送りバントは高校野球では効く?
「送りバントは意味がない」が定説ですね。
セイバーメトリクス的には。
特にMLBでは。
- 作者: 加藤英明,山崎尚志
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/03/07
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ただ、高校野球では同じ結論にはならんのかなと。あくまで「送りバントは意味がない」は、MLBや日本のプロ野球での結論で、高校野球では別の結論が出る可能性が高い。それは選手の年齢や、リーグ戦とトーナメント戦の違いという話の前提が異なるから。このふたつの前提が違うことで、送りバントの効果という結論が変わるかも知れない。
高校野球の方が選手の年齢が若く、プロ選手に比較して経験や技術、精神的な強さが劣ることに加え、「負けたら終わり」というプレッシャーがかかるトーナメント戦であると。この場合、ランナーが二塁に進み、ワンヒットで得点という場面によるプレッシャーが、守備側に大きな影響を与えるかも知れない。少なくてもある程度熟達された選手で構成され、年間を通してのリーグ戦のため、試合単位のプレッシャーは少ないプロ野球のそれと比べ大きいはず。
となると、バントによる進塁効果が、守備側に精神的な影響を大きく与え、攻撃側にアウト加算に見合うメリットを生じさせるかも知れない。
精神的に未熟な選手が多い高校野球だからこそ、送りバントは有効な戦術?
こういう仮説は成立しうる。少なくてもプロ野球に比べて、送りバントの有用性は高いかも。
この仮説が正しいのなら、こうしたことも言えるのかな。
送りバントは攻めの戦術
「とりあえず」のイメージがある送りバントだけども、高校野球においては相手にプレッシャーをかける攻めの戦術になりうるのかなと。ランナーを進めることで、相手にプレッシャーをかける。「手堅い」とか「守りの」戦術ではなく、心理的負担をかけるための攻めの戦術になりうるんじゃなかろうか。
強いチームこそ送りバントを
戦力差がある場合こそ送りバント。強者がやるからこそ、相手にプレッシャーを与える。常にランナーを二塁に送る姿勢を見せることで、相手は常に失点の恐怖に怯える。実力以上に自らを見せるために有効なのかもしれない。
弱いチームは送らない
逆に自らが弱者であると認知されているような場合は、送りバントしない方がいいのかもね。進塁させてもプレッシャーが与えられないわけで、効果が少ない。アウトをためず、ヒッティングでいいのかな。
世間のイメージはバントは弱者の戦術なんだろうけども、精神的プレッシャーをかけることで効果を上げようとするならば、実は強者の戦術と言える。
ミスにつけこむ場面にバント
四球やエラーの後など、守備側が落ち込んでいる場面にこそ、送りバントでつけこむという手があるのかなと。ミスをピンチに直結させることで、相手の精神的な落ち込みを継続させる。