土曜思いつき官能小説「雨どい」
水分が集まり、しずくになると、そのしずくは肌を舐めるようにつたって落ちてゆく。
「どうした?もっとか?」
そう言うや否や、男は私の口から水を注ぎ込む。
「これが欲しかったんだろ」
否定はできない。そう、私は欲しかった。私は乾ききっていたのだ。この変わらない日常に。潤いのない生活に。
体は正直だ。恥ずかしいくらい、私のあるところが、しとどに濡れていくのがわかる。体内を水分がつたい、その水分は川となって出て行く。
彼は指で私の下半身から出る水分をすくう。
「なんだ、ビショビショじゃないか。ん?これは何だ?」
私から出る水分で光る指。
「正直な体だな。よし、今日は濡れ濡れにしてやろう」
久々の恵みの雨。全身を喜びにうねらせる。そう、私は雨どい。
つづく(ウソ)。