(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

何かを得ると何かを失う

正直言って同じような意見。「どうにかしてくれ」と言うより「どうにかする」ほうがいいし、まだ「どうにかする方法を教えてくれ」のほうがわかるんだよなあ。

「国頼み」というのはどういうことかというと、とにかく彼らが主張する「解決方法」のすべてが「社会保障」である、ということなのよ。生活保護にしろ失業保険にしろ最低賃金の引き上げなどの規制強化策にしろ、とにかく「国がこうしてくれるべきである」という意見ばっかりでした。

2008-04-26

全般的に他者依存の姿勢っていうのかな。そういう雰囲気を感じるんだよね。「待ち」の姿勢。
「何とかしてくれ!」「助けてくれ!」「変えてくれ!」「手を差し伸べてくれ」
こういう悲痛な叫びはわかる。そういう境遇に苦しんでいる人がいることは知ってるし、そういう境遇が苦しいことも知ってる。でも、こういう発想をするうちは何も変わらない。理由は簡単。他者依存だから。
「何とかしようと思う」「助けよう」「変えよう」「手を差し伸べよう」
こう思ってくれないとはじまらない。また、そう思ったとしても、その対象者が自分であるとは限らない。手を差し伸べた相手が自分である保証なんてないしね。周りはみんな助かったけども、自分だけは助からなかったみたいなケースもあるわけだし。他者に依存すると、助ける順番も他者によって決められるので、その順番が上に来るとは限らんのよ。自分の運命を他者とか運に依存してしまうので、どうにも効率が悪い。
それよりは自分でどうにかする方法を考えたほうがいい。こういう声を上げるにしても、助けを待つだけじゃなくて、助かる方法を自分で探す。助かるためには「攻め」と「待ち」を同時並行でやったほうがいい。そして現実的で、実質的な効果があるものを考えたほうがいい。
例えば「給料上げろ」ってのはあんまり意味がない。というか、できない。企業の人件費なんてのは決まっているわけで。ここを無秩序に増やせば赤字になる。赤字になったら潰れるので元も子もない。
であれば、「給料の配分を変えろ」のほうが現実的。上に行ってるお金を下にまわしなさいよと。こっちのほうがリアル。経営者としてはトータルの人件費を増やすわけにはいかないが、配分を変えるのはのめる。要はトータルで少しでも黒字を出すというのが経営者の仕事なわけでねえ。配分を変えるだけならトータルの収益は一緒なので、まだのめる。
結局交渉事というのは相手があるわけで、その相手がのめる話でないと意味がない。ただ要求するだけでは通らない。相手を動かすには、相手にもそこそこメリットがないと動かない。
社会保障と税金の話なんかもこういう面がありまして。充実した社会保障が欲しい。でも税金は安く。……これは無理。何故なら、社会保障にはお金がかかる。お金がかかるので税金も必要。であるならば、充実した社会保障が欲しいなら、高い税金で我慢しなきゃならんし、税金が安いほうがいいなら、その分、社会保障が弱まることを受け入れなければいけない。
その矛盾する両面を要求するから話がおかしくなる。もちろん誰ものめない。できるわけない。何かを得るには何かを手放さなくてはいけない。何もかもはできない。矛盾する要素である以上、両立はできない。
である以上は、どっちかを主張すべき。社会保障を手放して安い税金を得るか、高い税金を認めて社会保障を得るか。どっちか。国が介入せずに自由競争にするか、国が介入して規制をかけるかという選択もそう。
となると、こういう意見が自然なんだよね。

普通はね、自由競争に近いほど若い人は有利なはず。

2008-04-26

普通はそう。規制がないほうがいいし、社会保障を手放して、安い税金にしたほうがいい。
その理由は簡単。社会保障があまりいらないから。具体的には年金とか健康保険。安いけど働き口はあるし、若いから病気になるリスクが低い。ところが、年齢を重ねるとどうにもならない。リタイアして働く年齢じゃないだろうし、働き口がない。医療費も多くかかる。それだけに、社会保障を手放せない。そういう選択をしようがない。
健康保険なんてまさに典型。お年寄りの医療費を負担しているのは若い人なわけでねえ。若い人の医療費が安いから、お年寄りの医療費が高くてもまかなえる。そういう構造なわけで、基本的には社会保障が必要なのは上の世代。下の世代は相対的に必要性が少ない。

若い人がこぞって「税金あげてもいいから国に守ってほしい」といい、おじさんが口からつばを飛ばしながら「規制を入れすぎると社会の活力が失われ、競争に勝てない」と主張してるわけ。
反対じゃね?
って感じました。すごい違和感。

2008-04-26

オレも逆だと思うよ。社会保障減らしてもいいから、その分、金をくれ。規制を減らしてチャンスくれ。こっちのほうがしっくりくる。大まかな方向性としてはこっちのほうが自然。若い人は若いからこそ時間がある。それを最大限に活かすためには、規制をなくしてチャンスをってのが自然な声だと思うなあ。
それに国の仕事はコストが割に合わないし。民間よりも無駄が多いわけだしさ。税金の無駄遣いが多いのは、色んな報道とかで明らかなこと。それよりは、税金を安くして、自分自身がその無駄遣い分を消費したほうがマシ。使い道を選択できるしね。老後に備えて貯めるという選択もアリなわけだし。
何かを得ようとすると、何かを失う。このコストをもっと意識すべき。何かを手放すことができないと、何も得られない。国家に何かを要求する人は、国家に何かをとられることを意識するといいと思うよ。この世にタダのものはなし。そしてタダより高いものはなし。