(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

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円安バブル

あらゆる理論とか数字より、肌感覚って大事だったりするのである。特に未来に関する予測については経験則に勝るものはない。意外とアナログな感覚って大事。
そんなオレの感覚で言うと、そろそろ景気が悪くなりそう。一時的であれ、調整局面を迎える気がしますな。その根拠は、最近、弊社にやたら融資話が来るのよ。銀行から「お金、借りませんか?」と。こういう動きが全面的に出てくる頃って、大体景気の転換期なのよね。こういう現象が出てくると景気が悪くなる。お金の行き先がなくなってジャブジャブとあふれ出し、そのお金の向き先が中小企業になる頃には、大局的な流れは変わっているものですよ。世の中ってそういうもんです。
余ったお金がジャブジャブにならんうちは、実は効率的な投資が行われているわけですよ。必要なところに必要なものがあるという状態。それがあふれ出してどこにも行くところがない。しょうがねえから中小へという頃には、質の悪い投資しか残っとらんわけです。貸し倒れリスクも格段に上がるだろうし、リターンもそんなにあるかどうか。そういう融資が続けば、その先にあるのは景気のピークアウトしかないわけで、一見好況に見えていても、実は不況まっしぐらなんですよ、奥さん。
特に不安なのは円安バブルの崩壊ね。意外と気付かれてないけど、現状は輸出産業を中心に結構なバブルなのです。円がどの通貨に対しても安いおかげで、輸出産業は空前の利益を出している。しかも、海外の人間からすれば自国の通貨が強い分、従来より安く日本製品が買えるわけで、そういう価格競争力もある。円安差益と価格競争力というダブルのメリットが発生しとるわけですな。
大体1ドル123円前後だなんてバブルですよ。円が安い、安すぎる。1ユーロが165円。1ポンドが246円。豪ドルもNZドルもカナダドルもあらゆる通貨で円安。韓国ウォンもタイバーツも人民元もそう。円が独歩安。数多くの通貨で過去最高値水準にあるということを考えれば、こうした状況がある日突然終わることは自明の理。今、バブルであることに気付いている人は少ないですけど、いきなり「パーンッ」と弾けますよ、きっと。いきなり1ドルが115円くらいに戻っても不思議でもなんでもなし。そうなったときにどういう混乱が起こるかは、かなり不透明ですよ。そろそろ用心しといた方がいいと思いますよ。この為替水準はそうそう続かない。
ま、円安バブルが弾けても、一時的な調整で済むという楽観的な予測はしてますけどね。イケイケドンドンと言っても相対的にそうなってきただけで、社会全般的に浮かれた経営にはなっちょりませんから。一部そういう会社が淘汰される場面がくる。そういう限定的な調整になるのではなかろうかと。日本人とっては「浮かれるな!」といういい教訓に作用するような。むしろアメリカの方がやばそう。イケイケドンドンでやってきたアメリカからマネー流出という局面が来たら間違いなく不況になるでしょうしね。ま、為替には注視する必要がありますよ。円安バブルに気をつけろ!