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大都会の荘厳なるひと時 - サントリーホール パイプオルガンコンサート

この記事を読んだのが3月16日。

「いつかは行きたいぞ、サントリーホール!」と思ったのが今週の月曜日の出来事。

そして18日、水曜日。夜、Skypeでクラシック好きの友人N氏と19日の食べ歩きの相談。N氏が休みなので、ちょっとメシを食おうという話。その会話のおり、N氏が偶然こんなイベントを見つけた。

サントリーホールでのパイプオルガンコンサート。偶然にも19日に開催。無料で気軽に楽しめるとのこと。
聞けばN氏、サントリーホールはよく通っていたが、パイプオルガン単独の演奏は聴いたことがないと。そして俺はサントリーホール自体に行ったことがない。
丁度いい。行こう。即決。

相変わらずの勢いで、サントリーホールに行ってきた。

サントリーホール溜池山王から歩く。南北線の六本木一丁目の方がやや近い。

無料とはいえ、コンサートの案内もきちんと出てる。
やや早い到着だったので、時間をつぶしに近くの喫茶店へ。

時間が迫り、戻るとこの行列。うひょー。
そうこうしていると12時。開場の時間。開場の時間を、入口にあるパイプオルゴールがお知らせ。

通常時はこんな感じで何もないが、

上のところがカパッと開いて登場。

こんなの。N氏曰く、このオルゴールで、「いよいよコンサートだ!」という気持ちが高まるらしい。ふむ、そういうのってあるよね。「いよいよだぞ!」みたいな儀式のようなもの。

とにもかくにも入場だ。会場に入り、2階席に向けてダッシュ

サントリーホールといえば、このワインヤード型のつくりで有名。

こういうコンサート会場で、一般的にイメージするのは、ステージが奥にある形式(シューボックス型)。しかしここは真ん中にある。よってステージの奥にも席がある。客席がステージをぐるりと囲む形。変わってるね。

大ホールは、日本では初のヴィンヤード(ぶどう畑)形式。

初めてですか。そりゃ珍しいわけだ。
でだ。この形式にとアドバイスしたのは、カラヤンらしい。

サントリーホールをワインヤード型にすべきだと主張したのは、他でもないカラヤン氏だった

カラヤンが驚いた佐治敬三の「ほな、そうしましょ」 サントリー躍進を支える文化事業という根幹(2/4) | JBpress(日本ビジネスプレス)

「現代は、いい音楽を聴こうと思えば立派なオーディオ装置がある。それにもかかわらずお客さんがわざわざコンサートホールに足を運んで聴くのには、特別な意味がある。演奏する側にとっても、レコーディングスタジオで演奏するのと、ホールで演奏するのとでは全然心構えが違う。お客さんと一体になって演奏することこそが、現代のコンサートの形ではないか。だから自分たちが真ん中にいて、回りにお客さんがいて、お客さんと一緒に音楽を作り上げられるワインヤード型がいい」

カラヤンが驚いた佐治敬三の「ほな、そうしましょ」 サントリー躍進を支える文化事業という根幹(3/4) | JBpress(日本ビジネスプレス)

ただ、N氏曰く、カラヤン自身がワインヤード型のステージを好んでいたという事情もあるようで。

カラヤンが常任指揮者だったベルリンフィルの本拠地が、そのワインヤード型なわけでね。そりゃ気に入っているはずだし、人に勧めもするだろうねえ。
ともあれ、話はサントリーホール。このパイプオルガンコンサートでは席は自由。早い者勝ち。耳が肥えた方が多いのか、皆目指す方向が一緒。2階席まっしぐら。音の響きがいい席を皆さんご存知ね。N氏の後ろに着いていき、C席右側、前の方の席を確保。開場前は一応行列はできるが、そこまでは混まない。楽々座れますですよ。
そして12:15、コンサートはじまる。

C. フランク(1822-90):コラール第2番 ロ短調
ブラームス(1833-97):コラール前奏曲「わが心の切なる喜び」op.122-4
ヴェックマン(c. 1619-74):カンツォン ハ長調
J. S. バッハ(1685-1750):前奏曲とフーガ ホ長調 BWV566

こちらの4曲。
いやー、いいもんだね。基本的にパイプオルガンってのは、賛美歌的な曲に使われることが多いわけだけど、雰囲気といい音の感じといい曲といい、荘厳な感じですね。目を閉じて聴くといい感じ。寝れる。……寝るな!
ま、でも癒されるってことですよ。落ち着くわけです。目を閉じて聴いていると、30分なんてあっという間。心地よい時間が過ぎるのは本当に早いのです。……途中拍手フライングとかあったけどな。フライング自重。
コンサートは月1回木曜日、12:15から12:45の30分。近くにお勤めなら、お昼休みのちょっとした息抜きにいいかも。途中入場・退場もオッケーというゆるさもうれしい。疲れたときに、ここで30分舟漕いでうつらうつらするのもいいんじゃないかな。

4月16日(木) オルガン:塚谷水無子
5月14日(木) オルガン:川越聡子
6月11日(木) オルガン:坂戸真美
7月9日(木) オルガン:シンディ・カスティー
8月はお休みします。
9月10日(木) オルガン:新山恵理
10月22日(木)、11月19日(木)、12月10日(木)

年内4月以降の予定はこんな感じ。都会のど真ん中で、喧騒を忘れ、パイプオルガンの音色に耳を傾ける30分は如何かな?