どうやら政府はブッシュに配慮して牛肉輸入解禁へ歩を進めるようだ。
ううむ、科学的根拠はあるんですかねえ。私、もちろんこの問題については素人ですよ。牛の生態について何も知っとりません。でも、論理的におかしいくらいはわかるってもんですよ。
「全頭検査から生後20カ月以下の牛を除いても食肉のBSE汚染リスクの変化は『非常に低いレベルの増加にとどまる』」と言うけど、その根拠は「生後20カ月以下の牛は今のところ発病例がない」というだけ。これ、単なる統計的結論。科学的根拠ゼロ。
①生後20カ月以下の牛は今のところBSEを発症したことがない。
これは現状の事実。一応本当。ただ、このデータを逆に考えるとこうなる。
②生後20カ月を超える牛はBSEを発症する可能性がある。
問題はこの「生後20カ月」という境界に合理性があるかどうか。……あるわけないじゃん。「生後20カ月」で牛という生態に劇的変化があれば別ですよ。おたまじゃくしがかえるに、みたいな。でも牛は生後20カ月未満でも以上でも、変わりなく紛れもなく牛。何も変わらない。ということは、「生後20カ月」という境界は「今のところ」の安全ラインであり、将来の安全性はまったく保障しない。①をもって下記の③は導けない。④になる。
③生後20カ月以下の牛はこれからもBSEを発症しない。
④生後20カ月以下の牛もBSEを発症しないとは言えない。
大体、生後20カ月以下の発症例がないのは、それだけBSEの潜伏期間が長いというだけ。エイズを発症していない人でもエイズウイルスを持つ人がいるように、BSEでも同じことがいえるはず。「発症例がない=BSE原因物質ゼロ」じゃない。BSEではないという証明がされていない牛は安全ではないのだ。
というわけで、コストはかかろうとも全頭検査には合理性がある。安全かどうかわからないアメリカ牛肉よりも、わしゃ国産牛・オージービーフを選びます。怪しいアメリカ牛肉をあっさり使うなら、吉野家にはもういかんぞ。