(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

解散を求めない野党に未来はあるの?

内閣不信任ですか、そうですか。

自民党公明党たちあがれ日本の3党は、菅総理大臣の下では東日本大震災からの復旧・復興や原発事故の収束は実現できないなどとして、菅内閣に対する不信任決議案を衆議院に提出しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110601/t10013261181000.html

まあ、野党が現政権を批判するのは当たり前だし、そうでなくては困るわけで。
現状に問題がある。このままではまずい。お前らじゃダメだと。これは問題意識としてはいいと思うんですよ。「こんな国の一大事に」って批判はあると思うんだけど、一大事だからこそ看過できないことってあるだろうし。
ただ、こういうこと言っちゃうとなあ。

自民党の谷垣総裁は佐賀市であいさつし、菅内閣に対する不信任決議案の早期提出に意欲を示したうえで、衆議院の解散・総選挙の可能性に言及する民主党幹部について、「東北3県はまだ県議会議員選挙もできていないのに、そんなことができるのか」と述べ、不謹慎だと批判しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110529/t10013182281000.html

菅政権がダメだと。だから不信任だと。これはいい。でも総辞職しなきゃならんと。解散総選挙はダメだと。
俺にはこの論理がわからんのよね。
いや、選挙してる場合じゃないだろって話はわかりますよ。そもそも選挙が行えない状況だろって主張もわかる。でもね、これを野党が言うのがようわからん。「菅内閣じゃダメだから、代われ」って言う側が、「総辞職せよ」「解散総選挙はけしからん」というのは論理的な整合性としてどうなのかっちゅう話ですよ。
「総辞職せよ」ってことは、要は首相を代えろってことよね。菅じゃダメだと。他のヤツにしろと。でもそれって結果的に「民主党政権はOK」ってことなわけですよ。「菅以外の民主党政権」ならと。単なる首相への個人攻撃になっちゃっている。解散選挙を回避して、総辞職を企図したために、何故か民主党政権を容認した形になってしまっている。民主党の政権維持を前提にした話になってしまっている。
本当に今の政権がダメで、政権交代を主張するのであれば、自分たちが政権の座についた方がうまくいくことを主張するべきだと思うんだけどな。そして誰が首相になったとしても、民主党政権であるうちはダメだと。同じだと。そう言ってしまう方が明確なのに。
本来言うべきは「解散して、民主党過半数から追い落とそう」のはず。「菅だからダメ」じゃなくて「民主党だからダメ」と言わなきゃいけない。そして行き着く先として解散があり、選挙があり、そこでの勝利を経て政権交代ってのが本筋。
もちろんこの間には政治空白があり、災害直後に政治空白をつくっちゃいかんというのは前提としてあるんだけども、「政治空白があったとしても、民主党政権が続くよりはマシ」「我々の政権のほうが、復興をスムースに行える」って言わないと説得力が欠ける。
政権交代を企図せず、首相の首のすげ替えだけを狙った不信任案というのが見え見えなわけで。不信任だけど、解散は嫌ってところに、本気度の低さが垣間見えてしまう。

統一地方選を先送りし、一刻も早い復興を望む被災地の現状を考えれば、首相が衆院解散・総選挙を選択することは許されない。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110601-OYT1T01123.htm?from=y10

社説でこんなこと書いちゃうところも出てきちゃうし。
仮に不信任案が可決したとして、そのような状況で、解散総選挙を選ばない方が先はないよ。選挙による信任を受けてない政権に、日本の今後を託すの? 不信任案が可決したとしても、首相の交代だけでなんとかなるの? 選挙のロスを加味したとしても、国民の審判を受けた新政権の方が復興はスムースに行くという発想はないの?
なんかいろいろ不思議な話。「代われ」が言えない野党じゃ困るんだよな。ま、お金がないから選挙やりたくないってのが本音なんだろうけどさ。

追記(2011/06/02 11:40)

解散は不謹慎って言った人がこれじゃダメだろ。

野党党首会談で自民党谷垣禎一総裁が菅内閣が総辞職した場合の政権の在り方について「確たる展望を持っていない」と発言

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011060100917

総辞職狙いなのに、展望なしとか……。