実に予想通りのリアクションが。アメリカ高官の久間発言に対する反応。
「原爆の使用が終戦をもたらし、連合国側の数十万単位の人命だけでなく、文字通り、何百万人もの日本人の命を救ったという点では、ほとんどの歴史家の見解は一致する」
ま、色々思うことはあります。「ふざけろ、ゴラァ!!」の一言でタケルンバの内面は十分に表現されつくされるわけですが、あえて今回は理性的に何故そういう発言をしたのかという観点で。
基本的にアメリカは第二次大戦中の行為は正当なものであるという立場なんですよね。東京大空襲や原爆投下をはじめとする民間人の殺戮も戦時下の正当な行為であると。そういう立場。で、そういう立場であるならば、日本から「第二次大戦下での民間人殺戮を謝罪せよ」と言われたら「謝る筋合いねえよ、バーカ」と言わざるを得ないんですよね。悪いことしてねえという前提だからさ。
で、これは思想信条とは全く関係のない話。心情的に「悪いことしたよなあ」「原爆はひでえなあ」と思っていても、国の方針として「悪いことしてねえぜ」である以上はその前提にのっとった行動をとらなきゃならん。それが国に仕える人間の責務。それは高官であればあるほどその意識は高く持たねばならんので、こやつがこういう発言をするのは、アメリカとしては当たり前なんだよね。日本に反発されようが嫌われようが、アメリカとしては自分の立場、前提があるわけで。で、それを守るのが国益であり、その行為こそが外交なのでね。ムカツクけど、外交のルール通りの行動であり発言ですよ。
だからこそ、こういう反応がわかりきってるパスを投げるのは不毛なわけで。「原爆は悪い」と言ったら「悪くねえ」と帰ってくる。当たり前じゃん、こんなの。被害者である日本は「お前が悪い」という立場だし、加害者のアメリカは「オレは悪くねえ」という立場なんだから。
で、反応がわかりきってるからこそ、大人は面倒なやりとりをしないよう、大人の付き合いとして「その話題はお互いに触れないでおこうよ」という結論になるわけですな。お互いの立場は決まり切ってるんだから、そこを言い合うのはやめようと。そういう解決策になる。つまりこの原爆問題に関するベターな方法は「お互いの立場が変化するまでは、お互いに話題にしない」なわけです。それが大人の付き合い。ましてや同盟国同士なら尚更そうね。仲良しじゃなきゃ困る間柄なんだから。
そのタブーを長崎のバカタレが破って突っつくから、安倍は安倍で「やっぱアメリカは悪い」と言わざるを得ないし、アメリカはアメリカで「いいやオレは悪くない」と言うしかない。この話はそれだけの話なんですよ。お互いが教科書通りのリアクションをしとるだけ。で、そのやりとりのせいで、多くの人がさらに不快な気分になる。煽るバカモノも出現する。いいことなんて何もないんですな。不毛ここに極まれり。時間と労力と不快感の無駄。久間の罪は重いぜよ。