(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

俺が海外から帰ってくるまで待ってくれよ

アメリ財務省がイランに対する金融制裁発動。イラン国営のセパ銀行に対して、資産凍結と同行との取引停止を命じたそうな。

ううむ、これはまた複雑なことに。とりあえずはドルが安くなりそう。話せば長くなるんだけど、この制裁はセパ銀行に対し、ドルの出入り口を閉ざすというもの。コルレスバンクを経由するドル建て決済ができなくなる。その反面、ユーロ建て決済は問題なし。EUの管轄ですからね。EUが追随して金融制裁すりゃ別だけど、恐らくアメリカとは距離を置く。となると中東マネーは必然的にドルからユーロに流れる。ドル建て資産よりユーロ建て資産の方が安全ということになりますからな。また、ポンド・円は「イギリス・日本はアメリカとセット」という流れで、ドルと同じくユーロに対して下げる展開。ユーロ独歩高。
同時に円・ドルに対してアジア通貨が上がりそう。特に人民元。気になる動きがあるんですよ。それは香港ドルとの為替差がほとんどなくなっていること。昔は1元に対して0.9香港ドルくらい。このレートが長らく続いたわけですが、近年の人民元改革でじわじわ上昇。先ほどブルームバーグで調べたら1元が0.9988香港ドル(1月10日12時現在)。まるで同じ。
何でこういうことが起きてるかというと、香港ドルはドルとのペッグ制だから。香港ドルはドルとの交換比率が一定だけど、人民元はそうじゃない。非常にその幅は狭いものの、一応は変動する。人民元がじわじわドルに対して上げているため、香港ドルと同じ水準になったってわけですよ。気がつくと追いつけ追い越せなんですよ。
この流れが加速すると、アジア枠内では円より人民元ということに。元々華僑があちこちにいて、華僑経済圏がある上に、ドルに対して強いとなれば、人民元決済の方が都合いいわけで。一方、円は地盤沈下。「円は強い」というのが謳い文句だったわけで、その強さがなくなりゃ用なし。海外旅行行く上で円が強いってメリットだったんですけどねえ。いよいよ円一本やりじゃ厳しい世の中到来ですなあ。