オレは不思議でしょうがねえんですよ。証券優遇税制は金持ち優遇って話。論理的に成り立たん。だって全てはこの一言で終了する話じゃないすか。
- じゃ、株買えば?
「株の儲けだけ税金が安いのはズルい=それは金持ち優遇だ」って流れなんでしょうけど、昔と違って今では誰でも株を買えるから、この批判は的外れなんだよね。手数料は安くなったし、オンラインで取引できるし、1万円から投資信託は買えるわけだしね。金持ちしか買えない商品であるなら、「金持ちだけズルい」という批判はアリだけど、誰でも買えるのにズルいも何もねえと思うんだよね。得するのがわかってんなら、自分がそれをやりゃいんですよ。外からあれこれ言うんじゃなくて、得する側に回らなきゃ。
それに証券優遇税制によって恩恵を受けるのは、実は庶民だったりするわけですよ。「日本の株で儲けても税金が安いから、日本の株はお得だぜ」となりゃ世界中のお金が集まる。そうなりゃ株は値上がりするわけで、そうなると結構なメリットが発生する。
例えば年金。年金のお金は株で運用している割合が高いので、株が上がれば年金運用の成果も上がる。運用がうまくいけば年金不安がなくなる。
社員持ち株制度。これを導入している会社は最近増えているわけですが、株の値上がりで社員みんな大金持ちというケースも出てくる。
そして個人投資家。大口の機関投資家ばかり儲けているイメージで金持ち優遇って話になっているんだけど、庶民だって小口で投資しているわけだから、それなりのメリットはあるんだよね。実際、証券会社とかに口座を持っている大多数が小口の投資家なんだから。
なので金持ち優遇どころか、実は庶民にとって証券優遇税制廃止は痛いんだよね。むしろ金持ちは痛くない。そもそも金を持ってるから。一発逆転の道が狭くなるという意味で庶民に厳しい制度なのよ。
どうせ証券優遇税制を廃止するなら、うまく工夫して欲しいやね。実害ゼロにする工夫。例えば2010年から廃止することにし、同時に2年以上保有したものに関しては、従来の税率10%とする。こうすりゃ今年買ったものに関しては、2010年でも税率10%のままだから駆け込み売却が起こらないし、長期保有のメリットができるので、株価が安定しますよ。怖いのは駆け込み需要だから。「来年から税率上がるなら、今年のうちに売っちゃえ」で売りが売りを呼び、株価が下落する。こういう流れが怖いので、持ち続けていれば得するシステムで緩和する知恵は欲しい。
ま、ベストは優遇廃止じゃなくて、優遇強化なんだけどね。株価を上げたいなら税率引き下げ。これに限る。で、やり方はちょっとずつ下げていくといい。例えば最終的に5%にするとして、現在の10%から1年ごとに1%ずつ下げる。こうなりゃ向こう5年間は安泰ね。焦って利益確定せずに持っていけば、勝手に税金が安くなる。つまり儲かるってわけで、株を売る人が少なくなる。となりゃ値上がりするのは必然。こういう前向きな工夫が欲しいなあと、そう思うわけであります。