(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

因果関係的に当たり前なデータには価値がない

最近、こういうことを平気で言うコンサルタントの人とか評論家っているよね。

20、30代未婚女性の6割超「恋人いない」

20、30代未婚女性の6割超「恋人いない」〜1996年の調査開始以来最高値|最新ニュース|eltha(エルザ)

表題に使っているくらいなので、ここを強調したいんだろうし、「こういうデータがあるんですよ!(ドヤッ)」といったところなんだけど、その実、大したことを言っていないというか。
恋愛結婚を前提に考えると、結婚する人には、ほとんどのケースで恋人がおり、その恋人と結婚をする。
ということは、未婚の人に恋人がいないこと自体は、ある意味当たり前。この情報にあまり価値はない。
「20、30代の未婚女性の6割超には恋人がいないんですよおおおおお!!!」
だからどうした。
大事なことは、これを前提にしてどう考えるかということでありまして。この情報をゴールとしてドヤ顔で振れ回ることではなく、これをスタートにして、他の分析にどうつなげていくかだと思うのです。
例えば単純な話。6割超に恋人がいないということは、4割弱には恋人がいる。その人たちは何で結婚しないんだろねと。結婚する相手が身近にいながら、何故結婚しないのかと。
ここを考えることによって、例えばブライダルビジネスでは需要を喚起したり、より的確な営業先を選択するデータになるわけだし、政府なんかだと晩婚化の解消とか、ひいては少子化問題につながるかもしれない。
あるいは、恋人がいる人の結婚が早まった結果、未婚女性の恋人いない率が高まったという可能性もある。

男性の「交際相手はいない」データを見ても、女性と同じ曲線を描いているわけで。
とまあこんな感じで考えたほうが、より具体的な方策につながる有用なデータになりえます。
「未婚女性は恋人いない率が高い」
こんな因果関係的に当たり前なデータでは何も得られない。明確になっていない因果を考えることで、見えていない何かにつながる。
データを見るときには、単純な因果くらいは踏まえた方がいいよというお話でした。では。