わさび抜きじゃない寿司は残します
農水省が「外食産業での食べ残し調査」なるものを実施。その結果、食べ残しが最も多いのは結婚披露宴だそうな。
- ZAKZAK:“食べ残し率”結婚披露宴が最高
- http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070125-00000123-mai-bus_all
- 農林水産省:平成18年食品ロス統計調査(PDF)
いやあ、この調査、スゲエ面白いなあ。施設ごとに数字を見るとこんな感じ。
- 結婚披露宴 22.5%
- 宴会 15.2%
- 宿泊施設 13.0%
- 食堂・レストラン 3.1%
この数字を根拠に「ZAKZAK」「毎日新聞」は結婚披露宴の食べ残しが多い理由を「招待者がぜいたくに注文するため食べ残しが多くなる」「主催者が料理を多めに出しがちなことが原因とみられる」と分析し、披露宴を開く側に責任を求めているんだけど、本質的な理由はシンプル。
「食べてえものを出せや、ゴラッ!」
食堂・レストランの食べ残しが少ないのは、食べる側が食べたいものを注文しているからなのよ。だからニーズがずれないんだけど、それ以外の3つは一方的に供されるから、ニーズとずれまくることがある。欧米の人が旅館に泊まっても、頑なに出てくるのは和食。年輩が宴会しても、つまみのメインは何故か揚げ物。甲殻類が苦手でも、披露宴といえば海老のテルミドール。こういうミスマッチがどうしてもある。
でもまあ宴会・宿泊施設はまだいいのよね。披露宴に比べて小規模だし、幹事のさじ加減がきくから。「おっさんが多いから、揚げ物を回避して鍋物メインにしよう」とか、「海外からのお客様なので、生ものは少なめで」とかできる。でも披露宴って本当に融通きかん。「ここはレッドロブスターか」っていうくらい、確実に海老が出てくるし、どこいっても大差なし。一律全員一緒で、出席者の嗜好とか、年齢構成に合わせる余地ねえしなあ。招待する方は悪くねえよ。
しかしこの調査、細かく見るとツッコミどころがあるなあ。例えばこんなの。
中華料理店ではみそ汁は飲まない
食堂・レストランの食べ残しを品目別・業種別に見ると、こんな結果。
- 一般食堂 3.0%
- 日本料理店 4.3%
- 西洋料理店 2.9%
- 中華料理店 12.2%
- 焼肉・東洋料理店 5.3%
- 合計 3.8%
洋食とセットのみそ汁はみんな飲むくせに、中華とセットのみそ汁はみんな飲まんということか。オムライスとみそ汁はOKでも、チャーハンとみそ汁はNGみたいな。日本料理店のみそ汁より、西洋料理店のみそ汁の方が残されないって意外だなあ。
西洋料理店で野菜の漬物は食わない
同じパターンで野菜の漬物。
- 一般食堂 11.7%
- 日本料理店 10.3%
- 西洋料理店 28.4%
- 中華料理店 11.2%
- 焼肉・東洋料理店 9.4%
- 合計 11.0%
これまた西洋料理店の数字が突出。ピクルス嫌いな人が多いからなあ。一方、焼肉店の数字が低いのはなるほど納得。どうしても口元をサッパリさせたいもんね。キムチ人気も影響ありそう。
披露宴で豆は出すな
「豆及び豆腐が主体の料理」の食べ残し率。食堂・レストランでは2.6%とほとんど残してないけど、披露宴では激残し。
- 結婚披露宴 58.2%
- 宴会 13.4%
- 宿泊施設 11.2%
なんだ、この突出した数字は。半分以上捨てることになるんか。じゃ、もう出すなよ。
ちなみに家庭での食品ロス率は4.1%。うち食べ残しは1.1%。おお、主婦(主夫)大健闘。何だかんだで家庭の味がいいんですなあ。……オレも家庭が欲しいぞ(心の叫び)。