(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

お笑い関係者が笑わない不思議

常々思っていることなんだけど、お笑い関係者ってどうして上から目線なんでしょうね。で、どうしてあそこまで「褒めて伸ばす」的な風土がないんでしょうね。何というか、芸人同士でも「他人のネタに笑ったら負け」みたいな意地が浸透している気がするし、「オレの方が面白いわい」みたいな意地の張り合いがある。また芸人養成所(NSCとか)の人は徹底的に短所を酷評する。クスッともしないし、徹底的に潰しにかかるときもある。「どこが面白いの?」みたいな。
ま、本当にヒドいレベルの芸人もいるし、酷評したくなるのはわかるんだけど、もうちょっと何とかならんもんかねえ。志望者が多いから、ダメそうなのはさっさと見切ってもOKという現実はあるんだろうけど、このあたり堪え性と言うか、指導者の成熟性が低い気がしますですよ。古いタイプの職人気質が残りすぎというか。「盗め」「誰が教えるか」みたいな。他の職人世界では、このあたりだいぶ中和されてきているのに、お笑いだけはまだ異常なSの世界があるような気がしてなりません。
で、このあたりにお笑い業界の需要が残っている気がするんですよ。ひとつは「褒めて伸ばす」タイプのお笑いコーチ。上からガンガン言うんじゃなくて、いいところを引き出し、伸ばそうというタイプ。「陰と陽」で言えば、陰のコーチしか現状はいないので、陽のコーチって新しいと思うんだよね。特に養成所じゃ、こういうタイプは皆無なので。腕組みして、ブスッとして、文句つければ終わりみたいな人が多すぎるような気がしますですよ。そうじゃなくて、面白いところはちゃんと笑い、その上で「もっと面白さを引き出すにはどうするか」という思考ができる、プロフェッショナルなコーチがいてもいいような。
あとはお笑いプロデューサー。「褒めて伸びる」タイプの芸人選びから始まり、適任のコーチをつけ、売り出しの戦略とか、ネタの選択とかのアドバイスをする。こういう役割が隙間産業としてあるのではないかと。少なくてもアイドルとかにはこういう戦略があり、次はどういう曲を出すかとか、女優へのモデルチェンジに備えて舞台を経験させようみたいな話があるわけで、それをお笑いでやってみる手はあるような。
これだけ芸人が売れていて、結構なビジネスになっているのに、指導とかの分野は全く成熟してないなあと感じる次第。ジャニーズ系のアイドルとか、小池栄子とかほしのあきみたいなグラビア芸人がバラエティに進出しているのは、事務所とか仲間内でノウハウのやりとりがあり、向上できるシステムがあるからで、そういう分野に手が伸びていないのはもったいないと感じる次第。このあたり吉本とか松竹は体質が古い気がしますが、どうでせうか?