スカパー加入をいまだにためらう３０歳

王者インデュラインがいて、山岳王キアプッチがいて、ジャンニ・ブーニョとかアレックス・ツーレとかチッポリーニとかがいた頃のツール・ド・フランスは実に良かった。フジテレビも山岳ステージを毎晩のように放映していたしなあ。最近なんて総集編一発で終わりだし。しかも午前２時５０分からみたいな地獄の時間帯。どうやってオンタイムで見ろっちゅうねん。
しかしここ最近はとんと見る気がしない。それもこれもドーピング問題のせい。あれがつまらなくしたね。昨年のチャンピオンが誰かいまだに微妙だし、出場停止になるヤツはいるわ、ビャルネ・リースまで今頃告白するわで大騒ぎ。
しかし何だな、ヨーロッパには「面白ければいいじゃん」みたいないい加減な発想ができるヤツはおらんのか。あるいは「ルールの範囲内なら何やってもそれはフェア」みたいなアメリカ発想のヤツとか。いい加減でもアメリカ的でもなく、ただただ取り締まって事態を暗くし、展望が見えなくなっとる。まったくもって不毛。
オレみたいないい加減な人間は、単純にスゲエヤツを見たいのだ。「薬を打って筋肉がムヒョ」とか「興奮剤でスタートダッシュがウヒョ」みたいな裏事情はどうでもいいのである。どんなにクロの証拠が上がっていても、歴代最高のクライマーはパンターニなのである。薬の力を借りたかどうかはどうでもいい。パンターニは凄かった。それでいいじゃないですか。そういうことにしときましょうよ。
そんなわけで最近の厳しい取り締まりは粋ではないので、地上波のフェイドアウト現象とともにすっかり見なくなった次第。プロ競技って真面目になればやるほどダメになるね。管理がある程度いい加減な方がうまくいく。ＭＬＢ見てりゃわかるわね。あれだけ疑惑の的になっているボンズがまだ打ちまくっているんですから。いわんやソーサ。もうちょっと大らかにお願いしますよ、ねえ。
ま、とりあえずフジテレビはまともに放映する気がないなら、地上波の権利だけでもテレ東あたりに売ってくれ。WWEも権利買ってさっさと撤退したんだから、その禊までに是非。