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コレステロール値が低いほうが危険ってマジ?

コレステロール値が低めの人は高めの人に比べて、死亡率が高くなることが、富山大学の浜崎智仁教授(脂質栄養学)らの研究でわかった。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080328-OYT1T00711.htm

ううむ、これはどうかなあ。これは自然科学の領域じゃないよね。実験とかで導かれた話じゃない。あくまで社会科学的な統計による結論。トンデモ研究とまでは言わないまでも、ちと微妙。少なくても医学的な話じゃねえやね。
というのも、コレステロールと健康の関連を直接調べたわけじゃないから。あくまでも結果から導いた話。コレステロールと健康の因果関係を証明したわけじゃねえ。「たまたまそうでした」の可能性が高い。

コレステロール値、低いと危険」

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080328-OYT1T00711.htm

読売新聞はこういう見出しで釣りに入っておるわけですが、そんなことは言えないわけでねえ。「コレステロール値の高い人と低い人。死亡率が高いのはどっち?」という問いに答えを出しただけで、「危険なのはどっち?」じゃないんだよね。このあたり意図的な釣りで、ミスリードだけど。
ま、この研究結果から、あえて推測すると、これはコレステロールとの関連性で死亡率に変化が出てきたのではなくて、栄養全体の摂取で違いが生じたということでは。コレステロールだけじゃない。栄養全体の話。
単純に考えて、コレステロール値が高いってことは、それだけいいメシを食ってるわけですよ。低いヤツに比べてね。高脂質のコッテリとしたいいものを日頃食べている。ということは、それはコレステロールにとどまらず、他の栄養も多く摂取している可能性が高い。栄養価の高い食生活を送っている可能性がある。
つまり、コレステロール値が高いヤツの死亡率が低いのは、摂取したコレステロールによるものではなくて、コレステロールの摂取にともなう、他の栄養による効果ではないかと。そう考えられるのですよ。それがビタミンなのかタンパク質なのか知らんけどな。
そう考えると、この部分がすっと理解できる。

200ミリ・グラム以上の人では死亡率は変わらなかった。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080328-OYT1T00711.htm

もしコレステロールが健康にいいならば、こうはならないですよね。取りすぎによる悪影響がないはず。200mgを境に死亡率が増えるのは、コレステロールには死亡率低下効果がないってことなのでは。そしてやっぱり体には良くないのでは。ある程度の水準までは他の栄養摂取によるメリットが上回る。ちょっとの取りすぎならば、他の栄養効果で補える。ただし、本格的にコレステロールをとりまくると、他の栄養のメリットをコレステロールのデメリットが上回る。そういう感じな気がしますね。その転換点が200mgじゃないの?
ってことは、この研究から導かれる教訓としては「みんなでがっつりコレステロールをとろう」じゃないよね。記事の表題的にはそんな感じだけど、そうじゃない。「少々のコレステロールは気にするな」くらいであり「栄養をたくさんとりましょう」じゃないかねえ。そして最終的には「バランスよく栄養を摂取しましょう」と。そういう無難すぎる話だと思いますですよ。

コレステロール値、低いと危険」

こういう短絡的な見出しがトンデモ科学を生むんだよねえ。コレステロールのとりすぎに注意しませう。