(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

食の安全 in 中国

中国の進歩するスピードはとかく急であり、ものスゲエのであるが、そのベースには実に大胆な取り組み方があるんですよ、奥さん。何とも急進的というか、極端というか。で、日経にこんな記事が。食の安全性が先進国に比べ劣ると認めたという話。

オリンピックを控えていうることもあって、対応が何だか矢継ぎ早ですな。

 偽薬の認可に便宜を図り多額のわいろを受領した前国家食品薬品監督管理局長の死刑も同日午前執行され、食品・薬品の安全性への信頼回復に政府を挙げて取り組む姿勢を内外にアピールした形だ。

そして汚職でも速攻で死刑にしてしまうという。しかも既に執行したというのがポイント。日本みたいに長々と刑務所に入れとかないのだ。会見のタイミングに合わせて死刑。このあたりスゲエ。人権よりも対外的アピール優先。さすが人口が13億人もいると、人命の扱いが大胆だ。
しかし同時にこんなニュースも。有料飲料水の偽装疑惑。

記事の表題通り「やっぱり」という話。ま、この手の偽装はお手の物ですからね。
ただ、「こうした話題が最近よく出るから、中国のモノは危ないよ」という論理は筋違い。「悪い話が出る=悪い」というのはあまりにも安易。というのも、昔からこういう話はあったわけです。中国の人だって、中国に行く人だって、知っている人は知っている話。何も急に危ない食品が出回る国になったわけじゃないですよね。ガイドブックにだって「屋台には気をつけろ」「水には要注意」くらいは書いてあるわけでねえ。
何せ飲茶とかにはいまだに「洗杯」という儀式があるくらいで。これは最初に淹れたお茶で箸とか湯呑みとかお皿とかを洗う作法なのですが、これって「洗わねえと汚ねえ」という前提の儀式ですからね。外食店でも信用しないという性悪説にのっとった作法であり文化。こういうお国柄なわけですから、何も最近そうなったわけじゃないのよ。
なので今回のポイントとしては「今まで隠れていたニュースが表に出るようになった」の方に重きをおいて注視したいですな。国のメンツにかかわる食の安全性のニュースですらも表に出てくるようになった。このあたりに中国の変化を感じとりたい。
もっともその背景には何といってもオリンピック。オリンピックを成功に導こうと、指導部がやみくもに突っ走っているからこその変化。ただ、強引だけど、中国はやると決めたらやる国ですからねえ。知恵も金も指導力もあるわけで。ネガティブ情報が多いからこそ、今後のポジティブな変化が予想できますな。中国、恐るべし。