オシムの異変を日本に告げたのはグルノーブルの祖母井GMらしい。
信頼できる人につながらず、アマルは「藁をも」という心境でフランスに電話したんだろうなあ。むむむ、何とも。祖母井氏が如何に個人的な信頼を得ていたかという裏返しではあるんだけど、今はジェフじゃなくてグルノーブルだもんなあ。
何というか、オシムが日本に馴染んでいたことが裏目に出た感触。もっと慣れていなければ、「何かあったときには」みたいな非常回線があっただろうし、ホテル住まいであれば、言葉の通じる従業員が何かしらいたはず。合宿先・遠征先であっても同様で、日本に馴染み、普通に生活していたことで、かえって非常時の対応ができなかったという、何とも不幸なケースのような。脳梗塞は梗塞が発生してから治療を始めるまでの時間が重要なので、このロスは大きい。
とりあえずは意識を落として治療にあたっているようですね。
代謝を落とすために、低体温療法なんかも併用しとるのかねえ。このあたり、完全に医学的な話なので、門外漢のオレにはわからんけど。
ただ、一般論として、代表監督復帰は絶望という前提で動くべき。もちろん完全回復もありうるし、その希望を捨てるべきではないけども、病人にそれを期待するのは酷というもの。不謹慎かもしれんけど、監督選定に向けて動くべき。ましてや、まだ本番までまだ2年ある。2年の時を有効に使うためには、代行とかの臨時的な措置は手ぬるい。オシムが倒れた以上、オシムと同等、あるいはそれ以上の指導者を迎えねば。で、またそうでないとオシムにも失礼。誰にでもできる仕事じゃないからオシムに頼んだわけなので、オシムがその職務を遂行できん以上、同等クラスの人間を見つけるのが礼儀なような気がしますよ。
そういう意味で大熊コーチの内部昇格とか、反町はダメ。世界的実績がゼロだから。比較にならん。岡ちゃんもダウト。予選が始まってからの非常時に起用するのはアリでも、まだチームを作れる時間がある現状で代表を託す器じゃない。どうにもならんときの選択肢としてキープするのは悪くないけどもね。
例えばミルチノビッチなんかどうでしょ。最近ジャマイカ監督を解任されたばかり。セルビアの人なのでオシムとキャラクターがかぶるし、ワールドカップでも実績は十分。浪人中の監督の中ではいいんじゃないですかね。クラブより代表で実績があるというのもいい感じ。
奇策としてはベングローシュ。監督業を引退し、既に71歳だけど、オシムとの継続性という意味では、この人ほど適当な人はいない。ジェフの監督時代、後任にオシムを推薦したのは彼らしいですし。その逆パターンもアリでは?
いずれにしても時の流れは止まらんので、次へ向けて動くべき。こういうときこそ協会の真価が問われる。「中畑じゃ長嶋の代わりはできんかった」という野球と同じパターンにならんようにね。