(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

命の問題は難しい

タリバンに拘束されていた韓国人人質がやっと解放。その背景にはやっぱり身代金が支払われていた説。ロイターによると、その額、約23億円。

韓国政府とかは身代金支払を否定しているようですが、朝鮮日報によると、この人質解放交渉に韓国の交渉団は81億円持って行ったそうで。

長期滞在のための経費も含まれるとはいえ、これが身代金の原資であることは疑いようがないわけで。やっぱり裏でお金が動いたんでしょうな。
ただ、こういう話は難しいよね。命の問題なんでねえ。安全保障の一般論では、こういうケースでテロリストに屈してはいけないわけですよ。同じような事件の呼び水になるから。毅然とした対応をするというのが国際社会の暗黙の了解みたいになっており、「テロリストに大金渡すなんて、何考えてんだ?」となる。「その金でさらに武器を買われたらどうすんの?」「これで誘拐がビジネスになっちゃうよ」と。そういう話。
とはいえ、故福田首相が言うように「人命は地球より重い」というのもまた真理。金で買えないのが命なので、金で解決できるなら解決しとけって考え方に理はある。「一部の命を助けることで、全体を危機にさらしていいのか!」って批判はアリなんだけど、「今、危機にさらされている人間を助けなくてどうする!」って反論もアリなんだよなあ。同じように正しい。どっちが一方が正しくて、一方が間違っているなんて言えないもの。
ま、結局は政治信条の問題で、それが一貫している限りは正しいと思うんだよなあ。「最大多数の最大幸福」を追求し、そのためなら落伍者を怜悧に切り捨てるのも政治なら、全体の歩みを止めてでも落伍者を助けていくのも政治。いやはや、こういう問題は難しいでござるよ。絶対的な答えなんてないからね。