードについては項をあらためて。
ではでは。

追記(2009/10/30 17:15)

銀貨の項、2-5スタートのくだりを追記しました。