(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

妹は二度殺される

渋谷での妹バラバラ殺人事件。公判が始まりましたね。

基本的にこういう事件について深く扱うのには疑問があるのですよ。というのも、背景とか何とかは人が死んだ、殺されたという事実の前にはあまりにも無力なんで。どんな背景があろうと、亡くなった人は帰ってこないのでねえ。それは以前にも書いた通り。

ましてや日本の場合はマスコミによって遺族が追いつめられる場合がありますんでねえ。家族を失った上に、あることないこと書かれてしまう。その心労たるやねえ。そっとしてやりたいのが人情ですよ。
ただ、このケースは何だろう。亡くなったのをいいことに、全ての責任を殺された妹に押しつけている構図が見え見えで。しかもそれを殺した兄だけじゃなくて、親も含めた家族ぐるみでやっているというのが非常に痛い。

 父親は「手のかからない我慢強い子だった」と勇貴被告をかばう一方で、殺された亜澄さんについては「攻撃的で感謝の念に欠けていた」と話した。亜澄さんが高校3年のとき、見知らぬ男性を自宅の部屋に入れたときのことに触れ「『パパが知らない女の人を入れるようなもの』と注意したら、『パパもそうすれば』と言われ、がく然とした」と明かした。

 (弁護側も冒頭陳述をして)亜澄さんが高校3年時、援助交際を行ったり、ファッションヘルス店で風俗嬢として働いていたことなどを挙げ、そうした問題行動も犯行の誘因の一つであるとした。

こういうことを裁判でよく言うよねえ。妹を売って、そこまで人殺しの兄を守りたいかねえ。とっても不思議でなりませんよ。「殺されても仕方がない妹だった」「殺した兄は悪くない」って構図を描こうとしているわけで。実に恐ろしいことをする親ですね。
その象徴的な例がこれでして。

 亜澄さんと不仲だったという勇貴被告の兄は「(自分が)もっと話を聞いてやって愛情を注いでいれば殺されなかった。勇貴もこういうことをせずに済んだ」。

まあ、こういう一家に生まれれば、誰だって独立しようとするし、反発しますわな。援助交際だろうが風俗だろうが、それはこういう家から離れるための手段なわけで。性を売って失うプライドより、こういう家から独立して得るプライドの方が大事だったということ。この決断は誰にも責められませんよ。大人の女性として生きていくための決断ですから。
まあしかし兄に殺され、家族に罪を押し付けられ。物凄く不幸な女性ですね。あともう少しで家族から旅立てたものを。合掌。

パチンコ屋がカジノになる日

やや遅めではあるけども、やっぱり気になったので取り上げます。パチンコホールなどを経営するマルハンマカオに進出という話。

これ、何の違和感もない話。むしろ遅いくらいで。やっとかよってくらいの感覚。
というのも、今回の件は日本企業初の資本参加というケースなわけだけど、カジノ事業に関してはとっくに進出しとる企業があるわけですよ。その代表的な存在がアルゼ。マカオでスロットマシンをやった人はわかるけど、最近はアルゼのマシンがやたら多い。アルゼは日本のパチスロだけじゃなく、カジノのスロットマシンも作ってとるわけですな。
するってえと、日本のパチンコホールであるマルハンが進出する以上は、そこにパチスロ台とかを売っているアルゼと手を組むであろうというのは実にわかりやすい構図で、そういうコラボを念頭においた進出ではなかろうかと。そう推測しております。これがマカオ進出の話。
もうひとつの絵としては、日本でカジノが解禁になった場合の話。カジノが全くない日本に、いきなりカジノ建設OKとなれば、無から大きな市場が突然生まれる。で、いざカジノを作ろうというときに、カジノ運営で先行するのがマルハンであり、カジノインフラ販売で先行するのがアルゼであると。そうした有利な立場に立つこともできる。マルハンとアルゼが組めば、大型パチンコ店をカジノにしてしまうことだって可能になるしね。パチンコ・パチスロ台をポーカーとかスロットマシンに変えるればいいんだからさ。もの凄く現実的なカジノ解禁の方法論。ま、お上が許すかどうかは別だけど。
こうしたカジノアミューズメント事業はコナミなんかも取り組んでおります。

但し彼らは日本ではゲーセンからのアプローチになるので、既に金のやりとりが発生しているパチンコ・パチスロ業界のマルハンやアルゼより押しが弱いような気がしますな。バックに警察がいるかどうかも賭博の絡みで重要になってくるし。ゲーセンをカジノ化するより、パチンコ屋もカジノ化する方が現実的な気がする。
ま、こうなってくると政治家を抱えるとか、警察官僚の天下りを受け入れるとか、アメリカから外圧をかけるとかの勝負。何だか生臭いことになりそうですね。日本のカジノ解禁は近そうだ。