(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

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B級感を愛したい

昨夜の浦和ACL制覇には非常に感慨深い思いが。今更カミングアウトすると、オレは昔、浦和ファンだったので。
何せ野球もベイスタファンをしているくらいなので、強いとこはそんなに好きじゃないのですよ。グダグダ具合もまた良し。弱さのあまりの哀愁感もまた良し。ストーブリーグでのバーニングっぷりを楽しむもまた良し。そういう変な人なのですよ、オレは。
なわけで、初期の浦和ときたらそれはそれは琴線を揺さぶりまくりで。名古屋グランパスとの「裏天王山」っぷりしかも大敗とか(最下位争いなのに、ジョルジーニョと森山にいいようにやられる)、ペナルティエリアで棒立ちのDF陣であるとか(動け!)、ガンバレ堀とボリとか(語感が似てるだけ)、「カール・ハインツ」じゃないルンメニゲとか(でもウーゴ・マラドーナより格上)、「何とかしろよ森」とか(あと横山)、ひたすら走っている岡野とか(今もあまり変わらないけど)。そういうのがいちいち良かったのであります。程よいB級感と言いますかね。
でも強くなるにつれ、興味が薄れてしまったのですよ。普通に強くなったから。
もちろん強くなるのはファンにとってはいいことなんですよ。地元浦和の皆さんにはめでたい話。優勝争いをする喜びって格別。ただオレは「B級感」が好きで浦和ファンになったので、強くなると違う。遠い世界の話ですな。
あと、あのサポーターの雰囲気に馴染めない。凄いサポーターだと思いますよ。世界一のサポーター。でもオレはあそこまで熱くないんだよね。B級感が漂うと、彼らはマジで怒るじゃないですか。それが熱いサポーターであるということなんだろうけど、オレみたいな人間は「それがいい」なんですよ。ルンメニゲを呼ぶならば、オレはミヒャエルがいい。カール・ハインツじゃ困るのよ、B級好きは。同じくマラドーナはディエゴじゃなくてウーゴ。これ鉄則。
つまりオレの場合「強い・弱い」より大事な価値観があるのです。「面白い・面白くない」とか「粋・無粋」とか。今年の横浜FCを推していたのもまさにその点。40過ぎて新たなポジションに挑むカズは面白いし粋じゃないですか。もちろんそこでカズを外し、若手を使ったほうがいいという価値観もあるし、勝負論としてはそっちが正しいかもしれんけど、「カズ使ったほうが面白いじゃん」という一言で、オレの中では不正解扱い。「思い入れ」ってこういうもんじゃありませんかね。「強くなる過程を愛す」のもファンなら、「微妙な現状を愛す」というアプローチもありじゃないすか?
ま、話は色々ずれてしまいましたが、かつて愛したチームがアジアの頂点を極めたというのは喜ばしいこと。あらためてお祝い申し上げます。強くなったなあ。