(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

リトマス試験紙が欲しかった −喜多方ラーメン合宿−

行ってきました喜多方ラーメン合宿。安保理事会での激烈なる討議の結果(大げさ)、決議された喜多方行き。でもって内容はと言うと、これがまた芳しくないかんじ。体調不良というのもあるが、何と言うか、悪い意味で昔から変わってなかったのよね。昔のまま。それはそれでうまいのだけれど、変化がないことによって、相対的な味のランクが下がってるんですよ。舌が贅沢になったんですかね。昔ほどの感動がなかったというのが正直な感想。普通のラーメンになっちゃいましたな。
ま、それもこれも近年の味の向上が凄すぎるんですよ。麺・具・スープ、どれも凄いことになってる。ダブルスープにしても無加調にしても、10年前にはごく一握りの店しかやってなかったのに、もはや普通。「ゆで玉子」ひとつとってみても、半熟にしたり、燻製にしたりするのが当たり前になってきている。けれども喜多方ラーメンって何も変わってないんですよね。麺は地元の製麺屋のだから、そもそも変化するもんじゃないし、スープも具も昔と一緒。相変わらず。
とはいえ喜多方ラーメンってそういうもんなんですよね。地元に根付いた食文化だから、変わらなくていいんです。ブームになったせいで過剰に期待するし、自分自身初めて食べた時の衝撃があるから、相当高いハードルを設けてた面がありますが、地元にとっちゃ日常食。普遍的なうまさでいい。そこが観光客と地元の人の感覚の差。久々に食べたことで、その根本に気づかされました。特別な食べ物じゃないのよね。
でもって今回食べたのは4軒。少ない? でも、これ限界だって。うどんと違って具とスープがあるわけで。おかげで後半は荒行チックになってしましました。ビバ、ビフィズス菌

坂内食堂(http://www.jalan.net/kanko/SPT_151829.html

恐らく喜多方ラーメンで一番有名な店。チャーシューで埋め尽くされた「肉そば」で有名だが、1軒目からそんなもの食ってたら、とてもじゃないけど胃袋が持たん。そこでノーマルの中華そばに。
で、ファーストインプレッション。湯切り甘すぎ。茹で湯のにおいが凄いんですけど。某ラーメン屋は茹で湯がスープに入るとアルカリが強くなるので、レモン汁を茹で湯に入れ、ペーハーを調整しているそうだが、今までは「ケッ、そこまで気にしてんのか。ハイソな店は違うね」なんて思っていた。しかしこのアルカリ臭でなるほど納得。ラーメン界のイチローさん、あんた正しいよ。こりゃ確かにアルカリだわ。
とはいえ味はさすがの一言。スープうまし。全体的な量は少なめだが、日常食として考えれば十分なレベル。550円という値段以上の価値はある。行列やむなし。確かにうまい。ただ、湯切りはしっかり目にして欲しいなあ。

松食堂(http://gourmet.yahoo.co.jp/0003380189/M0007010105/ktop/

坂内食堂の隣。つまりはしごラーメン。これが後々きつくなる原因なわけだが……この時は知る由もなし。
早い時間のためか客ゼロ。どうやら一番客のよう。坂内の色の薄いスープとは対照的に、こちらは色が濃い。味も醤油が香ばしい。が、基本的には至ってノーマル。坂内のような強い押しはない。とはいえ毎日食べるならこういう変哲のないラーメンがいいのかもね。特徴がないからこそ飽きがこないわけで。月並みの良さもある。

上海(http://www.jalan.net/kanko/SPT_171637.html

かれこれ6年ぶりの再訪。前回着たときに衝撃を受け、また是非に、というわけで再訪したわけだが、ちとがっかり。味が落ちている。いや、正確に言うと「相対的に落ちている」が正解かも。他がうまくなっている分、粗が目立つ感じ。特にメンマがいただけない。喜多方は全体的にメンマがイマイチだと思うのだが、ここのはさらに塩素臭がする。もどしが悪いね。しかも湯切りも甘い。これも喜多方は多い。メンマに加え、茹で湯が入るってわけで、結果的にアルカリ攻撃。むむう。酸をくれ、酸を。

はせ川(http://www.jalan.net/kanko/SPT_170675.html

今回の4店舗はすべて歩きで周ったのだが、真ん中くらいで後悔するくらい遠い。ここだけずばぬけて遠いのだ。しかも歩いても歩いても腹はこなれない。もどしの悪いメンマと、甘い湯切りのせいで、体内がなんとなくアルカリであり、まめに吐き気をもよおすというバッド・コンディションの中、到着。それでもラーメンを注文。それでも食うんかい!
味はもっとも特徴的。香ばしい煮干の香り。あまりにも香ばしくて、微妙に佃煮っぽい匂いがする。佃煮っぽい甘みも感じるし。何だろ、これ。
再訪するならここかなあ。1回じゃ味を理解できん。味はあまり喜多方っぽくないので、ニューウェーブなのかな。観光客より地元の比率が高いし。こういう新しい味の店が出てくるのはいいことだ。
ここで胃袋限界。4軒で終了。本当はまこと食堂・あべ食堂・大安食堂・源来軒にも行きたかったのだが、断念。次回来るときはアルカリ攻めに対応すべく、お酢を常備することにします。これにて合宿終了!